2007.09.29 Saturday
歓喜と失望の狭間に
昨夜はようやくの連敗脱出。
おそらく「セリーグ2位3位対決」で当たるだろう中日に、最後の意地を見せた。
今シーズンほど、「歓喜」と「失望」をごちゃ混ぜにしたシーズンはなかっただろう。
(あ、まだ終わっていないか)
とにかく連敗と連勝。
それも極端で、まあ信じられないほどの「強さ」と「弱さ」を見せてくれた。
結局3位というのは実力的にこんなもんなんだろうか。
あの、巨人を3タテにして、奇跡とばかりに持ち上げられた試合はなんだったんだろうか。
ホントにこの球団は、期待しないと頑張り、それ今だと気を入れた途端にこけてしまう。
まあ、だからファンを止められないんですがね。
次はいよいよクライマックスシリーズだが、当然「期待しません」
だって、応援すると必ず負けるんだもの。
2007.09.28 Friday
おおはら@千代田
おおはら@千代田
「ラーメン店」と呼ぶには問題があるのかも知れない。
この店、メインは「静岡おでん」なんです。
その傍らで、ラーメンやおにぎり、チャーハンなども出している食堂的なお店でした。
場所は静岡市立高校の裏手をしばらく下ったところで、住宅街の中にあります。
こじんまりとしたお店で、昔静岡には良くあった、オバチャンのやってる駄菓子やみたいな感じですね。
ちょうど入り口のど真ん中に車が停めてあって、そこを避けて店に入ります。
引き戸を開けると正面が「おでん鍋」になっています。
そこをぐるりと囲んで丸椅子の席になっていて、6、7人ほどのものです。
1時少し前の店内には、顔なじみと思われる中年を越えたオバサンが二人、おでんをいただいています。
その反対側に席を取り、「ラーメン(500円)」を注文します。
「普通ので良いの?」
と聞かれましたが、そんなに大食いに見えたのかな。
目の前の鍋には美味しそうに「静岡おでん」が煮えています。
たぶん「静岡システム」なんだろうと、勝手に小皿を取って、そこにおでんを載せます。
ラーメンが出来上がるまでのつなぎに、「すじ肉」と「コンニャク」をいただきました。
うまい具合に味が浸みていて、なかなか美味しかったです。
おでんは1本60円。
壁のメニューには「秘伝のスープお玉1杯50円」というのが書いてあって、笑わせます。
これって本気なのかなあ。
もしかしたら、お持ち帰りする人がいるのかも知れませんね。
前のご婦人は、おにぎりを食べていますが、これも手作りで美味しそうです。
さて、小さなお盆に乗ってラーメンが来ました。
なかなか綺麗な佇まいで、細かく刻んだ細ねぎが美しい。
具は、大きなチャーシューが1枚に、ナルト一切れにたっぷりのワカメ。
麺は透き通った細麺の縮れ麺。
スープはあっさりとした醤油味で、脂っ気はほとんどありません。
チャーシューが柔らかく、箸でつかむとぽろっと崩れます。
近所のオバサンや、学生たちなどで賑わうんでしょうか。
久しぶりに懐かしい「おでんや」さんの気分を味わいました。
「静岡おでん」よ永遠なれ。
2007.09.27 Thursday
大阪雑感
大阪名物といえば、やっぱり「食い倒れ人形」
いつ見てもほのぼのしますね。
道頓堀あたりを歩いていると、いきなり救急車が進入してきた。
すわトラブルかと、辺りに緊張が走る、というわけでもないのが大阪。
昼間からパブでビールを一口。
席も広く空いていて良かったです。
帰りに新大阪の駅で一杯。
焼き鳥の店でしたが、結構繁盛していました。
大阪名物たこ焼き。
新大阪の駅で行列に並んで購入しました。
買ってからよく見ると全国チェーン店。
まあ美味しければそれでよろしい。
2007.09.26 Wednesday
教えたくない店
「本当は、教えたくない店なんです」などと言って勿体ぶる方がいらっしゃる。
テレビで全国放送しているというのに、「教えたくない」も無いもんだが、まあ一軒だけなら許そう。
それが図々しく次の週も「本当に、秘密にしておきたいんですが」と言っているので、ひっくり返る。
本人としてはもったい付けているんではなく、良い店だと言うことを強調したいんだろうが、逆効果だ。
誰も脅迫して、聞き出しているわけではない。
最近ではこの類の表現が多く、聞いているだけでアホらしくなります。
何か教えて困ることでもあるんだろうか。
「お客さんが一杯来て、店の雰囲気が崩れるでしょう」
お客が増えるのはお店として大歓迎。
雰囲気は店とお客が作るもので、あなたが作るものじゃありません。
教えたくないのなら、シンプルに話さなければよろしい。
本当にそのお店が好きなら、皆さんに紹介して沢山の人に喜んでもらおうというのが自然な流れだ。
幸せは自慢しない方がよろしい。
もう一つ「こだわりの店」というのも、好きではない表現の一つだ。
何時の頃からか「こだわり」というのが良い意味で使われるようになったが、本来良い意味で使う言葉ではない。
ある意味での「流行語」であるから野暮なことは言わないでおくが、つい引っかかってしまう。
昔はそういう表現はしなかったものだ。
若い方が使うのであればともかく、60過ぎた教養のありそうな人に言われると、これは困る。
「信念を持った」とか「頑なに守っている」とか「決して譲れない」など正しい言い方はいくらでもあるはずだ。
味を表現するのは難しいが、本人なりの表現というものを大切にして欲しい。
とはいっても、限度はある。
何を食べても「おいしーい」
という一言では、コメンテーターの名前が泣きます。
「宝石箱やー」とまでは期待しませんが、たまにはうならせて欲しいですね。
ところで、その店にしても「こだわり」とか「秘伝の味」などと、理屈を売り物にする店がある。
結構苦労してたどり着いたんですよ、と言う割りには、あっさりと味付けを替えてしまったりする。
ウンチクで喰わせるのが悪いとは言わないが、やっぱり味で勝負して欲しい。
花伝書にも「秘すればこそ花」とあるではないか。
結果が出ていないのに、その経過を誇ってどうするのか。
うーん、今回はなんだか文句の羅列になってしまった、反省反省。
2007.09.25 Tuesday
寿や@紺屋町
寿や@紺屋町
以前「やみつきラーメン」の看板を揚げていた「東麺房」のあった場所。
残念ながら閉店されて、その後にこの店が入った。
ビルの表示にはまだ昔の「東麺房」と掛かっているのが寂しい。
昼間の営業は11時半からで、今日は12時20分に入店した。
カウンターにテーブル席という、オーソドックスな店内は半分ほどの入り。
カウンターの端に席を取ると、さっそくお冷やを持ってきてくれる。
ちょっと迷ったが、「ラーメン650円」にランチタイムサービスの「ミニチャーシュー丼」(サービスで100円)
を付けることにする。
同じ100円で「ねぎ飯」「鮭飯」なども頼めるようだ。
サラリーマンのランチタイムには、なかなか良いサービスだろう。
はじめにその「ミニチャーシュー丼」が出された。
お茶碗ほどの器にタレにまぶされた小間切れのチャーシュー、その上に千切りのネギが乗る。
ややしょっぱめだが悪くない。
取りあえずラーメンを待つ。
ラーメンが出てきた。
ぷーんと煮干しの香りがする。
これは魚介系のようだが、背油も浮いています。
スープを一口、煮干しの味が利いている。
麺は中細のストレートでなかなかの噛み応え。
具には大ぶりのチャーシューが一枚に、メンマ、半分の煮たまごにノリ。
ノリの香りがよろしい。
この店は「岩のりラーメン」というメニューもあり、海苔に気を遣っているようだ。
ほんの一枚の海苔ですが、上物を使っていると嬉しくなります。
ミニチャーシュー丼を一口二口と食べる。
チャーシューのタレにまぶされて、ご飯が進む。
合間にラーメンのスープを飲むと、なかなかに相性が良い。
しかしこうして食べるとどうしてもスープを多く飲んでしまうので、血圧には悪いかな。
スープには適度に背油が浮いているが、しつこくは無い。
多少危惧はしていたが、これなら十分ですね。
最近のチェーン店は、みなよく研究していて、いい味を出しています。
これでは静岡の昔からある店も、苦戦するのではないか。
老舗と常連という看板に胡坐を書いていては、静岡のラーメンも危ういかな。
さすがにスープは少し残して満腹のお会計。
レジが新米の青年で、キーの操作に戸惑っている。
ベテランの女店員が色々と教えているが、それは開店前にする事。
お客を待たせながら、後輩の指導はおかしい。
そのへんはマニュアルに無いのだろうかな。
2007.09.24 Monday
千とせ@千日前
千とせ@千日前
大阪2日目のランチは、これも大阪名物をと、なんばに向かう。
ここで何を食べるのかというと、「肉吸い」なんです。
これも静岡では絶対にお目に掛かることは出来ない食べ物です。
なんと言っても伝説がある。
この「肉吸い」こそが、吉本芸人のあこがれの的だと言うんです。
ではどんな食べ物なのかというと、「肉うどん」のうどん抜きです。
うどんではなく肉の入ったお吸い物、だから「肉吸い」です。
この誕生にまつわる有名な伝説とはこうです。
吉本興業の売れっ子である、花紀京が二日酔いで食欲のない時に、この店に来た。
肉うどんは食いたいけれども、うどんを食う元気はない。
というわけで
「おっちゃん(ホントはオバチャンらしい)、肉うどんのうどん抜いてえな」
「ダシだけ飲ませて欲しいんや」
「あんさん、そんな殺生な」
「そやかて、うどん喰う気いにならへんのや」
「しゃーないでんなあ、特別でっせ」
(というような会話があったのかどうかは、定かではありません)
食べてみるとこれが、二日酔いの胃に優しくて大評判。
瞬く間に芸人仲間に広まって、ついには看板商品にまで上り詰めたというウソのような本当の話。
この伝説の肉吸いを求めて、はるばるやってきた静岡代表の足は軽い。
なんばの街をうろうろと探して、なんばグランド花月の裏手に入る。
午後12時少し前にもかかわらず、お店の前には結構な行列が出来ていました。
なお、この店の営業は午前10時から午後3時という昼間だけの開店です。
残暑きびしく、はや30度を超すという日曜昼の炎天下。
列には10人ほどが並んでいる。
すぐ前に並んでいるのは地元らしい若い男女二人ずつのペア。
エアコンの室外機が入り口横にあり、熱風が出てくるのを避けながら、だるそうに待っている。
この行列、進むのが恐ろしく遅い。
人通りの少ない通り沿いに大人しく並んで待っているのだが、どうしようもない暑さだ。
入り口から食べ終えたお客さんが出てきて、しばらくすると中から呼ばれる。
かれこれ30分も待っただろうか、ようやく自分たちの番が来た。
引き戸を開けて中に入る。
4人掛けのテーブル席が6席ほどの狭い店内で、ぎゅうぎゅう詰めというわけでもなく、ゆったりと入っている。
どうやら商業的にがつがつしてはいなく、相席も余り進めない方針のようだ。
中央の席の案内され、前のお客さんに移動していただくと、ちょうど3人が並んで座ることが出来た。
注文はもちろん
「肉吸い(580円)と、小玉(ご飯150円に玉子50円)」
情報によると、ここではお客さんの半数がこのセットだという。
大阪を代表する「きつねうどん」などは一日に3杯も出ないという変わった店なのだ。
前の若者カップルは、女性が同じメニュー、男性は「肉うどんに小玉」を食べている。
さあ、お待ちかねの「肉吸い」が登場した。
これは結構ボリュームがありますね。
唐辛子を軽く掛けて、まずはダシをずずっといただく。
けっこう良いダシ、出してまんなあ。
具の牛肉をいただく。
あっさりと煮てある小間切れ肉は、柔らかくて美味しい。
小ご飯には玉子が掛けてあり、それに正油を掛けて混ぜる。
この玉子ご飯を食べながら、肉吸いでのどに流し込む。
肉は結構量があって、さらには底に玉子が隠れていた。
小ご飯なのに、全部合わせると結構なボリュームだ。
前のオネエチャンは半分ほどを彼に任せていたが、彼もお腹一杯のようだ。
最初はこれぐらい軽いもんだと見くびっていたが、いやあ十分なボリュームです。
接客のオバチャンも、せかせかと客を追い出すようなことはなく
(だから行列の進みが遅いんでしょうね)
ゆったりと味わえるのがいい。
壁には達筆で、「肉吸い」の礼賛が書かれていて、まるで美術館並だ。
「ごちそうさまでした」
帰りは横の入り口から外に出た。
炎天下の中、更に長さを増した行列は、まだまだ続いているのでした。
大阪は凄いなあ。
2007.09.22 Saturday
静岡プロレス
静岡プロレス
9月17日の敬老の日。
色々な伏線があり、思い付いて初めての「静岡プロレス」観戦に出向いた。
前々から気にはなっていたが、日程が合わず、会場に足を運ぶことはなかった。
それが今回は祝日開催で、場所も静岡市民文化会館と好都合。
ここは一度見てみようと、夫婦で出かけました。
開場は午後1時、15分ほど遅れての到着です。
静岡市民文化会館の3階大会議室。
余り宣伝はないようで、入り口探しにやや苦労しました。
ここら辺は商売っ気がないなあ。
入り口でチケットを買う。
当日券のみで、一枚4千円はちと高い。
うたい文句は「いなぎ良光プレゼンツ 親子3代で楽しもう!」
静岡プロレス大会Vol.8 とあるから、もう8回目を迎えるとはたいしたもんだ。
会場はごく普通の会議室ぐらいの場所で、正面にステージがあり楽器が並べられている。
前には鋼鉄製のリングが不似合いに設置されていて、回りをパイプ椅子の席が囲む。
席は全部で150ぐらいか、こじんまりとした感じだ。
正面前から2列目のリングサイドに座る。
前の席の若い男性が
「よろしかったらテープを投げてください」
選手の登場時に、それぞれの色のテープを投げるんだという。
ちゃんと巻いて袋に入れた物が用意してあり、それを4組いただく。
隣にいるのは母親のようで、色々と話をしているが、不思議な親子だ。
さて、1時半になって「スンプレンジャー」のライブショーが始まった。
オヤジバンドの仮面グループで、小学校などの慰問をしているんだという。
まずメンバーがカードを配りながら出てきた。
いわゆるゴレンジャーものの出で立ちで、フルフェイスのマスクに全身タイツ姿。
ご挨拶と共に演奏が始まる。
まずは「サザエさん」
ハードロック風で、皆さん良く動くし、頑張っているなあ。
みんな聞き覚えのある、子供向けの曲で、最後は「踊るポンポコリン」
会場の大拍手と共に盛り上がって、静岡プロレスへと流れる。
第一試合の、「ユーイング・サミー対神威」戦から始まって、全部で5試合だ。
第3試合では人気の「お茶マン&みかんまん」が登場。
噂のパフォーマンスをしっかりと見とどけた。
しかし「大阪プロレス」を見た後とあっては、どうしても比較してしまう。
イマイチ、サービス精神というか工夫がない。
また、観客も一体化しているわけではないのが痛い。
第4試合の「いなぎ良光 対 チェーンソー森谷」は何でも因縁の一戦らしいが、初めての私にはさっぱり分からない。
シロウトが頑張っても、そんなに甘いもんじゃないだろうと思っていた通りに、いなぎ代表があっさり負ける。
そしてメインイベントの、第5試合。
「佐野直&アメリカン・バルーン」VS「スタンガン高村&YUJI KITO」
本日唯一の外人が巨乳でびっくりする。
スタンガンが椅子席を壊し回りながら入場するので、子供が怖がって、泣き出すやらの大騒ぎになる。
これで親子3代は無いだろうと突っ込むも、悪役は手加減しない。
リング上では代表も入れた6人タッグマッチになっていて、代表がこてんぱんにやられている。
それはいいが、顔面に出血のパフォーマンス。
これも子供や老人にはいかがなものかと思った。
途中善玉が盛り返す場面もあったが、最後には代表がやられて試合終了。
初めて見に来た我々としては、納得のいかない幕切れだ。
どうも脚本がうまくないように思える。
初めての人も多いんだから、もっと分かり易く書けないのか。
「静岡」という名前もあり、応援するのにやぶさかではないが、今日は少しばかり期待外れだった。
2007.09.21 Friday
昭和大衆ホルモン@大阪
昭和大衆ホルモン@大阪
さて「大阪プロレス」観戦を終えた二人は、道頓堀の街中を進む。
そう言えば今日は「巨人阪神」天下分け目の首位決戦。
長らく低迷していた阪神が、8連勝で巨人に追いつき、ついに0.5ゲーム差までたどり着いたのだ。
今期首位とのゲーム差は最大で12ゲーム差という、気の遠くなるほどの低迷。
そんな中で、もう今シーズンは諦めた、そう私も思いましたね。
しかししかし、昨シーズンも終盤そうだったが、今期はもの凄い追い込みだ。
この大阪旅行を企画した当時は夢にも思わなかった、まさかまさかの首位決戦。
こうなるともう偶然とは言い切れない、何物かの意志が働いているとしか思えません。
そうそれは神の思し召しです。
数年に一度しか行かないこの大阪の地で、間違いなく首位逆転が行われる。
急いで試合の結果を確かめる私に、タイガース勝利の一報が入る。
もちろん翌日のスポーツ新聞でしっかり余韻を味わいました。
とにかく乾杯しようと、通り沿いの店に入る。
その名は「昭和大衆ホルモン」
どうも静岡にある店とは関係の無いようで、日本中には沢山あるんでしょうな。
席について生ビールで乾杯。
ホルモン盛り合わせを頼むと、テーブルの真ん中に炭火のこんろをデンと置く。
これで焼けというのだが、目の前でこれは熱い。
大阪ではこんなスタイルが一般的なのかは、分からないが、すごいなあ。
店は若い客が多く、カップルが多いことに驚く。
大阪ではデートにホルモン焼きが当たり前なんだろうか。
ついでに「レバ刺し」「キムチ」などを頼んで、飲み物も酎ハイに替える。
大阪の文化の仕上げは、こうしてホルモンで締めたのでした。
さあ、帰ってスポーツニュースを見るぞ。
2007.09.20 Thursday
大阪プロレス
大阪プロレス
ラーメン店を後にした一行は、徒歩で道頓堀方面へと向かう。
どうやらこの辺りに、良い居酒屋がありそうだとのリサーチを受け、夜の街を彷徨う一行。
しかし、調査がいいかげんなことと、昼間からの酔いが邪魔をして、お店は見つからない。
そこで繁華街をうろうろと歩いていると、おや面白そうな店がある。
看板には赤く「大阪プロレス」と書いてあり、僅かに明かりが漏れている。
(何だこれは、こんなのがあるのか?)
物好きなオヤジは、中を覗いてみると、確かにプロレスをやっているようだ。
警備の人に
「これ、今からでも入れますか」
と聞くと
「大丈夫です」
(よし行ってみよう)
ここで一行は分裂。
さっそく中に入って、当日券を購入。
一般自由席と書いてあって、前売り三千円、こちらは当日なので三千五百円。
しかも途中入場で、既に何試合かは済んでいる。
開場は普通のお店をぶち抜いて作ったようで、割と狭い。
それでも観客は多く、300人ぐらい入っているようだ。
リングは1階にあるが、吹き抜けで2階に繋がっていて、2階の席からも観戦できる。
久しぶりに間近に見るプロレスは、新鮮で面白かった。
動きがスピーディーで、迫力がある。
様々な技が飛び出して、決着が付いた。
すぐに次の試合が始まる。
分かり易い善玉悪玉の対決構造だ。
善玉の方のメインが、「タイガーマスク」ではなく「タイガース・マスク」というのが大阪らしくてよい。
これがタイガースマスク(大阪プロレスホームページより転用)
マスクマンが多く、衣装もきらびやかだ。
最後は悪玉が勝ち、やられた善玉の若手がなにやら訴えていた。
このパフォーマンスはどうやら次回の予告のようでもある。
ここで途中休憩。
私の席は1回の一番後ろ、といっても席は5列ぐらいで、良く見える。
2階を見学すると、お酒を飲むスペースもあり、一杯飲みながらの観戦というスペシャルコースも良いなあ。
休憩の後は「お楽しみ抽選会」が始まった。
お客さんを大切にするのは、さすが大阪商人。
さて、後半の試合が始まった。
出てきたのはというと、これだけで笑っちゃいます。
「スペル・デルフィン」に「ミラクルマン」は正統派らしいマスクマン。
鳴り物と共に登場したのが「くいしんぼう仮面」にセコンドの「ペッキー」
愛嬌を振りまきながら、リングサイドを行進する。
くいしんぼう仮面とペッキー(大阪プロレスホームページより転用)
ここら辺で呆れていたらもっと凄いのがやってきた。
賑やかなお囃子と共に出てきたレスラーは「えべっさん」ですよ。
えべっさん (大阪プロレスホームページより転用)
「商売繁盛で笹持ってこい」「商売繁盛で笹持ってこい」
観客から声援が飛ぶ。
なにやら首に掛けてもらっているようだ。
かと見るとあちこちで、子供に何かをばらまいている。
これ全部覆面レスラーですからね。
長い前振りが終わって、さあ試合開始だ。
結構良い動きをしているのが、「えべっさん」
コミカルな覆面からは想像も付かない動きをする。
そこら辺が単なるお笑いだけでなく、ファンを引きつけるのだろう。
時々お笑い的な動きもするが、見せるところでは切れの良い技を次々と放つ。
まさに「見せるプロレス」の最たる物か。
試合は結局「くいしんぼう仮面」が勝利して終了。
いやあ面白い、そして楽しい、プロレスの原点です。
初めて見た大阪プロレスに、大満足でした。
試合の後、会場の出口ではレスラーたちが総出で、観客のお見送り。
この辺りのサービス精神も素晴らしい。
大阪の近くだったら毎週通ってやるところだ。
後日調べてみると、何と会場の「デルフィンアリーナ道頓堀」(そう言う名前だったんですね)はこの日9月8日が幕開けだと言う。
図らずも旗揚げの当日に初めての観戦となった次第とは。
何らかの因縁を感じるのだが、まさか静岡には来ないだろうなあ。
2007.09.19 Wednesday
小洞天@大阪
小洞天@難波
老舗居酒屋「明治屋」を出た一行は、空いた小腹を満たそうと、ラーメン店に向かう。
地下鉄に乗り、難波の駅で降りると、徒歩で店に向かう。
ナンバウォークという地下街を進み、相生橋商店街に出てすぐ。
ビルの位階にぽつりと明かりをともすお店を発見。
黄色い看板と暖簾が個性的な店、「小洞天」である。
何でこの店に決めたのかというと、私のラーメンのバイブルとも言える「ベストオブザラーメン」に登場しているからなのです。
今から20年ほど前に出版されたこの「元祖ラーメン本」には全国100店のラーメンが紹介されています。
半分ほどが東京のラーメンなのですが、大阪の店も2軒あり、その一つがここなのです。
ですから大阪に来た時には必ず寄ろうと心に決めていました。
ちなみにもう一軒は「揚子江」で、ここは以前尋ねてきました。
お店の開店は午後6時。
まだ開店から30分も経っていないという、まあのんびりとした時間帯。
実際にこの店のピーク時は11時過ぎで、一杯飲んだ客がシメに寄る店として有名なのだとか。
カウンターのみ11席のこじんまりとした店で、先客は無し。
ずらりとカウンターに並び、ラーメン(630円)を3杯に、ギョウザ(320円)一皿を注文する。
手際良くラーメンを作ってゆくご主人。
カウンター越しにラーメンとギョウザが出てきた。
スープは澄んでいてあっさりとした味。
正油と言うよりも塩味に近い感じだろうか。
麺は細麺で食べやすい。
具は柔らかなチャーシューが2枚に、茹でた細モヤシ。
緑鮮やかな刻みねぎに、アクセントのゴマがぱらりと掛かる。
手作りのギョウザは一口サイズ。
いわゆる大阪ギョウザなんだろうか、食べやすいことには間違いない。
量がちょうど良く、お腹一杯にならないところが、酒飲みには嬉しい。
昔の大阪ラーメンって、あっさり系が主だったんですね。
あっという間に完食してしまいました。
さて、次の店に行きましょうか。
2007.09.18 Tuesday
明治屋(続)
明治屋2
さて、ビールも空いたし追加は日本酒にしよう。
メニューにはかなりの数の日本酒が並んでいる。
「男山」「真澄」などの純米吟醸酒もあるが、ここは「樽酒」にしてみようか。
「樽酒をぬる燗でお願いします」
出てきたのは綺麗なガラスの徳利だ。
うーんこれはしゃれている。
すり込みで「明治屋」の文字が刻まれていて、実に美しい。
それに合わせたお猪口もまた、ゆったりとしたカーブが手になじむし、見ていても飽きない。
まさに芸術品の域だ。
樽酒を一口含むと、ほのかに木の香りが漂ってくる。
思わず顔を見合ってしまうほどの驚きだ。
すぐに徳利は空となり、追加の注文と共に、アテも頼むことにする。
まずは「たにし煮付け」という珍しい一品で、これについてはノーコメント。
どうも貝類はダメなんですね。
「冷や奴」もどういったこともないアテだが、何か違うようにも思える。
野菜が足りないと「ナス」で補給。
からっと揚がった「いか団子」も熱々で美味しい。
カウンターの中に立つのは男性二人で、常連さんたちと会話をしながら、仕事の手は休めない。
グループ客は少ないようで、カウンターは常連さんの社交場になっているのだろう。
不思議なことに酒場の喧噪はない。
大阪人とはもっと騒がしいものかと勘違いしていたが、いやいや大人です。
皆さん適度なおしゃべりと共に、お酒を楽しんでいる。
お酒を何本かお代わりして、ようやく辺りが暗くなりかけてきた。
さて、そろそろお暇するとしましょうか。
お会計は3人で8千円余り。
一時間余りの滞在でしたが、十分に「日本三大居酒屋」の一軒を堪能しました。
久しぶりに、また来たくなる居酒屋と出会いました。
2007.09.17 Monday
明治屋@阿倍野
明治屋@大阪
さてさて、いよいよやってきたのがこの「明治屋」です。
ここは凄いよ。
なんと言っても「日本三大居酒屋」の一角を占める名店なのですね。
「三大居酒屋」って誰が決めたんだと、いぶかる向きもございましょうが、太田和彦さんです。
名著「居酒屋大全」に紹介されていて、その筋では有名な店なのです。
ちなみにその「日本三大居酒屋」とは
東京の「岸田屋」、大阪の「明治屋」、そして和歌山の「長久酒場」となっています。
地下鉄「天王寺」駅で下車、賑やかな阿倍野筋商店街を歩く。
メインストリートには懐かしいチンチン電車がのんびりと走っていて、そこはかとない哀愁がある。
目指す店はすぐに見つかった。
古風な造りの表看板からも名店である風情を感じさせる。
おや、看板の隣に鎮座ましましているのは、魔よけの鍾馗さんではないか。
店に入るとこれは驚いた、何と満員の大盛況だ。
時間は午後五時、しかしこの店の開店は午後1時だという。
入り口から向かって右手にぐるりと囲むカウンター、左手に並ぶテーブル席。
思わずたじろぐ三人組に、お店のオバチャンは
「お三人さんですか、ちょっと待ってくださいね」
待っていると、続いて入ってきた常連さんらしい二人連れが勝手に座り込もうとして窘められていた。
しばらくして4人掛けのテーブルに相席で案内される。
もう一人はこれも常連らしい老人で、瓶ビールを独酌していた。
ちょうど入れ替わり時らしく、すぐにカウンターの席が空き、老客はそちらにお引っ越し。
「どうもすいません」
店も忙しそうで、なかなか注文に来ないので、声を掛ける。
この注文をせかさないというのは酒場の大きな条件である。
居酒屋のチェーン店などでは、席に着くやいなやせっかちに注文をせかす店員がいるが、とんだ迷惑だ。
まずは駆け付けの一杯を味わいながら、のんびりつまみを選びたいのだ。
また、こんな店に限って、追加の注文が通りにくいので、腹が立つ。
良店は常にお客の目線を気にしてくれている。
これ頼もうかな、と店員の方を見るとすかさず応えてくれる、さりげない気配りがあるのだ。
まずは生ビールで乾杯。
最初のつまみは、「どて煮」「皮くじら」「きずし」「シュウマイ」「焼き魚」とする。
まず「どて煮」だが、やっぱり大阪味で甘い。
まあ甘すぎると言うところまでは行かず、これはこれで良いアテになる。
次に珍しい「皮くじら」
酢みそでいただくと口の中でふんわりと溶けてゆく。
こういう昔風のアテが常備されているのが、老舗たる所以か。
次の「きずし」はいわゆる「シメサバ」で、ポン酢が掛けてある。
キラリ銀色に光った肌が眩しいぐらいだ。
身はとろけるほどに柔らかく、鮮度が良いことを物語っている。
遅れて来た「シュウマイ」は自家製で、豚肉の旨味が凝縮されている。
しっとりと柔らかく、気品のある佇まいだ。
「焼き魚」しまったこれは何だったかの記憶がない。
赤魚の味噌漬け?いや、違ったか。
もう酔いが回ってきたようだ。
(続く)
2007.09.15 Saturday
てんぐ@ジャンジャン横丁
てんぐ@新世界
まだまだ暑い盛りの昼下がり。
大阪の居酒屋一番手を求めて、一行は新世界へと向かった。
地下鉄を「動物園前」で降り、てくてくと通天閣を目指す。
お馴染み「づぼらや」の大きな河豚がお出迎えだ。
街を冷やかしながら歩くと、昔懐かしいスマートボールが賑わっている。
さっそく入ってみると、一ゲーム100円25玉。
機械に100円玉を入れると、盤面の上からダダッーっと白い玉が流れてくる。
パチンコ台で言うとチューリップのような物も付いていて、それなりに面白い。
しかし釘は渋く、ほとんどの客がすぐに擦ってしまう。
玉が貯まれば景品と交換も出来るというが、まあ所詮お遊びの範囲。
皆さん大人しく遊んでゆくようで、これはなかなか上手い商売だ。
さて、ジャンジャン横丁に入った。
これも大阪らしく、囲碁将棋クラブや麻雀荘なども幾つか並んでいる。
真っ昼間というのに、居酒屋は大繁盛だ。
もちろん中には閑古鳥が鳴いている店もあるが、有名店は行列さえ出来ている。
その中でも有名店の一二を争う「てんぐ」に「八重勝(やえかつ)」は入り口に長い行列が出来ている。
その中から「てんぐ」を選び、行列に付く。
中央の調理場をぐるっと囲むカウンターには満員のお客さんたちが、串カツを頬張っている。
入り口の引き戸を開けて中に入り、店内で席の空きを待つ。
お客の中にはそそっかしいヤツもいて、横の入り口から潜り込んできて店員に注意されている。
すぐに席が空き、三人揃って座る。
まずは瓶ビール(550円)2本に、どて焼(100円)、串カツ(100円)などを頼む。
目の前では、曾野「どて焼」を温めている鍋がドンとおいてある。
専門のお兄さんが串に刺した牛スジを並べ、味噌だれを掛けてはコテでくっつかないように、面倒を見ている。
なかなかに手慣れた捌きだ。
脇には調理前の串に刺した牛スジが、うず高く積まれている。
ビールで乾杯し、出されたどて焼をいただく。
白みそ仕立てで、やっぱり甘口だ。
十分に下処理された牛スジは柔らかく、とろける感じだ。
横の揚げ台では、付きっきりで串カツを揚げている。
色々なメニューがあるが、面白いのは「玉子(100円)」
これ、とにかくデカい。
玉子も大きいのだが、これに付けた衣もまた大きいので、笑っちゃうぐらいになってしまう。
女性が注文していざ食べようとすると、衣がはがれてしまい苦戦していました。
さて、「串カツ」が登場した。
前に置いてあるソースにカツを漬けていただく。
これは牛肉ですね。
さすがに関西、棒状の牛肉が厚い衣に包まれてからっと揚げられている。
カウンターには千切られたキャベツが盛ってあり、これは無料のサービスらしい。
手づかみで取り、ソースや、皿に残った白みそに付けて口直しだ。
お客さんはみんな凄い勢いで食べている。
とてものんびりお酒を飲むような雰囲気ではない。
大阪気分も味わったし、行列も長くなったようだ。
ほんの15分ほどの滞在だが、潔く席を譲ることとした。
さすがは大阪新世界、凄い活気ですわ。
2007.09.14 Friday
うさみ亭マツバヤ@大阪
うさみ亭マツバヤ@大阪
さて、とにかく大阪である。
大阪と言えば「食い倒れ」の町。
その食文化は静岡とは違うし、当然東京とも一線を画す。
せっかく大阪に来たのだからして、この地でなければ食べられない物をと考えるのも、また自然な流れではないか。
そんなわけで、本日の昼食は「うさみ亭マツバヤ」に決めた。
何とこの店は創業明治26年、大阪名物「きつねうどん」いや「けつねうどん」発祥の地として有名なのである。
はじめは店が創業時にうどんの付け合わせとして「油揚げ」を出したことに始まる。
これを甘辛く煮付けてうどんに乗せたところ大評判になった。
ここから大阪の「けつねうどん」は日本中へと大きく羽ばたいたのである。
ずうっと 本舗 「松葉家」として知られていたのだが、何らかの都合があったのだろう、今では店名が変わっている。
新大阪の駅から地下鉄に乗り換え、御堂筋線本町駅で降りで、店を目指す。
まだまだ残暑きびしい中、結構な距離を歩いたが、何とかたどり着いた。
幸いにして行列もなく、すんなりと中に入る。
店はそれほど広くはない。
どこにでもあるような、ごく普通のうどん屋だ。
メニューは結構多くて、そのしんがりにはそばも載っている。
テーブル席に着くと、典型的なというか当たり前なんだが「大阪のオバチャン」が麦茶を出してくれる。
数あるメニューの中から、迷わず「おじやうどん(750円)」を選択。
ん、念のために書きますが「オヤジうどん」ではありません。
これこそ、この店でなければ味わえないメニューなんです。
なんでも大阪では昔から、うどんを副食にしてご飯を食べるという、炭水化物タッグマッチの風習があったのだという。
時は昭和16年という戦争のまっただ中。
飲食店といえども、物資が不足してくる。
そこで、ある物を上手くいかそうと、店主の宇佐美さんが、うどんとご飯を半分ずつ合わせて商品化することを思い付いた。
戦後にこれを復活させ、具も盛りだくさんになって好評を博したのが、名物「おじやうどん」です。
さて、少々時間が掛かったが、「おじやうどん」の登場です。
器は何と南部鉄の四角い淺底鍋。
そこにグツグツと煮えている、おじやうどんの勇姿を見よ。
甘めの出汁に半分がうどん、そして半分がおじやになって煮えている。
これはまた前代未聞、空前絶後の看板メニューだ。
具も結構凝っていて、まずは甘辛の大きなシイタケ、鶏肉に刻み油揚げ。
さらには焼き穴子にカマボコと玉子も乗っている。
おじやに飾られた甘酢の千切り生姜が、良い口直しになる。
まずはうどんを一口いただくと、これが熱い。
ふうふういいながらすすると、柔らかめで出汁がよく浸みている。
レンゲでおじやを一掬いいただくが、これもまた熱々だ。
うどんを食べながら、具を食べ。
おじやを食べながら、また具をつまむ。
どれが主食でどれが副食なのか、全く渾沌としていて分からない。
ごちゃごちゃと色々あるが、ここでは全員が主役なのだ。
旨いが熱い。
熱いけれど旨い。
悪戦苦闘しながらも、鉄鍋は確実に底を見せてゆく。
(うーん、もうダメだ)
さすがに完食は無理で、行儀は悪いが、少しばかりのおじやを残して終了。
初めて食べた「おじやうどん」にノックアウトの一杯でした。
2007.09.08 Saturday
車掌さんは偉い
車掌さんは偉い
JR南千住駅で、駅員の対応が悪くて、腹を立てた話は以前に書いた。
あんまり腹が立ったので、すぐに苦情を投書したが、いまだに「なしの礫」だ。
さて、ところ変わって帰りの列車の中である。
熱海発、島田行きの普通列車は最後尾の車両に座り、静岡へと向かう。
最後尾なので、車掌さんが乗り込んでいる。
見ているとこの人が、実に良く働いている。
まずは列車が駅を出ると、車掌室のドアを開け、車内を巡回する。
当然きちんと鍵を掛けてゆきます。
回りに声を掛けながら巡回してゆくと、夜中でもあるのだろう、結構乗客に声を掛けられる。
まずは乗り越しの精算。
「沼津から草薙まで」
手元の機械をあれこれ操作して、切符を発行してゆく。
お札を受け取り、腰に付けた袋から小銭を取り出す。
一連の動きに無駄が無く、実に上手いもんだと感心する。
注文が多いと、途中でうち切ってひとまず部署に帰る。
駅に到着すると、手動で車掌室のドアを開け、ホームに降りる。
昇降客の確認を身振り手振りあわせて、指差し呼称。
発車する寸前に車両に飛び乗る。
ドアを閉めて、更に窓から身を乗り出して、なんやからの確認。
ようやく終わって窓を閉めるやいなや、乗客の車両へ巡回に回ってくる。
40ぐらいの小柄な方だが、笑顔を絶やさないし、言葉もはっきりしていて、良く聞こえる。
お客の一人が
「カードは使えないのか」
と難問を吹っかける。
さすがに車内に端末はないし、そりゃあ無理だろう。
ああだこうだ文句を言っていたが、これはお客さんが悪いよ。
それでも笑顔を絶やさずに、対応をする車掌さん。
まさにJR職員の鏡ですねえ。
今日は色んな職員さんに会いましたが、最後で大逆転。
JRの皆さんは頑張っています。
お知らせ
来週は藤枝でのお仕事になり、更新はほぼお休みさせていただきます。
2007.09.07 Friday
世界のやまちゃん@西武新宿店
世界のやまちゃん@西武新宿店
さて、新宿の「きくや」を出て、目指すは「世界のやまちゃん」西武新宿店。
しかし当然ながら地図には書いてある由も無し。
手がかりは電話番号のみで、さっそくお店に電話を掛ける。
対応の女性は親切に道のりを教えてくれた。
しかし問題は当方にあり。
さすがに3軒目ともなると、足取りもしっかりしているとは言い難い、どころか足元が揺れる。
何とかお店を発見し、階段を二階へと上がる。
「いらっしゃいませ」
開店間もないというのに、お客はちらほらと入っている。
客層は若者のグループが多いようだ。
中央のカウンター席の一角に案内された。
カウンターにはすぐにもう一人の客が来て、3席ほど離れた2人で独占することになる。
「瓶ビール(504円)とどて煮(409円)」
遂に本日3杯目の煮込みに挑戦だ。
ビールはサントリーのモルツ。
すぐにビールがやってきて、本日3回目の一人乾杯。
店内至る所にイメージキャラクターの「やまちゃん」が踊っている。
箸袋に一人、小皿の真ん中には古株に新人と並んでいる。
これは社長さんらしいんですが、名古屋らしいですねえ。
そしてメニューを見ると、さすがに名古屋は違う。
面白そうな品々がぞろぞろと並んでいる。
「赤味噌ラガー690円(330ミリリットル)」
名古屋の赤味噌と麦芽の旨味が融合したお酒、と書いてある。
どんな味か試してみたい気持ちはあるが、惜しむらくは気力が続かない。
ここで「どて煮」が到着した。
「お土産に手羽先を一人前(399円)お願いします」
これも必ず食べていきたかったものだが、諦めてお持ち帰りとしておく。
「どて煮」は豚のシロにコンニャクを八丁味噌で煮込んだものだが、これがまた
「甘ーい」
「甘すぎるよー」
確かに赤味噌は美味しいです。
しかし甘いのはどうにもならない。
小さいころから物を大切にしなさいといわれてきました。
出来るなら全部食べてしまいたいのです。
でも、一口食べるとこの甘さを洗い流すのに、ビールが一口必要です。
嬉しいことに「どて煮」は一人前の量もたっぷりあります。
僅か半分でビールが1本空になりました。
さすがにもう限界です。
あえなく半分のどて煮にお別れを告げて、「世界のやまちゃん」を後にしたのでした。
(みそカツを一緒に頼まなくて良かった)
2007.09.06 Thursday
きくや@新宿
きくや@新宿
今でこそ「チューハイ」という名前は人口に膾炙しているが、その発祥はどうだろうか。
色々と調べてみますと、これがまた諸説あるんですよね。
この「チューハイ」ですが、戦後に新しく作られたものであることは間違いないところです。
そして、その元祖と言いますと、ここ新宿にある焼き鳥横丁の「もつ焼ききくや」が有名です。
この店も古く、今年で創業から52年だといいます。
創業間もない昭和30年代の話、当時はまだ呑みにくかった「焼酎」でした。
ストレートで呑むにはアルコール分が強いが、水で割るのも寂しい。
そこで、ショーチューを美味しく呑む新しいスタイルとして、店主が考案したのがこの店の「元祖酎ハイボール」です。
大評判となった「元祖酎ハイボール」は、瞬く間に他のお店にと広がっていったそうです。
それから50年、元祖の味を守り続けて来た「きくや」
これはぜひとも味わってみなければと、はやる思いで新宿に着いたのでした。
場所は新宿駅からすぐそばの、新宿西口は焼き鳥横丁。
開店時刻の4時を少しばかり過ぎた時間に、店前へとたどり着く。
「きくや」と書いた赤ちょうちんが、店の真ん前にデンと座っている。
懐かしい縄のれんをくぐり、引き戸を開けて店に入る。
「いらっしゃいませ」
さすがに先客はなく、開店1番乗りとなったようだ。
店は細長い造りで、厚い一枚板のテーブルが2枚並んでいる。
客はその両側に座ることになる。
ちょうどど真ん中に席を取り、まずはこれをいかなくては。
「チューハイボールと煮込みをお願いします」
「はいっ」
まず「元祖酎ハイボール(320円)」に突き出しの小鉢「卵サラダ」が出てきた。
大きめのタンブラーに氷が入り、泡立つ琥珀色の液体が、なみなみと入っている。
その美しい輝きに思わず見とれてしまった。
口から迎えに行き、ごくごくっと流し込む。
すっきりとした味わいで、これは呑みやすい。
ショーチューと炭酸以外に何かのエキスが入っているようだが、これがぴったりと合っている。
キツすぎたりすると興醒めだが、アルコールを邪魔せず、かえって引き立てている。
グラスには「レモンハイボール」と書いてあるが、こちらが正式名称なのだろうか。
続いて「牛もつ煮込み(420円)」が出てきた。
本日2杯目の煮込みである。
ここの煮込みは正統派だ。
牛のもつ(シロ)とコンニャクを醤油味で煮込んである。
さっそくネギを混ぜて一口いただく。
ややしょっぱめだが、酒のアテにはちょうど良いくらいだ。
これに合わせると、酎ハイが進む、進む。
あっという間に空いてしまい
「お代わりお願いします」
「それとレバ刺し一つ」
これもメニューにあるとつい頼んでしまう一品だ。
「ニンニクですか、ゴマ油ですか」
「ニンニクで」
2杯目のハイボールをチビチビやっていると、「レバ刺し(525円)」が出てきた。
ニンニクはスライスした物が付いている。
(摺り下ろしのほうが食べやすいんだが、こちらは匂いが残らなくて良いのか)
生レバは新鮮で、甘みがじんわりと浸みてくる。
しかし40分ほど経ったが、客が入ってこないのが不思議だ。
広い店内に私一人だけ。
やはりサラリーマンが入ってくる時間にならないと、混み合わないのかな。
本日は「煮込み」で通してみようと心に決め、次の目標を探す。
そう言えばチェーン店の「世界の××」があった。
新宿にも確かお店があるはず。
さっそく調べて見ると、確かに近くにあるようだ。
時刻は5時少し前。
さっそくお勘定を済ませて、店を後にする。
うーん、2軒回ったというのに、まだ明るいや。
2007.09.05 Wednesday
楽家@唐瀬
楽家(らくや)@唐瀬店
以前「風風ラーメン」のあった「エスポット」の真ん前の場所。
そこに新しく「楽家」というラーメン店がオープンした。
キャッチフレーズは「やみつきとんこつ正油」
新聞にチラシが入っていたので、これを見ると、どうやらチェーン店のようだ。
本店は藤枝市と言うが、残念ながら私は行ったことがなく、評判も分からない。
しかし最近のチェーン店は良く研究しているし、この店長さんも充分修行しているとのことで、期待が持てる。
開店は8月8日で、もうすぐひと月になり、味も安定してきたはずだ。
平日の正午前、お店に着くと元気な声で迎えてくれた。
入ってすぐに自動券売機が置いてある。
一番左側上の「やみつき正油ラーメン(600円)」を選び、ボタンを押す。
入り口正面がカウンターになっていて、その右角に女性の店員さんがお冷やを置く。
どうやらここに座ってくれということらしい。
チケットを渡すと、元気な声で厨房に注文を通す。
まだ店も空いているため、余裕を持って間を空けた席に詰めている。
店の中には色々とウンチクが掛けられている。
ギョウザに自信があるようだが、今日はまずラーメン。
さて、けっこうご主人は気合いが入っているようで、見ていて気持ちが良い。
隣の男性が頼んだ、何とかセットのどんぶり飯が出てきた。
けっこうなボリュームで、とても私には無理ですね。
すぐにラーメンが出てきた。
スープは十分に熱く、やはりこれは気分がいいですね。
表面には背脂が程良く浮いている。
まずはスープを一口。
藤枝だからと言うわけではないが、「カナキン亭」によく似た感じだ。
トンコツの旨味が良く出ていて、ギトギトしていないがコクがある。
具には、チャーシュー1枚と、メンマにノリ。
チャーシューは柔らかく、メンマには味がよく浸みている。
麺は中太の縮れ麺で、けっこう歯応えがある。
この少し固めになっているのが、いい感じだ。
半分ほど食べ進んだ後、効能書きを参考に、おろしニンニクや「お酢」に唐辛子などを加えてみた。
ここらへんのウンチクはカナキン亭そっくりだ。
その中では、意外と「お酢」が合うように感じた。
これは結構いけるんじゃないでしょうかね。
サービスにもらったのが「大盛り無料券」
次は大盛りで行くしかないか。
2007.09.04 Tuesday
弁慶@三ノ輪
弁慶@三ノ輪
名著「下町酒場巡礼」でも取り上げられている、路地の奥の店「弁慶」
何せ、そんな分かりにくい所で、昼間から営業しているというのだから、大したものだ。
しかし実はこの店、私には深い因縁があるのです。
前々から気になっていた店で、過去にも2回この店を尋ねたことがありました。
しかし何たる相性の悪さか、2回共に暖簾は隠されたまま。
寂しく振られてしまい、とぼとぼと引き返す羽目になってしまったのです。
しかしそれにもめげず、今回3度目の正直とばかりに、再々挑戦を申し込んだのですね。
JR南千住の駅に着いたのは、午後1時を少し過ぎた、まあ昼日中です。
出口の改札が混雑している。
JRの駅は数多くあるが、駅員の対応はまちまち。
ここ「南千住」の駅員はすこぶる対応が悪い。
まあそれについては又、別の機会に書きたいと思います。
駅を出て、三ノ輪方面に進む。
驚いたことに駅前は建物がすっかり壊されて、再開発のまっただ中だ。
まとめて更地にして、大きなビルに生まれ変わるのだろう。
名店「鶯酒場」のあった辺りも、すっかり壊されていて、辺りの商店も寂しそうだ。
駅を後にして、南千住仲通りを進んで行く。
思えばこの道をかれこれ三往復したのに、「弁慶」は扉を閉じたままだったのだ。
一本道はやがて三ノ輪に着いた。
時間は午後1時半、当然開いている居酒屋など1軒もない時間だ。
しかし例外が一つだけあるはずと、おそるおそる狭い路地の向こうをのぞき見る。
おお、あった。
そこには真っ昼間の太陽に照らされて、赤いちょうちんが燦然と輝いているではないか。
紺色の暖簾には、裏返しに「弁慶」の文字がはっきりと書かれている。
さっそく引き戸を開けて、店に入る。
「いらっしゃいませ」
中央には大きな煮込みの鍋、U字型のカウンターがぐるりと大きく囲んでいる。
ゆったりとしていて、12,3人は座れそうだ。
先客は一人だけで、Uの字の右辺中央部に座っている眼鏡の中年男性。
ご主人は左辺の奥にいて、丸刈りの渋い声だ。
テレビで見た「ラーメン好きの落語家」(名前は忘れました)によく似ている。
席はどこでも良さそうなので、Uの字左辺の角にご主人と一つ離れて座る。
「ハイボール(250円)下さい」
「ショーチュー、ウイスキーどちらで」
「ショーチューで」
小ぶりのジョッキに氷を入れると、コップでショーチューを量り入れた。
炭酸のサーバーに押しつけると、そこに炭酸が注がれて、ショーチューハイボールの出来上がりだ。
仕上げに半切れのレモンスライスを入れてくれる。
カウンターにプラスチックの板を一枚置くのは、何杯飲んだかの目印なんだろう。
「煮込みを見つくろいで5本下さい」
「はいっ」
待ちに待った名物の煮込みだ。
ご主人は白木の長い取り箸を操って、中央の浅く大きな鍋から煮込みを皿に取ってくれた。
ここの煮込みは串に刺さっている。
焼き鳥よりは短い角串で、1本に肉が3片ほど刺さっている。
お値段は何と1本40円、40円ですよ。
まるで駄菓子屋の静岡おでん並の安さですね。
出てきた肉の種類は、豚のシロが3本に、フワが2本だった。
探せば他の種類もあるのかも知れないが、新参者が鍋を引っかき回すのはいただけない。
傍らの一味唐辛子を振り掛け、串から喰い取る。
ここでは割り箸は出ていない。
何か箸が必要なつまみを頼まないと、出してくれないようだ。
煮込みは思いのほか固めで、もう少し煮込んだぐらいが良かったか。
さっぱりとした醤油味で、適度の味加減だ。
店の真ん中の上部にはテレビが置いてあって、競輪の中継を流している。
「お店は何時ぐらいからやっているんですか」
「大体今ぐらいからだね」
先客が「ホタテバター焼き」を注文した。
ご主人は左手奥のガスこんろに行き、あれこれ調理をはじめる。
その間も競輪中継を横目で見ながら、先客とあれこれ検討をしている。
どうやら本日は「荒れない」レースばかりのようだ。
よく見るとカウンターのあちこちにサインペンとメモの紙が置かれている。
先客がそのメモにくるんだお札を、店主に渡す。
店主はケイタイで、自分の予想と合わせながら車券の発注をする。
レースが始まると、それほど熱中するわけでもなく、静かに観戦している。
このレースは本命が来たようで、お客さんのみ的中。
しかし配当割れのようだ。
「お代わりお願いします」
空のジョッキを差し出すと、それに追加分を作ってくれた。
「煮込みフワ3本と、シロ2本お願いします」
常連さんは自分で勝手に鍋から取るシステムらしいが、初見なので無難にお願いする。
新客二人が間を置いて入ってきたが、皆さん競輪のファンらしく、テレビに釘付けだ。
その中の一人が、迷った挙げ句の注文は「チキンカツ」でこれは意表を付いた。
1番客の評価は
「チキンカツかあ、それはないだろう」
ここでトラブル発生。
左側のガスレンジの具合が悪くなったようで、火が着かないのだという。
何度かカチャカチャやっていたが諦めて、右のレンジでカツを揚げることにする。
揚げ終わって包丁を入れ、お客に出すと
「まだ赤いぜ、揚げ直してよ」
ご主人はそれをそのまま揚げ鍋に投入して、再加熱した。
この辺りお客は別に腹を立てるわけでもなく、和やかに進んで行くのが面白い。
ハイボールをお代わりして、プラスチックのカードが3枚になった。
競輪のほうはなかなか上手く当たらないようで、場も盛り上がらない。
皆さんこうやってのんびりと飲みながら楽しんでいるんでしょうね。
「すいません、お勘定お願いします」
「1150円です」
時刻はまだ3時前。
(よし、今日は煮込みで勝負だ!)
けだるい真夏の昼下がりを、狭い路地に向かって歩き出した。
2007.09.03 Monday
栄屋ミルクホール@神田
栄屋ミルクホール@神田
JR神田駅を北口で降り、神田須田町へ進む。
例によって読めない地図に苦労はしたが、正午少し前になんとか目指す店に到着した。
見るからに古風な造りだ。
なんせ「ミルクホール」という名前がいい。
しかし他では聞いたこともないし、更に言えばここにはミルクはない。
古びた看板が大きくそそり立ち、巾広の暖簾が良い味を出しています。
ガラスの引き戸を開けてお店にはいると
「いらっしゃいませ」
活気の良いオバチャンが迎えてくれた。
「こちらにどうぞ」
と迷う間もなく、入り口すぐ前のテーブル相席を指示された。
お冷やを出されて、ラーメン(550円)を注文すると
「そば1丁、都合3丁」
張りのある声で調理場へ返す。
座席は4人掛けのテーブルが6脚で、中央の二つだけがくっついている。
見ていると、ここでは客が勝手に座ってはいけないようだ。
全てオバチャンが指示した通りに配置される。
端のテーブルが空いていても、優先的に中央の相席に案内される。
時々これを知らない客が勝手に席を取り、たしなめられていた。
客は100%男性で、たぶん近所の工員風に、ネクタイ姿のサラリーマンと、二分される。
注文はラーメンが多く、「おにぎり(120円)」を合わせたオーダーに人気があるようだ。
右隣の職人風オジサンは「冷やし中華(950円)」を旨そうに食べている。
おにぎりは入り口横のガラスケースに入っているのを、注文ごとに取り小皿に移して出す。
帰りがけに見ると、沢山置いてあった物が、空っぽになっていた。
さて、5分も待たずにラーメンが出てきた。
具はチャーシュー1枚に、メンマ、青菜、多めのネギというシンプルなもの。
このあっさりとしたスープは、けっこう脂っ気もある。
もちろん「味の素」もほどほどに入ってはいるが、昔懐かしい優しい味わいだ。
麺は中細で、けっこう柔らかい。
意外と量があって、これ1杯で充分満足できるぐらいだ。
さすがに下町のお店だけあって、常連にはきわめて優しい。
顔馴染みらしいお客は、何も言われずに端の空席に着き、一人でテーブルを独占している。
それが文句を言われるでもなく、オバチャンと世間話をしている。
「タンメン」
そう言った新参者が
「夏場はやっていないの」
貼り紙にちゃんと書いてあるのだが、優しく断られているのもご愛敬だ。
お客はひっきりなしに入ってきて、席も満席に近い。
さて丼も空になった。
長居は不粋と席を立つことにする。
「ありがとうございました」
懐かしい昭和の食堂が、ここ神田で頑張っています。
2007.09.01 Saturday
電車の中で
電車の中で
雨の金曜日。
熱海行きの普通列車は、普段よりも二割り増し程度に混雑している。
とはいえ、静岡駅で下車する乗客は多く、余裕を持って座ることが出来た。
フラットシートの端に座り、熱海までの時間を過ごすことにする。
前の席には、くちゃくちゃと良く喋る、十代後半の若い女二人。
列車が空いているので車両の空間を、甲高い話し声が乱反射している。
早口で、くだけた内容は、最近のムスメだなあ。
熱海駅に着き、東京行きに乗り換え。
例によってボックスシートのある一号車に進む。
空いている山ぎわの一角に前向きの席を取り、ぼんやりと外を見ていると、なにやら聞き覚えのある笑い声。
(うわあ、あの二人だ)
向かいの席に来ないように祈ったが、右手後方の辺りに座ったようで、一安心。
列車のトイレが珍しいようで、きゃあきゃあ言いながら、トイレを見学している。
大船を過ぎた辺りで空が明るくなってきた。
列車も混んできて、座席は満員。
目の前の席には二十歳ぐらいの若い兄ちゃんが座った。
短パンが似合うこの兄ちゃんは、持ってきたお菓子とジュースを食べ終わると、ビニール袋に入れ、足元に放った。
知らん顔をしてそのまま目を閉じている。
平塚で外人の大男が乗り込んできた。
禿頭にヘッドフォンを付けて、鼻歌を歌っている。
こんなのが前に座って、二人掛けの一人が席を立ったら怖いだろうな。
とても並んでは座れない。
座り掛かったら退いてやるのか。
くわばらくわばら。
目を閉じてしばしの眠りにつく。
列車が止まり、前のお兄ちゃんが降りようと席を立った。
「兄ちゃん、忘れもんだ」
「えっ」
足元に転がるビニール袋のゴミを指差すと
「あ、すいません」
ただ忘れただけかも知れない、素直な返事が返ってきた。
「マナー忘れないでよ」
ぺこりと頭を下げてホームに出ていった。
また余計なお節介をしてしまったか。
「次は品川です」というアナウンスで目が覚めた。
いつの間にか回りの乗客は様変わりしていて、大男も消えていた。
相変わらず二人ムスメは大声で喋っている。
(まさか山手線まで同じと言うことはないな)
多少は気にしながら、下車の準備をする。
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