静岡ラーメン放浪記

洛二神＠大阪天満

　なにやら大阪に旨いラーメンを食わせるお店があると聞いて、ひょっこりやってきました。
ＪＲ大阪環状線を天満の駅で下車し、商店街をしばらく進みます。

　今日も日差しが暑く、まだまだ秋は遠いといった感じです。
天神橋筋を角に曲がり、少し進んだビルの１階に目指すお店がありました。

　お店の開店は１１時半。
まだ１０分ほどありますので、並んで待つことにします。
私たちの前には若い男性が一人手持ち無沙汰で並んでいます。

　ラーメン店の隣は、老舗のたこ焼きやさん。
焼き上がるそばから売れてゆきます。
たこ焼きを包むおばあちゃんがまた渋い感じで、品があってさわやかでした。
後でお土産に一船買いましたが、醤油味がついていて、美味しいたこ焼きでした。

　お店の看板には「魚系そば」の大きな文字が書かれています。
ここ「洛二神（らくにじん）」は魚介出汁が自慢のラーメン店なのです。

　さて、１１時半になってお店が開きました。
シャッタが開くと中からご主人が出てきて、ご挨拶をしてくれます。
さっそく中に入りますと、カウンターだけの細長い造りで、９席ほどです。

　一番奥に先頭の若者、その次に席を取ります。
並んでいたのは５人ほどですから、適度に間を空けて座っています。

係の女性がお冷やを出してくれて
「ご注文は」
「和風中華そば（７００円）と、メンマ入り（８００円）をお願いします」

　まずは、丼を載せるんでしょうか、ステンレスのお皿が各自の前に置かれます。
貼り紙には、魚介系の嫌いな方は向かないと言う注意書きが書いてあって、この店は圧倒的な魚介系出汁の店だと主張しています。
一番乗りのお兄さんは混ぜそば系の注文なので、時間がかかり、私たちの分が先に出てきました。

　まずは「和風中華そば」です。
民芸調の風格のある丼で、レンゲの朱色もなかなか洒落ていますね。
こういう美的センスは好きだなあ。

　具にはチャーシュー１枚に、キクラゲ、ノリ、そしてよく見えませんが、小さな干しエビも入っています。
葱もどうやら九条ねぎのようで、かすかに甘い感じがしました。

　まずはスープを一口いただきます。
これは完全に和風ですね。
看板に嘘偽りのない、魚系そのものです。
しかもただの魚介系ではなく、あれこれといろんな出汁が加わっている感じです。

　干しエビが入っていますから海老の出汁も混ざっているんでしょうか、かなり複雑な味です。
でもはっきり言えるのは、「旨い」という一言です。
麺は細麺のストレートで、これも適度な歯応えでスープに絡んできます。
いやあこれは良いラーメンですね、驚きました。

　こちらは「メンマ入り」です。
「メンマ」はシナチクではなく、たぶん自家製のタケノコの穂先を煮たものです。
これは何というものか分かりませんが、根曲がり竹のような、面白いメンマでした。
これが良い歯応えで、箸休めにぴったりです。

　久々に汁まで全て飲み干すほどの美味しさでした。
いやあ大阪恐るべし。
これほどのスープは初めてでした。