2008.01.05 Saturday
世界一のカラオケ
「世界一のカラオケ」
「バンドやろうぜ」
懐かしい友からの電話だった。
大学を卒業してからもう20年が過ぎている。
その学生時代に、気の合う仲間同士で組んでいたロックバンドがあった。
当時活動していたバンド仲間で結成した「ロック研」のOB会があるんだという。
「そこで昔のグループが演奏するんだ」
いくら何でもぶっつけ本番というわけには行かず、久しぶりに集まって練習しようというお誘いだった。
5人のメンバーのうち、都合の付いた4人が参加して、新横浜のスタジオで練習が始まった。
リーダーのOは、今だにギターの練習をしていると言い、昔に衰えないギター捌きだ。
しかしそれ以外はほとんどがシロウトの状態で、とても昔の面影はない。
その中でも一番ひどかったのが、私の担当するボーカルだった。
何しろ曲は忘れているし、声は出ない。
そしてリズムにも乗りきれないという、最悪の状態だった。
OB会では、時間の都合で各グループ2曲だけの演奏になる。
相談の結果、曲目が決まった。
一曲目はフリーの名曲「ウィッシング・ウェル」
ギターが引っぱるアップテンポの曲で、これはそこそこ様になってきた。
二曲目はOの提案で「サムデイ・サムタイム」
実は我がグループ唯一のオリジナル曲で、作詞作曲はこの私。
ところが作った本人が忘れていて、進行すらおぼつかない状態になっている。
それでも辛抱強く、スタジオの予約時間ギリギリまで練習を続けた。
「後は個人の練習次第だな」
「すまん、何せブランクが長いからなあ」
私以外の都内在住メンバーは、もう一度集まって練習をするのだという。
足を引っぱらないように駆けつけたいが、私の住む静岡からはさすがに遠い。
「本番頑張ろうぜ」
最終の新幹線で新横浜を後にした。
本番まではあと1ヶ月、それまでに何とかしなくては。
それから数日、自分ながらに練習をしたが、なかなか上手く歌えない。
(まあオリジナルだし、そこそこ歌えればいいか)
そんな諦めかけの気分が持ち上がってきたある日。
突然彼から速達が届いた。
中を開けてみると、メッセージと共に1個のカセットテープが入っていた。
それは2回目の練習の最後に、カラオケを録音したものだった。
練習に参加できない私のために、わざわざカセットを持ち込んで取ってくれたのだ。
その中にはメンバー全員の気持ちが込められていた。
ドラムもベースも、そしてリードギターも昔と変わらないリズムを刻んでいる。
「サムデイ・サムタイム」20年前に作った、たった一つのグループオリジナル曲。
もしかしたらこれは世界一のカラオケなのかもしれない。
(頑張らなくては)
胸の中に心地よいプレッシャーが沸き上がってきた。
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