静岡ラーメン放浪記

下駄でカラコロ朝がえり
ナマコのからえばり　５

椎名誠　著


120629_1507~0001 posted by (C)電気がま


　お馴染み椎名さんのシリーズです。
じつはこの本ですが、半年ほど前に一度借りました、しかしうっかりと途中で返却してしまいました。
図書の借り出し期間は２週間ですが、同時に借りた本を返す時、これも持っていってしまったんです。
返却してすぐそれをまた借り直そうとしたんですが、予約が入っていたようで、そのまま消えてしまいました。

　予約すればいいことなんですが、面倒なのでまた巡ってくるチャンスを待って今日に至ったわけでした。
とにかく椎名さんのシリーズは数が多いんで、探すのも面倒になります。
それはさておき、本書です。
ちょうど去年の大震災の期間が間に入っていて、その直後の内容は興味深いものがあります。

　その中の一つです。
　

　「残留放射能体験記」

ドキュメンタリーの仕事でアリューシャン列島の先端部分にあるアムチトカという島に行った時のこと。
戦争で全員離島し無人島になった。
アムチトカではその後アメリカが広島型原爆の２５０倍というごっつい核爆発の地下実験をやり、そのため島が変形してしまい山がへこんでそこが湖になった。

島が変形して出来た湖に行ってみたら、ガイガーカウンターは完全に危険ラインを振り切っていたそうです。

それから５、６年して　タクラマカン砂漠の「桜蘭探検隊」の一員になった。
中国人の学者と日本人の幹部隊員がそろってゴーグルにマスクをしていた。
晴れて無風に近い時も彼らはゴーグルにマスクを付けている。

　それからだいぶたって、中国政府が桜蘭に近いタクラマカン砂漠で３０年以上にわたって核実験を何度もやっており、死者数十万人という本を読んだそうです。
当時桜蘭や「さまよえる湖」で有名なロブヌールのあたりは未解放地域で、政府の許可がないと入っていくことが出来ない理由も分かったそうです。

　原発事故以来、「放射能」という目に見えない危険に対する意識が高まりました。
ただ、あまりに神経質になりすぎている部分が多いことも事実です。
私はといいますと、事故の前と変わらず、かなりの楽観主義になっていますが、まあこれについては別の機会に書いてみたいと思います。

　今回もあっという間に読み終わってしまいましたが、職業柄とはいえ全国各地に色々と旅行できる椎名さんが羨ましいなあ。