静岡ラーメン放浪記

山嶽党奇譚
　大佛次郎　著

　言わずと知れた「鞍馬天狗」大活躍の時代小説です。
復古版という形で、新書版の登場です。
実は不勉強で、このお話は初めて読みました。

　もちろんテレビや映画での鞍馬天狗は良く知っています。
でも、原作となるとかなりイメージが違いますね。
悪者相手には大苦戦しますし、かなりの大けがをする場面もあります。
それでも何とか乗り越えてしまうのが、ヒーローの凄い所でしょうか。

　時代は昭和の初めに書かれたもので、元々が少年読者向けのものなんですね。
そのせいか「杉作少年」の大活躍がちりばめられています。

　面白いのは、「近藤勇」がけっこう好人物に書かれていることです。
敵味方に分かれてはいるものの、お互いに相手を好敵手と認めていて、卑怯な手段は使わない。
単純な対決話というわけではないんですね。

　本作では、勤王でも佐幕でもない第３の勢力「山嶽党」が台頭してきたお話しです。
お決まりの合い言葉など、時代劇には定番の場面が盛りだくさんです。
時代を超えて読み継がれる、まさに名作と呼ぶにふさわしい一冊ですね。

　カエルくんも応援しております。