2007.11.01 Thursday
鏡の世界の生物
鏡の世界の生物
人間をはじめとする生物は、主に「タンパク質」から出来ています。
植物でも、魚でもそれに違いはありません。
では、そのタンパク質とは何かというと、アミノ酸が結合して出来たものです。
タンパク質をどんどん分解してゆくと一つの単位になりますが、これがアミノ酸。
ではこのアミノ酸、どのぐらいの種類があると思いますか?
もちろん地球上の生物全てについてです。
様々な種類の生物がありますから、数え切れないほどだろうと思うと、意外に少ない。
実は20種類です。
まあ、結合する分子の数が多いですから、その組み合わせは無限に多くなるわけですね。
地球上の生物の体はこの20種類のアミノ酸が、組み合わされて作られているのです。
さて、その「アミノ酸」とはどういうものかといいますと
1個の炭素原子(C)に4種類の置換基が結合してできます。
それは、カルボキシル基COOH、アミノ基NH2、水素H、そしてアルキル基などR、です。
この互いに異なる4種類の置換基が付いた、炭素原子(C)を「不斉炭素」と呼びます。
この不斉炭素にはその並び方によって、光学異性体と呼ばれる、2種類の形ができます。
この二つはまったく同じ組み合わせでできているのですが、結合する場所が異なっています。
ちょうど鏡に映したように、逆の位置に結合しているのです。
片方が右手とすれば、もう片方は左手の形になるわけです。
この2種類の光学異性体を、D体、L体と呼びます。
さて、実験室で原料からアミノ酸を合成するとします。
昔はこの有機物というものは、合成できないとされたものですが、化学の進歩によって、可能になったのですね。
実験室でこのアミノ酸を合成すると、D体とL体とが、1対1の比で生成します。
これは確率的に正しいことです。
ところがですね、面白いことに、地球上の生物を構成しているアミノ酸は「全てL体」なんです。
D体がほんの少し混ざっているわけでもなく、完全に1種類しかないのです。
これは生体による合成のメカニズムが関わっているのですが、面白いと思いませんか。
もし逆に、D体だけでできた生物がいたとしたら。
見かけ上は全く同じ生物になります。
しかしその生物は我々のアミノ酸を取り込むことができない。
つまり鏡の世界に、こちらから物を持ち込むことはできないのと同じことなんです。
見かけ上全く区別はできないのに、本当は完全に異なる生物の誕生です。
広い宇宙ですから、ひょっとしたら鏡の世界に別の自分が存在するのかもしれません。
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Comments
いつもながら博学な「電気がま氏」には感心しています。
無学の私は、この年になって懸命に勉強する日々ですが、中々頭が付いていかず苦労しています。
やっぱり若いときにしっかり勉強しておけば良かった〜と、今更ながら思う今日この頃です。
Comments
>生きた化石 さん
年齢によって記憶力に差が出てくるのは致し方ないことですね。
記憶を失わないために、出来るだけ代名詞を使わないようにしています。
「あれ」「それ」で話が通じるのは便利ですが、それでは世界が狭くなります。
勉強するのは今するから価値があることで、過去にいくら勉強したと自慢しても仕方がないと思います。
私は、「勉強して得た物」よりも「勉強した自分」を誇ってもらいたいと思っています。
ま、ボチボチ行きましょう。
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