静岡ラーメン放浪記

ささのや＠鶯谷

　異国モードの「信濃路」を出て、ＪＲの線路沿いに進んで行きます。
どうもこの周辺はいわゆる「ラブホテル街」でして、怪しげな雰囲気がぷんぷんしています。
ただいまの時刻は３時５０分ほど。
まだまだ陽がある時間ですが、この周辺はそろそろ仕事始めのようです。
ほろ酔い気分で通りを歩いて行くと、それなりのお年の女性があちこちに立っています。

　あんまりジロジロ見るのも失礼ですからなるべく避けて歩きますが、前にさしかかると
「×××」
一言二言、声を掛けられます。
「すいませんね、オジサン実は行くところがあってね、また今度ね」
なんてことは言わず、黙って通り過ぎるのは言うまでもありません。
遭難したいのは山々ですが、今日は「居酒屋探求」という大事な仕事が控えています。

　しかしほんとによくもこれだけ集めたもんだと言うぐらいに、その手の建物が密集していますね。
いやいやいかん、早く通り過ぎねば。
そしてようやく目的地にたどり着きました。

　黄色い看板に大きく「もつ焼き　ささのや」と書いてあります。
本日の３軒目はここ、ささのやさんに入りましょう。

　このお店、調べた時点では４時の開店でしたが、お店の掲示では３時でした。
このお店も早く始めるんですね。
お店の正面には焼き台があって、串に刺さったヤキトリが美味しそうに焼かれています。
早い時間なのに席はもう半分ほども埋まっています。
繁盛されているお店ですね。

　一人客なので、壁に寄せて作ってあるカウンターに向かいます。
席は３席ありましたがもう一人お客さんがいて、相席のようになります。
ここでもシンプルに「チューハイ」をお願いします。

　こちらのチューハイもシンプルなものです。

　ここではお通しが出ます。
今日は青菜のお浸しです。
やっぱり野菜も必需品ですね。
お醤油を掛けていただきますが、あっさりしていて美味しいですね。

　そしてメインのつまみには冬場のみだという「牛煮込み（３５０円）」をいただきます。
これがボリュームたっぷりです。
大きな大根に豆腐も入っていて、味は薄めのみそ味になっています。
牛のモツにコンニャクが入っていて、脂が多めに浮いたスープもたっぷりですね。
何より冬場は暖まるのがいいです。

　このお店は焼き鳥が１本７０円という破格値ですから、お客さんのお目当てもそれです。
１０本７００円でテイクアウトというお客さんが何人か焼き上がりを待っています。
４時１０分になりましたが、もう店内は満員です。
これは凄いですね。

　焼き鳥は「タレ」のものは大量に焼き上がっていて、注文ごとにそれを温めて出してくれます。
常連さんらしい方はそれも待ちきれず、バットに並べてある中から勝手に串を取って立ち食いしています。
へえ、焼き鳥だけ３本食べて帰ったオジサンもいました。
これはまるでファストフード並ですね。

　「塩は５本から」と張り紙がありましたが、この「塩焼き」は注文を受けてから焼くんでしょうね。
この辺でお酒が飲みたくなりました。
「日本酒（２２０円）をぬる燗でお願いします」

　あれ、うっかりしていてまだ入っているチューハイを下げられてしまいました。
ああ勿体ないなあ。
席が空くまで待ちきれないお客さんは、前のテーブルで立ち飲みをしています。
その時ようやく奥の席が空いて呼ばれたサラリーマンの二人連れ、喜んで移動して行くのがほほえましいです。

　お客さんのほとんどはご近所のオジサン方のようで、お店は和やかな雰囲気ですね。
そろそろお勘定をいたしましょうか。
「１１２０円です」
お通しは２００円ぐらいですか、やはり安いですね。
２杯４０分ほどの滞在でした。

　うん、まだ日は浅いなあ、もう１軒行きましょうか。