2010.01.14 Thursday
薬物依存
薬物依存
佐藤有樹
山本卓 著
サブタイトルは「恐るべき実態と対応策」です。
某女優の事件から世間を騒がせた「薬物依存」ですが、私自身詳しいことはあまり知らないんですね。
そんな時に見かけた本書で勉強してみることにしました。
もちろん私の周囲にはそんな方は微塵も存在しませんからご安心下さい。
本文より
人間というものは、誰かに支えられたりなにかに頼ったり、すがったりして生きていくものではないでしょうか。
依存とまでいかなくても、精神的にかなり大きい部分を肉親や他人に頼って生きていくものだと思うのです。
社会生活の上で、教師に頼る、上司や先輩を信頼し、その力を頼るなどということは
誰にでもあります。
誰の助けも借りない、精神的に誰にも頼らない人というのはごく少数ではないでしょうか。
心の不安や苦しみを誰かに語ることで、少しはやすらぐことも多々あります。
もちろん、対象が人間でなくても心が休まることはあります。
その典型的な対象が酒や煙草でしょう。酒も煙草もいっさいやらないという人は、少数派ではないでしょうか。
酒や煙草をたしなむ場合も、人によって一日に飲んだり吸ったりする量は違います。
毎日でも酒を飲まなければいけない人や、煙草を一日に二箱も三箱も吸わなければ気が済まない人がいるかと思えば、一週間くらいお酒を飲まなくても全く平気な人、煙草は吸うがせいぜい一日に数本だけという人もいるわけです。
ただ、いずれの場合にしろ、アルコールやニコチンを摂取するという目的は、それを意識するかしないかにかかわらず、接種することによって何らかの快感(あるいは安心感)を得るためだといえます。
何かに頼りたい、依存したいという気持ちの向かう先が、違法薬物であるということが、社会的に問題なのだと思います。
お酒や煙草は許されているのに、覚醒剤などの薬物が法律で禁止されているのは何故でしょうか。
それには大きくいって三つの理由があげられます。
一つは覚醒剤に対する精神的な依存性が、酒や煙草とは比べものにならないくらいからです。
言い換えれば、覚醒剤をいったん摂取すると、常用者になる確率がきわめて高いからにほかなりません。
もう一つの理由は、覚醒剤の売買が暴力団の大きな資金源になっているからです。非合法化におかれた覚醒剤は、それを製造、輸入したり販売したりすることは当然、地下組織が行うことになります。
そうなると、必然的に暴力団のような組織がその担い手になり、そこから上がる利益が組織を潤し、肥大させることになるわけです。
中略
三つ目の理由は、覚醒剤がそれを摂取し続けた個人の健康を心身両面にわたって著しく害するばかりでなく、その多大な悪影響が周囲の人間に及ぶからです。
このことが、法的禁止の最大の要因と言えるでしょう。
中略
覚醒剤の依存はその常習をもたらし、幻覚症状の多発によって常用者は通常の生活が営めない状態に陥ります。
つまりその人の生活は滅茶苦茶になってしまうのです。
と同時に、幻覚が被害妄想を呼び込み、殺人などの犯罪行為を誘発して、社会の安定秩序にとっての多大な驚異となります。
この社会秩序を守り、維持するために、国家は覚醒剤に法律の網をかけて取り締まろうとしているのです。
日本の法律では、覚醒剤は「覚醒剤取締法」という法律で規制され、大麻などの麻薬は「麻薬取締法」という別の法律によって規制されています。
これが何故別なのかというと、覚醒剤の依存者は大変に危険な攻撃性を誘発する幻覚や妄想が生じるからだそうです。
そのために犯罪、特に殺人などの凶悪犯罪に結びつくことが多く、法律上切り離されたと思われます。
本書に書かれていますように、薬物の害はその「依存性」にあります。
ほんの軽い気持ちで手を出したことが、自らの人生を大きく狂わせてしまう。
さらには周囲の家族や人間を引き込む。
(誰にも迷惑掛けてないから良いだろう)
というのは成り立たないわけです。
芸能界でも再犯者が後を絶たないという事実がそれを示しています。
私も「アルコール依存症」にならないよう、気を付けなくちゃいけませんね。
参考になる1冊でした。

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Comments
…考えさせられますね。
私の場合は「アルコール依存」の症状を昨年に2〜3回自覚している
と思います。
指の震え、寝汗をかく、寝付けない、などです。
どうも焼酎の後が悪い。元々日本酒派でしたが昨今の「いいちこ」
「銀座のすずめ」などのおいしい焼酎を飲みだしてから酒量が増え
ているのだと思います。
さすがに怖くなり現在は、家では飲まないで、「酒場」で
週に1〜3回飲むのを楽しみにしております。
健康第一で飲み続けましょう。
Comments
>千鳥足さん
週に2、3回なら大丈夫ですよ。
私も若い頃は泥酔するまで飲まないと気が済みませんでしたが、最近はほろ酔いの時間を楽しむようになりました。
健康のためにもそれがいいですしね。
つきあいが悪いと言われる時もありますが、リズムが体に染みついてしまったようです。
酒場で泥酔するほどみっともないことはないと、自戒しております。
つまりかつては、飲み過ぎてさんざんご迷惑をおかけしていたという次第ですね。
長ーく楽しく飲み続けたいですね。
Comments
そうですね。
ほどほどに…。
家で飲むのは不味いしね。
酒場の雰囲気とお酒を楽しんで帰ります。
Comments
>千鳥足さん
仕事帰りに居酒屋で寄り道。
サクッと30分ほどのクールダウンでそのまま帰宅。
家で足りない分を補充して晩ご飯でしめる。
こんなあたりが理想ですが、私の場合家で食事を済ませてから外飲みに走るというへそ曲がりなパターンが多く、お腹一杯でつまみが食べられません。
自分でもおかしいなと思っています。(笑)
Comments
覚醒剤とマリファナを別な罪状で取り締まるのは危険だからではありません。
成分の違いですよ。
マリファナは麻の花や葉を樹脂加工、液体加工した麻薬であり、麻薬取締法、覚醒剤は化学合成された化合物の薬で覚せい剤取締法。
トルエンは石油類に分類される劇物であり毒物劇物取締法で良く薬物と言われてますが薬物ではありません。ほとんどの人は間違った捉え方をされてます。
覚せい剤が危険な行動に及びやすいからではありません。実際に危険行動に出やすいのは確かですがそれも本当は間違った捉え方で覚せい剤を打ちそのような行動に出る人は元々普段から怒りや不満があったり、あるいは危険行動にでる可能性をはらんだ人たちなのです。押さえ込んでるそういう怒りや不満が薬物の影響により抑えが効かなくなって凶器行動に走ってしまうのです。
だから正確にはそういう捉え方は間違っているのです。しかし普段押さえ込めてる怒りや不満が薬物を使用する事で押さえられなくなり凶器行動を取ると言うことでそのように判断されているならそれでいいでしょう。
そしてたばこは軍が兵士に戦争にかり出す為の士気高めに支給していたのです。それから民間に普及し始めました。
覚せい剤は製薬会社が精神安定剤の開発途中で偶然に調合されて生まれた物です。しかしこれは実は軍が兵士の為に精神安定剤と開発を製薬会社に頼み偶然に覚せい剤が調合された可能性もあるのです。
これが真実ですね。意外に裏があるのです。
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