静岡ラーメン放浪記

2010.06.26 Saturday

酔生夢死

酔生夢死

　「すいせいむし」何となく言葉の響きは良いですね。
本来の意味は、酒に酔ったような、夢を見ているような心地で生死するということです。
何のなすところもなく無自覚に、ただ生きていたと言うだけの一生を送ること。
表面的なイメージからは全く違って、寂しい言葉なんですね。

　実は漠然と生きているにしても、それが自覚して選んだ道であるならば「酔生夢死」ではありません。
このあたり少しほっとしています。

　この言葉のもとを作った人物は、宋の学者で程顥（ていこう）さんと言います。

「昔の人が道を誤ったのは愚かさのためだったが、今の人は利口なために道を誤る」
初めにこう述べています。
今から千年ほども前にこのような名言が生まれていたわけでして、現代社会では人間はさらに利口になってしまい、道を誤るものも増加しているんでしょうか。

そしてさらに続けています。

高才明智といえども見聞に膠めば（疑問を持たなければ）、酔生夢死して自ら覚らざるなり。

　高い知識を持っているということは素晴らしいことですが、その知識に縛られているようではかえってじゃまになります。
知識がじゃまをして道を誤るというのはありえがちなことです。
私なぞは単なる酔っぱらいですから、どれが正しい道なのかさえ未だに分かりません。
いやはやお酒を飲むのも色々と苦労がいりますね。