静岡ラーメン放浪記

来々軒＠桜木

　日曜日のお昼、今日は久しぶりのお店を尋ねてみたいと思います。
駒形通りを二つばかり外れたあたり、真っ昼間とはいえさすがに人影は無く静かな住宅街です。

　通りの角に、洗いさらした白いのれんが目に飛び込んできました。
見るからに古風な昔風のお店です。

　さっそく中に入ってみましょう。
「いらっしゃいませ」
Ｌ字形のカウンターばかり７席ほどの小さなお店です。
そのお店に先客は二人。
少し離れて、右の隅に席を取ります。

　左端のおじいさんは瓶ビールをちびちびやっています。
まん中の男性はどうやら業務用麺の配達で来たようです。
このあたりは路上駐車でも全く問題ないようで、暇つぶしに話し込んでいるんでしょうか。

「ラーメン（４５０円）お願いします」
「はい、ラーメンね」
厨房にはおばちゃんとおじちゃんの二人、これもよいお年ですね。
典型的な昔ながらの中華屋さんという感じです。
コップに水道水を汲み入れて、お冷やが出てきました。
暇つぶしにメニューを見ますが、どれも皆お安い値段になっています。
景気も悪いし、お店の経営も大変でしょうね。

「おまちどうさまです」
カウンター越しにラーメンが出てきました。
何とも昔懐かしい佇まいです。
めんは細麺の縮れ麺でスープは醤油の強い感じです。

　具は何とチャーシューが３枚、メンマにナルトも２枚付けてくれました。
さっそくコショーを掛けていただきます。
これはさっぱりとした味わいです。
何と言っても今どき４５０円というお値段ですから、これだけで十分です。
はじめは少ないかと思いましたが、量も私には十分で、満足できました。

　ビールを飲んでいるおじいさんは、２本目が空きそうになって。
「今日はもう寝ちゃおうかなあ」
なんてのんびりしたことをつぶやいています。

おばちゃんが
「今寝たら夜中に目が覚めちゃうよ」
笑ってたしなめていますが、のどかですねえ。
仕事が終わったら、調理場の蛍光灯は消してしまうし、まあ面白いお店です。

「ごちそうさまです」
お代を払って、お店を後にします。
昭和の雰囲気がそのまま残っている、不思議なラーメン屋さんでした。