静岡ラーメン放浪記

信濃路＠鶯谷

　さて本日の２軒目は、錦糸町から秋葉原で山手線に乗り換え、鶯谷で下車しました。
いくら東京とはいえ、昼からお酒が飲めるお店はそうざらにはありません。
そこで頼りになるのが２４時間営業のお店です。
これならいつ出かけても振られることはありませんから、安心できますね。

　鶯谷駅を出て、駅裏の薄暗い通りを進んで行くとすぐにお店を見つけました。
この何となくうらぶれた感じが旅愁を誘うんです。
落ちぶれて、恋に破れた渡り鳥が、一人寂しく羽を休める裏宿。
何か人生の縮図がばらまかれているようなお店です。
うたい文句だってシンプルです。

　早い　安い　うまい
他に何が必要だって言うんですか。
（失礼、興奮しすぎました）
さっそく中に入ることにしましょう。

　「いらっしゃいませえ」
出迎えてくれたコールは中華系です。
このお店の従業員は全員が中国の方のようですね。
もちろん日本語は通じますが、店員さんの間の会話はすべて中国語でした。
東京でも客単価が低いお店や、深夜営業のお店では中国の方が多く働かれています。
不況でも日本人はこういう仕事はしないのかと少し寂しい気持ちがします。

　入り口が変則で、二つありますが閑散時は左側だけを使うようです。
正面右手に細長い調理場、左手にそれを囲むカウンターが並んでいます。
三時過ぎの現在、入り口付近はお客さんで埋まっていますが、奥はそっくり空いています。
その空いた奥のカウンターに座ってメニューを見ます。

　日本酒２７０円にビール大瓶が５３０円と安めの価格設定ですが、ここは無難に酎ハイ３８０円にしましょうか。
そう思ってあたりを見ますが、あれ、全然注文を取りに来てくれないぞ。
まあお店によって色々なシステムがありますから、ここは様子を見てみましょうか。

　それにしても全く音沙汰がありません。
私よりも後できたお客さんに対してもそうでしたから、ここではお客さんが自己申告するシステムなんですね。
だけど誰に声を掛けようか。
まあ一番近くにいるカウンターの向こう調理場のお兄さんにしましょう。

　「チューハイ下さい」
「はい、チューハイね」
なんだ、呆気なく通じたよ。
あっという間にチューハイが出てきました。
これなら悩むんじゃなかった。

　でもこのチューハイもショーチューが多いですね。
最初はかなり濃いめなので、チビチビといただきます。
つまみはあれこれと迷いましたが、当店特製と書いてあった「煮こごり（３００円）」にしました。

　これが「中華風煮こごり」です。
味付けは醤油が主体の中華風で、八角が利いていますね。
付け合わせのショウガ甘酢漬けがにくい演出です。
普通の中華料理店では絶対に出会わないコンビネーションでしょうね。

　煮こごりは箸でなかなか切れないぐらいに、コラーゲンでぷるぷるしています。
中には鳥皮が刻んであり、面白い食感ですね。
まあこういうつまみもありかな。

　隣りに来たお客さんは、ウーロンハイ（３１０円）を頼んでいます。
こちらはグラスに１杯ですから、比較するとチューハイがお得なのかと思います。

　カウンターの前には大皿に盛ったお総菜が並べられていて、これも美味しそうです。

　「かき揚げ天１００円」には手が出そうになりましたが、じっとこらえて次を待ちます。

　このお店の価格設定は、何かおかしい感じもしますが、安いものは桁外れに安いんですね。
丼ものが４００円からで、マーボ丼４５０円、なかでも「みそ汁４０円」には泣かされます。
たぬきそば（うどん）２２０円、天ぷらそば（うどん）３００円、と立ち食いそばより安いお値段です。
しかし、もりそば（うどん）が３００円、ざるそば（うどん）が３５０円というのも、比較すると不思議な感じですね。

　さらには、「醤油ラーメン３５０円」です。
これは話のタネに一度食べてみたいなあ。
と考えながら、麻婆豆腐２５０円にも後ろ髪を引かれて悩みました。
でも、次があるんで今回は顔見せだけにしておきましょうか。

　「すいません、お勘定お願いします」
「６８０円です」
ぴったり明朗会計でした。
ここで少し休憩して、次のお店にと向かいます。