静岡ラーメン放浪記

味市＠新富町

　中華料理店と言っても色々あるが、この店は一風変わっている。
もちろん普通の中華料理も出すし、本格的なメニューもある。
しかし中には変わったものもあります。

　その一番が「とんかつラーメン」です。
「銀杏亭」にもとんかつを乗せたラーメンがあるが、ここ味市のはとにかく凄い。
たまに食べたくなるそいつを求めて、今日は新富町へと出かけた。

　実は今回思い付いたのではなく、先週の火曜日に食べようと決めたのだった。
しかしながら、ここ「味市」にたどり着いてみると、間の悪いことに「本日定休日」。
思いつきで出かけるのはいけません。

　仕方なく次善（失礼）策として、近くの「北の麺蔵」に行くのだが、ここもまた休み。
静岡には火曜日定休の店って多いんですね。

　その後で、目を付けていた店を数軒回るものの、皆振られてしまいました。
まあ前日の月曜日が祝日だったので、臨時休業の店もあったと思いますが、疲れました。

　さて、今回はリサーチもしっかりして１１時半にお店に入ります。
お店は空いていて、先客がカウンターに一人だけ。
間を空けて、カウンターに座ります。

　オバチャンがお冷やを持ってきてくれたので「とんかつラーメン（８３０円）」を注文。
待つ間にメニューを見ると、カレーフェアと銘打って、変わった物が出ている。

　中でも「麺カレー」というのが目を引いた。
茹でた麺にカレーが掛かっている、汁なしそのまんまというユニークなもの。
これは面白そうだ。
次回の予定に入れておきましょう。

　店内には、「クサデカ」などのテレビ番組で紹介された記事が、あちこちに張ってある。
「カイヤ」さんと並ぶ、元フランス料理人というご主人の写真もあり、そういえばテレビで見たような気がする。

　メニューにも個性的なものがあり、「トムヤムクンラーメン」もこの店ぐらいだろう。
さらには「タンタンメン」を静岡で一番早く作ったとか、伝説は尽きない店なのだ。

　厨房ではとんかつを揚げる音が響いている。
結構大きな肉塊で、ボリュームは満点だ。
待つこと数分、「とんかつラーメン」が、口直しの梅干しとセットで出てきた。

　丼にスープと麺が入り、上にはきちんと切られたとんかつのみ。
とんかつ以外は何も乗っていないという佇まいは、実に単純明快、すっきりとしている。

　まずは胡椒を振り掛けて、カツを一切れ口にする。
衣がからっと揚がっていて、旨い。
これが結構なボリュームで、十分に食べ応えがある。
スープをすすると、あっさりとしたやや甘口で、基本の中華味だ。

　壁には大きく「医食同源」の貼り紙があり、ガラス瓶に詰めた漢方風の調味料が飾ってある。
してみるとこのスープにも、なにやら秘密の隠し味が入っているのかもしれない。
残念ながら私の舌では解析不能でした。

　細めの中華麺は、柔らかめ。
麺をすすり、カツを噛みしめる。
やっぱり主役はこのトンカツで、肉厚ジューシーで、実に旨い。
トンカツだけでは飽きるかと思ったが、最後まで一気呵成に食べ終えてしまった。

　「ごちそうさま」
アットエスのクーポンを出すと、嬉しい１００円引きになり、７３０円をお支払いする。

　お客さんが少なかったのが気になったが、これからお昼に増えるんでしょう。
老舗の味をずっと守り続けていただきたいと思いました。