静岡ラーメン放浪記

てんがららーめん＠豊田

　景気の低下が続いていて、飲食店の経営者さん方もご苦労されていると思います。
そのせいか多角経営という手法も取り入れられて、昔では考えられなかったコラボレーションが見られます。

　パチンコ店と飲食店という組み合わせはわりと昔からあったんですが、最近はきちんとしたものができてきました。
遠い昔の話ですが、静岡の中心街に「Ｇ」というパチンコ店がありました。
そのパチンコやさんの中、いや隣だったのかもしれませんが、入り口は同じだったと思います。
「Ｇ飯店」という中華料理屋さんがテナントとして入っていました。
どうも短い期間だったようで、そこで食事をした記憶がないのですが、私の知る限りではこれが最も古いお店でした。
もちろん私の見た範囲でのお話ですから、他にもあるんではないかと思います。

　さて現在では大手のパチンコ店が飲食店を併用しているのは珍しくなくなりました。
特に郊外店で、あたりに飲食店が少ない場所などは格好の条件になっていますからね。
それなりのお店も多いですが、中にはやる気を見せているお店もあります。
今日はそんなテナントの「てんがらラーメン」さんにやって来ました。


　場所は豊田にある「マルハン・メガシティー」という巨大パチンコ店の中です。
このパチンコやさん、たぶん静岡市内では１、２を争う規模のお店です。
正面の広い駐車場を越えて建物に向かいますが、入り口向かって左側がその店舗になります。

　さっそく中に入りましょう。
同じブースで、「てんがらラーメン」と「ごはんどき」という二つのお店がしのぎを削っています。
ただし、どちらも同じ経営なので、店員さんのサービスは同じですね。
飾ってあるサンプルを見ますた「まぐろてんがらラーメン（７５０円）」が売れ筋ナンバーワンのようです。

　右手にある自動券売機で食券を購入します。
このお店のシステムはすべてセルフサービスです。
券売機で食券を購入すると、そこからダイレクトに厨房に表示が入り調理が始まります。
品物が出来上がるとマイクで番号が呼ばれ、お客さんが食券と引き替えに料理をいただくというシステムになります。

　食券を手に席を探します。
ただいま１１時半前ということでお店はガラガラでした。
広いお店のど真ん中の二人掛けの席に座って、出来上がりを待ちます。
時間つぶしに、セルフのお冷やを持って来ました。

　お店の調理場はオープンになっていて、二つの店舗が並んで見えます。
「てんがらラーメン」のブースの中には場違いなネクタイを締めた中年の管理者風の方がいて、あれこれ指導をしているようでした。
空いている割には出来上がりに時間が掛かりましたが、麺を茹でるのに時間が掛かるんではないかと思います。
それでも私より後の番号が先にコールされた時はドッキリしました。

　まあ、待つと言っても５、６分ですから大したことはありません。
無事に番号が呼ばれ、いそいそとトレイを取りに窓口まで向かいます。
トレイの表が滑りにくくなっているのがいいです。

　出てきました「まぐろてんがらラーメン」です。
まずはレンゲでスープを一口いただきます。
間違いなく「まぐろ」の味が感じられます。
これは豚骨スープにまぐろのダシを絡めたものでしょうね。
どろっとした濃厚なスープは良いコンビネーションです。
欲を言えばもう少し熱いと完璧なんですが、温めなのが惜しいです。

　具には柔らかなチャーシューが１枚、それに厚切りされたメンマです。
麺は太麺でかなりの歯応えがあります。
店頭の表示に「堅めです」と書いてありましたが、まさにその通りですね。
チャーシューはもう少しボリュームが欲しいところですが、柔らかで食べやすいです。
メンマは厚い角切りなので、コリコリとした感触が楽しめますね。

　しかし何と言ってもスープにとどめを刺しますね。
「まぐろラーメン」といえば昔「アラカラ」さんが元祖でやっていたと思いますが、いかにして生臭さを消すかというのが問題でした。
このスープはもちろん全く生臭くないとは行きませんが、それなりに上手く調整されていると思います。
色々と技術も進歩したんでしょうね。

　これはご飯に合う味です。
実は「ライスとのセット」もあり、迷ったんですが胃袋の調子を考えて断念しました。
ここに白ご飯を入れて食べたらぴったりだと思います。
ラーメンライスが限りなく似合うラーメン、そんな和風テイストの味でした。
危うくスープまで飲み干すところでしたが、良い味ですね。
３分ほどですんなりと完食してしまいました。

　さて、ついでですからお店の中を見て回りましょう。
さすがに「メガシティー」というだけあってお店は広いです。
しかもゆったりとしたスペースを取ってあって、さすがは巨大郊外店ならではですね。
ここで止めておけばいいんですがつい財布に手が伸びて。
結果はといいますと。

予想通り高いラーメンになってしまいました。
今まで食べたなかでは一番お金の懸かったラーメンですね。（泣）