静岡ラーメン放浪記

よかたい＠島田

　ＪＲ島田駅を降り、駅前の大通りを北へ向かう。
駅周辺は工事中で、至る所に工事中の看板が掛かっている。
道路も掘り返された土が殺風景に放置されていて、荒れ果てた外観だ。

　通りを歩いてゆくが、平日の昼にしては人影の少ないのが気になる。
ものの５分ほどで、めざす「よかたい」に到着した。
これは看板も小さいので、見落としがちな店構えですね。

　入り口の暖簾を上げて、お客さんが４人ほど出てきた。
それとすれ違いになってお店に入る。
あれ、ちょうど入れ替え時だったのか、中にはお客さんは誰もいませんでした。

　どこに座ろうか迷っていると、まだ片づけが済まないテーブルを避けて、端の狭い席になってしまいました。
変形のテーブルの上には、地元の芸術家の作品が並んでいる。
注文は「よかたいラーメン（６５０円）」

「麺の堅さはどうしましょうか」
「普通でお願いします」

　卓上には、「紅しょうが」「辛し高菜」「擂りゴマ」などの薬味がひと揃い置いてある。
洒落た造りで、こういう所に店主のセンスを感じさせる。

　さすがに出来上がりは素早い。
すぐに出来上がってきたのはこてこての「豚骨ラーメン」です。

　真っ赤な丼に白い豚骨スープ、そして黒い香油が浮かんでいる。
具にはモヤシとキクラゲにチャーシュー２枚、糸唐辛子も飾られている。
麺は博多ラーメンらしい細麺のストレート。

　スープは本格的な豚骨スープ。
これは豚骨１００％間違いない。
クリーミーに乳化した、獣のスープだ。

　半分ほど食べた所で、紅しょうがと辛し高菜を投入する。
これでさっぱりした感じになって、また食べやすくなる。
スープも充分入っているのが嬉しい所だ。
何たってスープが侘びしければ、替え玉もできやしない。

　これは久しぶりに「替え玉（１００円）」を頼んでみましょうか。
「麺の堅さは？」
「カタメンでお願いします」
お皿に乗って、替え玉が登場した。

　これを丼に追加して、また食べ始める。
麺の堅さの違いはと言いますと、ん、よく分かりませんでした。
細麺にスープが良く絡み、あっという間に食べ終わってしまいました。

　ところで、後から入ってきた、たぶん初めてと見える女性二人客です。
「麺の堅さは」と聞かれて
「軟らかめ」
何のためらいもなくそう答えていました。
店員さんがええっという感じで、もう一度聞き直していました。

　いつも思うんですが、初めての店で色々とお客に選択させるのは、難しいですね。
面倒くさがりやの私は、全部普通で通しますが、どうなんでしょうか。
お店が自信を持って出せるものを「普通」にしているんだと思いますが、最近の傾向では「カタメン」が普通みたいになっているしなあ。

　「ごちそうさま」
健康のためにスープを残してしまいましたが、お腹は一杯になりました。
こういう本格派のお店は、なかなかありません。
だから、機会があると無性に食べたくなりますね。