2008.03.31 Monday
珍楽@小鹿
珍楽@小鹿
旧静岡市内の未食店を尋ねるシリーズの一店です。
このお店は小鹿商店街の中ほどにあって、なかなかに古いお店です。
水曜日の12時少し前にお店にたどり着きましたが、見るからに地元に根付いたお店といった感じですね。
特にこの看板が、手書きでなかなか味があります。
ガラスの引き戸を開けてお店に入りますと
「いらっしゃいませ」
あれ、まだ誰もいませんでした。
お店の中は4人掛けのテーブルが6脚ほども並ぶ、食堂タイプの造りです。
壁に書かれているメニューを見回しますと、ラーメン400円、ジャンボラーメン500円とありました。
全体的に安めの価格設定となっていますね。
食材の値上げもあるでしょうし、この価格を維持するのは大変でしょうね。
多少気になったので、「ジャンボラーメン」にしましょう。
オバチャンがお冷やを持ってきてくれたので、そう告げます。
お店の中には切り絵がいっぱい張ってありますが、ご主人の趣味なのでしょうか。
オバチャンは気を利かせて、壁のテレビのスイッチを入れてくれました。
席は入り口の方を向いていますが、そこへおばあちゃんが一人のんびりと入ってきました。
あれこれメニューを眺めながら、奥のオバチャンに向かって
「中華丼700円にしようか」
その場でお代を払って行きました。
そのままお店で待つのかと思っていると、なんと入り口へ引き返してゆくではありませんか。
引き戸を開けて、外へ出てゆきます。
どうやらちょうど正面のお家の住人のようですね。
これは出前と言うことなのかな?
先に帰ってしまったので分かりませんが、なるほど地元密着のお店ですね。
さて、ジャンボラーメンが出てきました。
姿からするとどうやら「大盛りラーメン」のことを差しているようです。
大きめの丼に、やはり大盛りの麺が入っています。
具は、メンマにチャーシュー、紅白のカマボコ一切れにノリという出で立ちです。
麺は透き通った細麺の縮れ麺で、しっとりとした感じですね。
スープは和風で、脂っ気は少なく、魚介の出汁がほんのり利いています。
チャーシューは少ししょっぱめですが、麺が多いので、気になりません。
ジャンボと付けてあるだけあって、麺の量は十分で、すっかり満腹になりました。
昔ながらの、街の中華やさんのラーメンですね。
安い料金で頑張っているお店には、心から応援をしたいとつくづく思います。
すっかり平らげてしまいましたが、先ほどのおばあさんは来ないし、他のお客さんもまだいません。
気になる行く末ですが、食べ終わってから粘るわけにもいかず、後ろ髪を引かれたままで、お店を後にします。
何か昭和を感じさせる、ノスタルジーのあるお店ですねえ。
2008.03.29 Saturday
じゃんけんポン@新橋
じゃんけんポン@新橋
新橋の2軒目は「魚金」を予定して、まずは場所を確認します。
手元のデーターでは4時30分の開店とあるので、ちょうど開店したばかりのはすですね。
ところが3軒ほど同じ「魚金」があったのですが、どこもまだ開店していません。
聞いてみますと、つっけんどんに
「5時開店です」
仕方なく、しばらくお買い物で時間を潰します。
さて、新橋に戻ったのは5時半ごろですが、なんと出遅れが響いて、どの店も満員になっているではありませんか。
無理すれば入れるぐらいですが、新参者としては肩身が狭い。
詰めてもらってお店に入ったのに、1杯でお帰りでは白い目で見られますので、お店を変更することにしました。
すぐ近くで目に付いた、立ち飲みのお店「じゃんけんポン」に入りましょう。
小ぎれいな造りで、7人ほどのカウンターに、小さなテーブルも幾つか散らばっています。
先客はカウンターに若いサラリーマンの二人連れだけ。
さっそく少し間を置いた隣のカウンターに立ちます。
「酎ハイ(200円)お願いします」
店主らしい若い男性は、しきりに仕込みをしています。
お総菜風のつまみを作っているようですがさすがに慣れた手捌きです。
店員はどうも中国人の留学生らしい若い女性が二人で、サラリーマンとお話ししています。
東京では居酒屋のアルバイトに中国人女性がよく見られますが、どれもみなしっかりしていますね。
サラリーマンは常連客らしく、話が弾んでいるのですが、女性は手伝わなくて良いのかなあ。
「煮込み(300円)ください」
ご主人は鍋から煮込みを一すくい取って、小鉢に移し、レンジで温めます。
しかしこれがなかなか温まらないので、3回温め直しをしています。
「お待ちどうさまです」
やっと出てきましたか。
お財布から千円札を出してカウンターに置きますが、受け取りません。
「後払いで良いんですか」
「はい、結構です」
どうやらこのお店は、後払いなんですね。
出された煮込みは、普通のモツ煮込みですね。
どちらかというと上品な感じがしますが、若者向けなのかな。
酎ハイはシンプルな作りで、すいっと胃袋に入って行きます。
「お代わりを」
2杯目の酎ハイをやっつけることにします。
隣のサラリーマンは女の子が目当てらしく、チビチビと彼女たちをからかいながら飲んでいますが、こんなのも新橋らしい雰囲気なんでしょうか。
この店が混みだしてくるのはもう少し遅い時間帯なのかな。
まあおかげでのんびりとやれますが、客が少ないのもまた侘びしいものですね。
3軒目なので、足が疲れてきました。
「お勘定お願いします」
「700円です」
さすがに明朗会計です。
これで本日の周遊はお終い。
さあ帰りましょうか。
2008.03.28 Friday
ニューニコニコ@新橋
ニューニコニコ@新橋
何てったってこのネーミングが良いですねえ。
単に「ニコニコ」だけでもユニークなのに、「ニュー」まで付けてしまうんですから、凄いセンスだなあ。
実はこの店もけっこうな老舗なんですね。
場所はというと東京は新橋の駅前にある「ニュー新橋ビル」の地下にあります。
先代のご主人は、戦後すぐに烏森口のあたりで「ニコニコ」というお店を出していて、このビルができた時にそこから引っ越してきたんだそうです。
この「ニュー新橋ビル」もけっこう年季が入っていますが、お店はその上を行くことになります。
そうか、たぶんビルの名前から「ニュー」をつけたんでしょうね。
嬉しいことにこの店は朝の11時半から営業していて、昼酒も飲めるんですね。
さて、ただいまの時間は午後4時、まだ夕暮れには早い時間です。
JR新橋の駅を降りると、すぐ前がこのビルになります。
地下をうろうろしますと、さすがはサラリーマンの街新橋、ほとんど全ての店が居酒屋さんです。
さらには午後4時だというのに、もう営業しているお店が結構あります。
これは嬉しいなあ。
しかし自分の体にも限界がありますから、泣く泣く今日はここだけにしておきますか。
「いらっしゃいませ」
お店に入ると、長めにあつらえた木のテーブルがずらりと並んでいます。
さすがにこの時間では満員とは行きませんが、お客さんはちらほらと入っています。
テーブルの一角に席を取り、壁のメニューを見ます。
ずらりと定食が張り出されているのは、お食事の場所としても使われているようですね。
おかみさんがおしぼりを持ってきてくれます。
「ホッピーとレバ刺し(400円)下さい」
「ニンニク、生姜?」
「ニンニクでお願いします」
壁のお品書きには、「ホッピー210円」「ショーチュー320円」と書いてあります。
すぐに氷を満たした中ジョッキに入れたショーチューと、栓を抜いたホッピーが出されます。
ここでは自分で混ぜるスタイルのようです。
ということは、ホッピー単体が210円で、ショーチュー1杯が320円という事ですね。
ホッピーは安いですが、その代わりにショーチューは高い設定ですね。
グラスにホッピーを注ぐと、半分ほど余りました。
レバ差しをニンニク醤油でいただきますが、これは新鮮で美味しいです。
この席からはちょうど向かいの居酒屋さんの入り口が正面に見えます。
お店の前に店員の若い女の子が立っているのですが、暇だと見えてしきりにお客さんに声を掛けています。
地下を通るお客さんですから、たぶんどこかのお店に入る予定なんでしょうね。
それを一生懸命に客引きしています。
お店の方はというと、人気は少ないのですが、若いのに頑張ってるんだなあ。
もう少し元気なら2軒目に寄ってあげるんですが、私の体が持つかな。
さてこちらニューニコニコのお客さんは、ネクタイを締めた老年の男性が多いようです。
一人の方もいますし、二人連れもいます。
皆さん会社を勤め上げた退職後の、嘱託あたりの仕事で、早仕舞なんでしょうね。
談笑も慎ましく、若者中心の店とは全く違った落ちついた雰囲気です。
ところでこのおかみさんですが、注文を受けると焼きトンを持って入り口横の焼き台に向かいます。
へえ、焼きトンはおかみさんが焼いてくれるんですね。
酒類の手配も一人でやるし、片付けもまたこなす、お客への気配りも忘れない凄い働き者です。
こういう名物女将がお店の雰囲気を作っているんですね。
「ショーチューのお代わりお願いします」
空になったグラスを渡すと、氷を追加して、スタンバイしてあるショーチューを入れてくれます。
そこに残ったホッピーを入れるとちょうど一杯になりました。
少し濃いめですが、ショーチューは金宮らしく、飲み口がよいので気になりません。
黄金色のグラスを見つめながら、過ぎてゆく時間を楽しみます。
せっかくだから新橋でもう一軒、回ってみようかな。
名物の煮込みにも心を動かされましたが、断腸の思いで席を立つことにします。
「お勘定お願いします」
おかみさんはささっと暗算で
「1250円です」
「どうもごちそうさま」
まだまだ明るい雑踏の中に、おどおどと出ていったのでした。
2008.03.27 Thursday
嘉春@七間町
ギョーザ飯店嘉春@七間町
月曜の夜7時頃、今日は久しぶりに「ギョーザ飯店・嘉春」を尋ねて見ました。
ガラスの引き戸をくぐると、右手が調理場とカウンターの6席はど。
奥のテーブルと、そこに向かい合うカウンターのイスを使って、サラリーマンの5人組がビールを飲んでいます。
結構賑やかで、完全な居酒屋気分ですね。
お冷やが出てきて
「ラーメン(500円)お願いします」
お店は若い夫婦者らしい二人で切り盛りされている。
以前は年輩のご店主だったが、もう引退されたんでしょうか。
私のオーダーから2、3分して、奥の5人組から
「ラーメン4つと、タンメンチャーシュー入り」
そんなまとまったオーダーが掛かって、急に忙しくなりました。
飲んだ後のシメのラーメンというわけなんでしょうね。
さて、遅れるかと思いましたが、すんなりとラーメンが出てきました。
これは普通のラーメンですね。
醤油の強い、色黒のスープで、もう少し出汁を利かせたいところです。
麺は細麺で、茹でかげんも程良い具合ですが、やはりスープに力がないようです。
具にはチャーシュー1枚にメンマというシンプルなもの。
やはり嘉春といえばギョウザですから、ご自慢のギョウザで行くのが筋でしたか。
美味しいギョウザをつまみに、グイッとビールをいただくのが、ベストな選択ですね。
でもお食事として使いたい時は、ギョウザライスにすると結構高めのお値段になってしまうので、やはり麺類を選んでしまいます。
「ごちそうさま」
お勘定をしてお店を出ますが、気のせいか人通りも少ないようです。
景気もまた下向きかげんと言うし、飲食業界もしばらくは大変ですね。
2008.03.26 Wednesday
交通違反
交通違反
もう数年ほど昔のことなのですが、とんでもない交通違反を見てしまったことがあります。
いくつ違反があるのか考えていただきたいと思います。
それは私が一方通行の道路を、逆の向きに歩いていた時のことです。
突然後ろから、バババババとうるさい音が追い越して行きました。
見ると50CCの原付バイクです。
さて、そのバイクはいくつの違反をしていたでしょうか?
1に、一方通行を無視して逆走していた。
2に、なんと二人乗り。
3に、二人ともノーヘル。
4に、改造バイクで、後ろのナンバープレートが外してある。
なんと一目で分かる違反が4つも重なっています。
それがけたたましい騒音を立てて、細い道を走り抜けていったのですから、驚きました。
起こるより先に呆れてしまったことを思い出します。
ひょっとすると、「無免許運転」で5つ目の違反があったのかもしれません。
これで事故でも起こした日にゃ、目も当てられませんね。
二十歳ぐらいの金髪の兄ちゃんたちでしたが、無事更正してくれたかなあ。
2008.03.25 Tuesday
カブト 後編
(続き)
さて品物の注文を聞かれなかったので、あれっと思ったのですが、ここでは「一通り」がお決まりのようです。
これは壁のお品書きに書いてある品を全部、順番に出してくれるもので、料金はそのままの合計です。
この店は初見なんですが、馴染みさんと間違えられたのか、ごく当たり前に焼いたうなぎが出てきました。
まずは2本
「えり焼きです」
お皿に乗って差し出されます。
ここのうなぎは全て1本の竹串に刺して焼かれます。
焼き台には備長炭を使っていて、大将は火加減を見ながらときどき補給をしています。
傍らには仕込みを終えた串刺しのうなぎが置いてあり、そこから串を取り上げます。
大将はそこになにやらうなぎの皮のような物を巻き付けて、そのまま焼き台に乗せます。
うなぎの身は、捨てることなく全部使い切ってしまうんでしょうね。
半分ほど焼いたところで、脇にあるタレに付けて、もう一度焼きます。
物によっては、あらかじめ半分焼いた状態で、脇に重ねてある物もあります。
これは混雑して来た時のために、準備しておくんでしょうか。
さて、「えり焼き」はうなぎのアタマの部分でしょうか、骨っぽいですが、良く火を通してあるのか、そのままモリモリと食べられます。
半分は脇にある山椒を振っていただきますが、これも良いですね。
2番目の「ひれ焼き」を食べていると
「タバコはどこだっけ」
突然品の良い老紳士がのれんを上げて、大将に尋ねてきました。
「自販機はすぐそこだよ、ボケたんじゃないの?」
どうやら常連さんのお一人でしょうか、絶妙な掛け合いです。
「新宿じゃ、外では吸えないよ」
なるほど「路上禁煙」が浸透しているんですね。
お客さんは、自販機でタバコを買って戻ってきて、店のイスに腰を掛けました。
タバコに持参のライターで火を付けようとしますが、なかなか付きません。
見かねた大将がそれを取り上げて、隣の助手に渡し、代わりにマッチをあげます。
助手は一生懸命試していましたが、どうも故障しているようで、諦めてしまいました。
紳士はマッチで火を付けて、ご一服を楽しんでいます。
「このマッチ、良く付くねえ」
どうやらこの店の自作のマッチのようです。
(私も一箱欲しいなあ)
うなぎは、きも焼き、蒲焼き、ればと順番に出てきます。
中でもこの「れば」が秀逸ですね。
小さなうなぎのレバーが何個も串に刺してあります。
うなぎのレバーだけ食べたのは初めてですが、良い味ですね。
できればこれだけを何本も食べたいのですが、残念ながら1本しか食べられません。
これ以外の串は、追加で何本でもいただけるのですが、残念だなあ。
大将と、この常連さんとの会話も、なかなか味があって面白いですね。
焼き台の上には裸電球が吊してあるのですが、これがまた凄い。
「すいません、記念に写しても良いですか?」
許可を得て、しっかりと記念に撮っておきました。
どうですこの風貌。
大将がおっしゃるには、電球は普通のじゃ駄目なんだそうです。
こんな過酷な状態ではすぐに駄目になってしまうという。
なんとこの電球は2年ほどは保つそうです。
さて、ビールも空きましたので、そろそろおいとますることにしましょう。
「お会計お願いします」
「1890円です」
2千円を出してお釣りを受け取り、店を後にすることにします。
つかの間の休息を終えて、足を踏み出すと、そこには新宿の雑踏が待っていました。
2008.03.24 Monday
カブト@新宿
カブト@新宿思い出横丁
新宿東口から西口に抜ける狭い地下道がある。
ここを通るたびに、よくもまあ大都会の真ん中にこんなうら寂しい場所があるものだと、感心してしまう。
幸いにして人通りが多いから安心だが、これが深夜であたりに誰もいないとすると、通るのにだいぶはばかられることだろう。
その狭いガード下をくぐり抜けて西口に至ると、そこには狭い店舗がずらりと並んでいる。
その一角が「思い出横丁」と呼ばれる名所になっている。
終戦直後、食糧難の時代である。
人々は少ない物資を求めて、闇市が開かれそこに多くの露天商が集まった。
その草分けがこの新宿西口であるという。
この横丁には様々なお店があり、当時から延々と続くお店も多いという。
今日はその中の1店、うなぎ専門店の「カブト」を訪問することにします。
このお店の創業は昭和23年、屋台からの出発で、闇市の時代から延々とその味を守り通している老舗なのです。
新宿駅を出ますが、今日はうっかりと南口方面へ出てしまいました。
あわてて遠回りをしながら、お目当ての「思い出横丁」へと向かいます。
さすがにこの店の場所を間違えることはありません。
以前から何回も前を通り過ぎていますし、入る機会をうかがっていたのですから。
思い出横丁の真ん中あたりにあるこのお店は、オープンで囲いもなく、通りからは丸見えです。
したがって入りやすいのですが、通りすがりに覗くと、いつも満員です。
ところで今の時間は午後2時半。
そう、このお店の開店は午後2時、閉店は9時という潔い営業時間なのですね。
うなぎの焼き台を囲んで、コの字形に10席ほどのカウンターが囲むだけの、それは小さなお店です。
お店をみるとちょうど7割ほどの入りで、左手の角に空き席が認められました。
これ幸いとそちらに滑り込みます。
正面左手の焼き台に立って、ひっきりなしに串刺しのうなぎを焼いているのが、大将ですね。
白い調理着に眼鏡を掛けた白髪で、根っからの江戸っ子といった風情です。
同じ服装でもう一方は、飲み物やお会計を担当しているようです。
左手の隅の席には、30代の男性一人客が、ショーチューを飲んでいます。
右手にいる数人は、みな常連さんらしく落ちついた雰囲気で飲みかつ食べています。
イスはよくある頑丈なありきたりの赤い丸イス。
こういうところは消耗が激しいので、高級品を使うことはありません。
見栄えは悪くても丈夫で長持ち、いつも清潔が下町の常識です。
壁にはお品書きがあって
えり焼(2本)260円
ひれ焼(2本)260円
きも焼(1本)240円
蒲焼(1本)260円
れば(1本)240円
但し「れば」だけは単独の注文はできず、「ひととおり」という頼み方でのみセットにしてくれます。
居酒屋の心得として、お店の方から聞かれるまでは、のんびりしています。
初めて入ったお店で、いきなり
「生ビールに焼き鳥見つくろって」
なんて言って
「うちは瓶ビールしか置いてないし、焼きトンだよ!」
こんなん返されたら、もう居づらくてかないませんからね。
まずはお店の雰囲気に溶け込むことが大切です。
お店には必ず常連さんがいます。
まずはご主人と常連さんたちの空気を乱さないこと、これが一番ですね。
良さそうで良くないのは
「大将、このお店で一番美味いのはなに?」
と聞くお客さん。
よほど図々しい店主でない限り、自分から「美味い」とは言いません。
もし言ったとしたら、売り上げだけを大切にする商売人で、料理人ではありません。
食べた後も、大袈裟に
「いやあ、これ本当に美味いねえ。こんな美味いうなぎ初めて食べました」
などと見え透いたお世辞を使うのは落第。
人間本当に美味しかった時は、声が出せないものです。
「お飲物は?」
「ビール(大630円)でお願いします」
良く冷やされた瓶ビールと、お通しで小皿に載せたキャベツ漬け(無料)が出てきます。
醤油が軽く掛けれれたキャベツには爪楊枝が1本、これでいただくんですね。
ビールをグラスに注ぎ、一息つきます。
このコップには「思い出横丁」とプリントされているのが面白いですね。
続く
2008.03.22 Saturday
伊勢@神田
伊勢@神田
またまたの東京遠征ですが、今回は予定を大きく変更することになってしまいました。
お昼のラーメンは、谷中の「一寸亭」を目指し、山手線日暮里の駅で降ります。
そこから坂道をのんびりと行きますと、行き交う人々は圧倒的に老人率が高いです。
この街は老人の街なんでしょうか。
道路のあちこちにはスケッチをしている人がいます。
通路に座り込んで、一生懸命に筆を動かしている。
たまたま何かの行事だったんでしょうか、不思議なものですね。
坂道を通り抜けて、目指す「一寸亭」に辿り着きましたが、なんと休業中です。
後で調べてみますとなんと「火曜定休」としっかり書いてあるじゃないですか。
いつもながらリサーチのいいかげんさが裏目に出ました。
がっくりと肩を下ろして、今来た道をとぼとぼと帰ります。
仕方なく次のお店を考えなくてはいけませんが、そこで迷いました。
しかし、次の瞬間に天啓がひらめいたのですね。
親子丼つながりで、「伊勢」に行こう。
そう、先週「日本一親子丼」をいただいたばかりなので、今回も親子丼で対決だ。
さっそく山手線で、神田まで行きます。
駅を出るとすぐ前に「伊勢」があります。
入り口は二カ所ありますが、裏手から入って行きます。
「いらっしゃい、お一人」
「はい」
「じゃ、お二階へお願いします」
「並か大盛りかだけ、お願いします」
「並(780円)で」
ちょうど前のお客で下が満席になったようで、二階に回されました。
狭い階段を上って二階席に行きます。
ここは4人掛けのテーブル席で、ほぼ満員です。
その中で、運良く空いた手前の席に座ります。
係の女性が
「100円でお吸い物が付きますが、いかがですか」
「要りません」
お吸い物をたのんでいる人はほとんどいないようでした。
それにしても凄い活気ですね。
一人客はみな相席です。
テーブルが狭いんで、見知らぬ人と4人で相席になったりすると、気を遣うだろうなあ。
幸いに私の席は二人で、なんとか食べられそうです。
「おまちどうさま」
黒塗りの丼が出てきました。
傍らにはプラスティックのスプーンが置いてありますが、もちろん使わずに箸で食べます。
まずはふたを取って、薬研堀を多めに振り掛けます。
お箸でかき込むと、これは半熟どころか、生そのもので、全体では半生ですね。
熱めにした「玉子掛けご飯、鶏肉入り」みたいなものです。
この「伊勢」の親子丼も、鶏肉と玉子だけで、玉葱などの野菜類は入っていません。
彩りにミツバが乗っています。
味付けはしっかりとした甘辛い味で、これは江戸前風味ですね。
口直しに漬物をつまみますが、この味もしょっぱめで、合いの手にはもってこいです。
「はやし」と比較すると、私はこういうしっかりした味付けが好みですね。
「ごちそうさま」
お会計は、伝票を持って1階で行います。
代金を係の男性に渡すと、サービス券をくれました。
ここのサービス券は、次回に渡すと「大盛り(100円)」か「お吸い物(100円)」がサービスになる物でした。
サラリーマンにはこちらの方が使いやすいサービスでしょうね。
2008.03.21 Friday
ガーゴイルの誓い
ガーゴイルの誓い
ピアズ・アンソニー著
おなじみ「魔法の国ザンス」シリーズ最新作の第18話です。
といっても、関心のない方には、ちんぷんかんぷんでしょうね。
これは「ハヤカワ文庫」の人気ファンタジーシリーズで、ロングセラーになっています。
ファンタジーですから、ドラゴンや巨人を初めとする不思議な生物がこれでもかと出てきます。
さて、そのあらすじはといいますと。
ガーゴイルのゲイリーは、マンダニアからザンスに流れ込んでいる川の水を浄化するのが仕事。
最近川の汚染がひどく、よき魔法使いハンフリーを訪ねることにした。
魔法使いの答えは「魔法のフィルターを捜せ」とのこと。
多数の魔法の持ち主でありながら、その力をコントロール出来ない6歳の少女サプライズ、魔女アイリス、女悪魔メトリアの半身メンティアらとともに、魔法のフィルターを求めて冒険の旅にでたのだが・・・・!?
550ページの分厚い本書ですが、当然のごとくあっさりと読み切ってしまいました。
いつもながらのアンソニー節というか、論理の展開が素晴らしいですね。
ただ一つ残念なのが、「ダジャレ」
実は英語のダジャレが、物語のメインなんですね。
訳者は上手く訳してくれているのだが、さすがに原文のままというわけにはいかない。
こんなところで侘びしい英語力が悔やまれます。
興味のある方はぜひ、第1作の「カメレオンの呪文」を読んでみてください。
2008.03.20 Thursday
ちょっと@南町
ちょっと@南町
静岡駅を駅南方面に出て、本日のランチは久しぶりに清見そば、そう思って歩いていると「ラーメン」の文字が目に入った。
廃物利用の手作りらしい看板にはひらがなで「ちょっと」と書いてある。
ラーメン400円、ギョウザ500円という文字が興味を引いた。
こんなところにお店があったとは、今まで全く気が付かなかった、さっそく入ってみましょう。
中に入ってみますと、これは普通の居酒屋そのものですね。
入り口左側に厨房があって、それを囲むカウンター席が6席ほど。
右奥にはテーブル席が一つあって、正面にはテレビが付いている。
お客さんは年輩の女性が一人いて、このテーブルに座ってのんびりと待っていた。
ちょうど品物が出来上がったようで、若い女性がお盆に載せた料理を運んできた。
ちらっと見ると、ご飯にお味噌汁と漬物、おかずはおでんの盛り合わせですね。
メニューがないのでよく分からないが、「おでん定食」あたりなのでしょうか。
「ラーメンお願いします」
お店の中にはあちこちにメニューが張ってあるが、これは全て居酒屋メニュー。
お昼には特別のメニューがあるのかと探したがよく分からない。
常連さんは良いが、これでは新客は戸惑いそうですね。
営業時間には「8時から」と書いてあるので、どうも朝早くからやっているお店のようですね。
他に客はいないので、私のラーメンを作ってくれていると思うのだが、思いのほか時間が掛かる。
まだ、麺を茹でるお湯が準備されていなかったのだろうか。
座ってから5分ほどして、まずお茶が出てきた。
テレビを見ながらのんびりと出来上がりを待つ。
更に10分ほどでようやくラーメンが完成したようだ。
「おまちどうさま」
カウンターの正面から、トレイごと渡される。
お箸はプラスティックの茶色いもので、箸筒に入れてある。
珍しいエコロジー的な店ですね。
コショーが見当たらないので、そのままいただきます。
まずスープを一口いただくと、けっこう熱くて美味しい。
具にはメンマ、ワカメ、叉焼1枚に八分の一ほどの侘びしい煮玉子。
メンマにはラー油が付いているので、どうやら市販品を流用したものらしい。
チャーシューにはなにやら怪しい味がした。
麺は半透明の細縮れ麺で、これも市販品でしょうか。
奥から年輩の男性が出てきた。
これがおやじさんなんだろうか、のんびりと仕込みをしている。
その時、初めてお客さんが入ってきた。
おやじさんと同年代の老人で、どうやら常連客らしい。
あれこれと世間話をしたすえに、ご注文は
「焼き肉定食」
メニューがないので分からなかったが、こんなのもあったんだ。
どうやらサラリーマン相手ではなく、地元のお客さんを対象にしたお店のようですね。
「ごちそうさま」
ごく普通の醤油味だが、案外にスープは美味しかった。
「420円です」
あ、外税でしたか。
しかしこの値段で頑張っているのは大変でしょうねえ。
夜の部も一度行ってみたいもんですね。
2008.03.19 Wednesday
はやし@後編
さて、いよいよお待ちかねの「日本一親子丼」です。
丼に吟選されたご飯、そしてその上にたっぷりと具が盛りつけてあります。
中身は鶏肉と玉子だけ、鶏肉は小さめに切られています。
その中央には玉子の黄身だけが飾ってあり、上には海苔が散らされています。
なかなか綺麗な飾り付けですね。
この店では玉子を全部で3個使っているそうです。
しかし具は鶏肉だけで、玉葱やかまぼこ、ネギなどは一切入っていません。
そこが日本一の所以でしょうか。
炉端風のテーブルにはスプーンも用意されていて、それを使うかと聞かれましたが、当然お箸でワシワシとかき込みます。
この玉子がふわふわです。
かといって生ではないんですが、絶妙な固まりかげんですね。
さて、味付けはきわめて薄味で、上品です。
江戸前のしっかりした濃い味付けを想像していたんですが、拍子抜けしました。
日本一は上品でないといけないのかもしれませんが、下手好きの私には、お醤油が欲しくなります。
もちろん他人の目が恥ずかしいので、ぶっかけたりはしません。
続いて口直しにお新香をいただきます。
これは彩りが良く、細かく切ってあり食べやすいですが、これも薄味です。
アクセントになるように濃いめにして欲しいですね。
更に「鳥スープ」も生姜が利いていて、上品な薄味です。
やっぱりここは高級料理店のうち並ぶ赤坂、下品な静岡人の田舎者(私のことですね)には肩身が狭いです。
お客さんは後から後から、ひっきりなしに入ってきます。
注文からすぐに出てくるし、食べるのも早いので回転が素晴らしく良い。
商売としてはすこぶる良い条件ですね。
さて、お会計です。
「くじを引いてください」
小さな竹筒に竹串が入った、おみくじのようなくじを引きます。
筒を逆さにすると竹ひごが1本出てきて、何もなし。
ハズレでした。
相棒は「赤い印」が付いていて、「サービスチケット」をいただきました。
親子丼1杯でスタンプ一つ、5個で500円のキャッシュバックだそうです。
あと4回か。
嬉しいような嬉しくないような、複雑な気持ちでお店を後にしました。
2008.03.17 Monday
日本一親子丼@はやし
はやし@赤坂 「日本一親子丼」
そんなこと誰が決めたんだというツッコミもございましょうが、日本一親子丼です。
今日は珍しく「ラーメン」ではなく「親子丼」を食べに出かけました。
東京メトロ千代田線に乗って赤坂で下車します。
どうもこの地下鉄というヤツは、出口を選ぶのが難しい。
そのおかげで良く迷います。
今日はしっかりと駅員さんにお聞きして、2番口から地上に戻りました。
駅の真ん前には最近できたという高層ビル、ラバーネックになりますね。
駅からほんの数分で、目指すお店にたどり着きました。
お店の前には看板とのぼりが立っています。
そこには大きく「日本一 親子丼」と書かれていて、人目を引きます。
ここ「炭焼き料理 はやし」は炭火焼きの高級料理店です。
場所も赤坂という一等地ですから、ディナータイムはけっこうなお値段になります。
しかしそこは商売、お昼のランチタイムだけに「親子丼」を売り出したところ、大好評になりました。
始めたのはもう40年も前だといいますから、けっこうな老舗ですね。
小型のエレベーターに乗って、目指す4階に着きました。
入り口までの通路はけっこう狭いです。
ちょうど帰りのサラリーマンたちとすれ違いますが、お互いに避けあわないといけないぐらいでした。
この入り口もけっこう民芸調で、とても都会のビルの一角とは思えませんね。
中にはいるとほぼ満員の入りです。
どうもご主人らしい仕切りの女性が、席を指示します。
東京では良くあるパターンですが、座る席は完全に指定されます。
「普通、大盛り」
あ、ランチは「親子丼」だけなので、こんな聞き方なんですね。
「普通を二つ」
後で隣に座った女性のうちお一人は「少な目」と注文していましたが、こんなのもできるんですね。
すぐに、お漬物と鳥スープが出されます。
あれ、お茶はあるが、湯飲みがない。
「すいませんお湯呑みをお願いします」
「ああどうも失礼しました」
あわてて湯飲みを出してくれました。
お茶は自分で注いで飲む方式のようです。
この焙じ茶がぬるめで、静岡人としては多少不満が残ります。
お店の中は古風な田舎屋をモチーフにしていて、これは外人さんが喜びそうなデザインですね。
さて、いよいよ「日本一親子丼」が出てきました。
続く
2008.03.15 Saturday
謎の紋章
分かり難いかもしれませんが、この窓ガラスに付いた模様、なんだと思いますか?
それは先日の朝8時ごろのこと。
突然「ドスン」という物音がしました。
通りに面したガラス窓の辺りです。
慌ててそちらを見ると、なにやら白い物が見えた。
ガラス窓を見ると。
「な、なんじゃこりゃー」
白くくっきりと何者かの影が映っている。
どうやら間抜けなハトが、事務所のガラス窓に激突したようだ。
道路を見回したが、地面に何もないところを見ると、怪我は軽いようで、飛び去っていったのだろう。
それにしても、窓ガラスには見事にその跡が写っているので、記念に撮っておきました。
ガラスが割れなくて良かったが、間抜けなハトですねえ。
2008.03.13 Thursday
陳麻飯@昭和町
陳麻家@昭和町
全国チェーンのお店ですが、静岡には初めてのお目見えです。
オープンは2月16日で、場所は繁華街の真ん中の昭和町という人通りの多い通り沿いですね。
そこでさっそくランチタイムに尋ねてみました。
開店は午前11時とありますが、11時半ごろにお店に着きました。
混んでいるかなと思っていたら、いや、わりあいに空いていて安心しました。
お店の前に向かうと、手持ち無沙汰なのか女性の店員さんが、ドアを開けて迎えてくれました。
入り口からすぐ右手にテーブル席が集まっていますが、一番奥の二人掛け席へ案内されました。
先客は一人だけで、中年の男性が、辛そうに「陳麻飯」を食べていました。
この店の看板は二つで
「陳麻飯」(コレゾ熱烈発刊幸福食ナリ。) 580円
麻婆豆腐を掛けた皿盛りのご飯です。
「坦々麺」(真に大陸ノ強力味覚麺。) 680円
いわゆる汁あり坦々麺です。
それ以外では「普通の中華そば(650円)」もありますが、やはりこの看板をいただかなくてはね。
そこで、坦々麺にミニサイズの陳麻飯が付いた「坦々麺の満腹セット(880円)」をオーダーしました。
チラシに付いているサービス券で、100円引きになるそうです。
新規開店なので、お店の中は綺麗で、効能書きもあれこれ張ってあります。
お冷やは軽くレモンの味が付いていて、さっぱりしていますね。
テーブルには中国山椒などの調味料があれこれ置いてあって、これで辛さを調整するようです。
さて、お待たせ「坦々麺セット」が出てきました。
器に書かれているのは
「旨辛至福研究飯店」の文字。
まずは「坦々麺」のスープから行きますか。
レンゲですくって一口飲みますと、これは結構辛いです。
最近では坦々麺といってもそれほど辛くない物もあって、油断していました。
いやあ咽せるほどではないですが、けっこうな辛さですね。
スープはゴマの風味がしっかり利いていて、コクがあります。
麺は細麺のストレートで、お馴染みの具には、挽肉と青菜ですね。
ラー油もしっかりと掛かっていて、辛さは申し分ありません。
続いては「陳麻飯」に行きましょう。
これは白飯に特製の麻婆豆腐を掛けたものです。
小ぶりのご飯茶碗に盛られていて、スプーンが刺してあります。
さっそくその匙で一口いただきます。
これはかなり本格的な味というか、辛さがガツンと伝わってきます。
中国山椒の辛さですね、豆板醤にテンメンジャンも入っている(たぶんそんな感じの)複雑な味です。
まとめていえばとにかく辛い。
しかしただ辛いだけではなく後を引く辛さとでも申しましょうか、これはクセになる味ですね。
スープが欲しくなって、坦々麺のスープを飲みますが、こいつもまた辛い。
この相棒には普通のラーメンが良いようですね。
抜群の辛さで、味を調整する余裕もありませんでした。
辛いものが食べたくなった時にはここがお勧めですね。
しかし、この辛さは気に入りましたが、辛い物が苦手な方はちょっと大変ですね。
夜は居酒屋メニューもあるようなので、次はちょいと一杯やりに行きたいと思います。
いやあチェーン店と侮るべからず。
辛さに完敗でした。
2008.03.12 Wednesday
ばん@祐天寺 後編
ところで、一つ置いた右隣のお客さんが、けっこう回っています。
さっきからご主人に向かって同じ話をくどくどと繰り返している。
おみやげを買ってきたようで、ご主人にそれを渡して
「冷めると不味いから早く喰いなよ」
しきりに勧めますが、お仕事の最中には無理でしょうね。
どうも常連さんのようで、ご主人は手慣れているのか、上手く聞き流していらっしゃいます。
それにしてもまだ開店間もないはずなのにといぶかっていましたが、話を聞いているうちに分かってきました。
この常連さん、何と開店の30分も前から飲んでいるそうなんです。
午後4時の開店でもまだ早いのに、それから更に30分前ですから、凄いものですね。
他にも開店前に入ってしまう客がいるらしく、それだけ地元の人に親しまれているということでしょうか。
このお客さんは4時半ごろに上機嫌で帰ってゆきました。
次々と入ってくるお客さんは、誰も皆顔なじみの様子で、ご主人に挨拶しながら席に着きます。
してみるとただ一人のよそ者がこの私ということになりますか。
厨房の中は、ご主人と調理担当の男性、料理の配膳は若いバイトの女性3人がこなしています。
会話に中国語がはずむのはどうも中国からの留学生でしょうか。
でも、仕事とお客への応接はしっかりとしています。
キビキビとしていて、何となく気持ちが良いですね。
チェーン店の居酒屋で見る、やる気のないバイトくんとは一味違う雰囲気です。
さて、サワーのお代わりをしましょう。
ジョッキを差し出すと、ショーチューに追加の氷を入れてくれます。
そしてお馴染みのハイサワーも1本添えてくれました。
残った半分のレモンを搾って、ハイサワーを満たします。
追加のつまみは、気になっていた「とんび(180円)」です。
「このトンビって、どんなものですか?」
ご主人に聞いてみますと
「これは豚のシッポ」
なるほど豚の尾でトンビか。
本当はこれと豆腐を煮込んだ「トンビ豆腐」が食べたかったんですが、お腹もそろそろ一杯なので、これで済ませましょうか。
「取りあえず、トンビだけでお願いします」
たぶん常連さんは皆「トンビ豆腐」を注文するんでしょう。
周囲の冷ややかな視線が痛いほどに感じられます。
すぐに出てきましたトンビは、まさにシッポ。
良く煮込まれていて、ほろほろと崩れてゆきます。
しかし食べられるところは少ないです。
なるほどこれは汁を味わうものだから、豆腐がベストマッチングなんですね。
壁には様々なメニューがここ狭しと張り出されています。
このお店は本当にメニューが多くて、しかも安いです。
看板のもつ焼きは1本100円で、「オッパイ」なんていうヤツも書いてあります。
残念ながら本日はこの辺でおいとましますが、次はあれこれと食べてみたいですね。
「お勘定お願いします」
本日の合計金額は1130円なり。
明朗会計で、酒は旨いしつまみも良い、まさに大衆居酒屋の王道を行く名店ですね。
2008.03.11 Tuesday
ばん@祐天寺 前編
ばん@祐天寺
「あばらや別館」を後にして、渋谷の駅へと向かいます。
ここから東急で祐天寺に行く予定なのですが、渋谷の駅前には懐かしい緑の車両が置いてありました。
学生時代に良く乗った「目蒲線」の電車がこのタイプでした。
今では「目蒲線」はなく、「目黒線」なんですね。
そう言えば「田園都市線」も昔とは違ってしまったようです。
東急東横線は昔ながらの駅で、懐かしくもあります。
祐天寺の駅で下車すると、地図を頼りに目指す居酒屋「ばん」に向かいます。
ものの5分ほどで無事辿り着きました。
ただいまの時刻は午後4時を少し回ったぐらいですが、もうお店はフル稼働しています。
入り口が二つ並んでいたので、手前側から入りますが、あれ、誰もいない。
どうもこちらはグループ客用らしいです。
お店の奥をぐるっと回って、反対側にあるカウンター席に行きます。
6席ほどのカウンターにはすでに3人の先客が座っています。
他にも奥のテーブルには年輩の女性グループが談笑中でした。
確か情報では「4時開店」のはずが、さすがは人気店ですね。
カウンターの真ん中ほどに席を取って、まずは名物を注文しましょう。
「サワー(250円)と煮込み(300円)お願いします」
この店は「サワー発祥の店」として有名なんですね。
創業は昭和32年、当時のお店は中目黒にありました。
長らく地元に親しまれていたのですが、街の再開発により閉店。
紆余曲折あって、先代の弟さんが再開したお店です。
さて、昭和の30年代には、焼酎を炭酸で割ったものを「炭チュー」などと呼んでいたそうです。
先代のご店主は「ジンサワー」にヒントを得て、「酎サワー」から「サワー」と呼ぶ事にした。
そして、生レモンを絞ってそれに入れるアイデアを思いついたところ、大評判を得たのです。
何故かこの店でだけ、炭酸が飛ぶように売れる。
それをいぶかった炭酸製造会社の社長がお店を訪れて、生レモンの秘密を知る。
そしてそのアドバイスを受けて「ハイサワー」という専用の割りモノ飲料を開発してしまったというのです。
この「ハイサワー」は現在もこの店で使われていて、さっそく出てきました。
中ジョッキに氷とショーチューが入ったものに、この「ハイサワー」が1本。
そしてレモンを半分に切り目を入れたものと、ステンレスの絞り器が付いています。
さすがに1個丸丸では多いので、半分絞って果汁をジョッキに入れます。
そこに「ハイサワー」を注ぐとちょうどジョッキ一杯になりました。
「ハイサワー」は200ミリリットルで、ちょうどよろしい量なんですね。
まずは駆け付けの一口をいただきますが、すっきりとした飲み口で、これは進みますね。
突き出しは小皿に盛った「糠漬け(250円)」で、人参大根胡瓜の3色が色鮮やかです。
これはあらかじめ盛りつけてあり、お客さんが座るとすぐに出されるようです。
この糠漬けがいいです。
カウンターの前にも、糠の着いたままで置いてあるので、間違いなく自家製なんですね。
漬かり具合が素晴らしい。
居酒屋でこんな旨い糠漬けを頂いたのは初めてじゃないかなあ。
これだけで軽く「サワー」2杯はいけます。
でも、そういうわけにも行かないので、煮込みを突っつくことにしましょう。
この煮込みもまた良い出来ですね。
あばらやとは違って、正統派の居酒屋煮込みです。
豚のモツにコンニャクや小口切りの人参などが入っている、お馴染みのスタイルですね。
2008.03.10 Monday
使わないペンは腐る
使わないペンは腐る
ある懸賞でプレゼントに頂いたボールペンがあった。
なかなか洒落たデザインなので、勿体なくて使わずにいたまま。
数年後、机の引き出しを整理していてこれが出てきた。
ちょうどボールペンが換え時になっていてさっそく降ろしてみた。
ところが。
かすれていて書けない。
どうやらインクが固まってしまったようなのだ。
何度か試し書きを繰り返して、インクが出てくるようになった。
しかし何日かするとまたかすれてきて、今度はもう全く書けなくなった。
こんな事なら惜しまないで、すぐに使ってしまえば良かったのにと反省しきり。
いくら立派なペンでも、使わなければ意味がない。
ペンは飾るための物ではなく、記述するための道具。
書くことのできないペンはもはやペンではない。
たとえそれが素晴らしいペンであると、どんなに主張しようとも。
気短な書き手は、あっさりとそのペンを捨ててしまうだろう。
ペンが捨てられてしまったのは
腐ってしまったペンに罪があるのか
それを腐らせた私に罪があるのか
それとも
2008.03.08 Saturday
あばらや別館 後編
「すいません前金制になっています」
「あ、申し訳ありませんでした」
慌てて財布からお金を取り出します。
そう言えば立ち飲みのお店は前金制が多いんですね。
イスがないから、後払いだと分からなくなってしまうんです。
お客とのトラブルも避けたいし、自然とこういうシステムになったんでしょうね。
こちらがあまりにも堂々としているので、御殿主もいつお金を出してくれるのか待っていてくれたに違いない。
「ついでに煮込み(300円)もお願いします」
千円札を追加して渡すと、傍らの小ざるにお釣りの700円を返してくれました。
煮込みは作り置きを鍋に入れて暖めてくれます。
器に盛りつけて、ネギをあしらい、完成です。
「煮込みです」
おおこれはさすがに「名物」と特記してあるぐらいですからボリュームもあります。
中身のモツが、何種類か入っていて面白いですね。
どれも良く煮込まれていて、これぞ煮込みという感じですね。
今時の感じは、野菜が多く入っていることかな。
大根人参に皮付きのゴボウ、ネギも入ってバラエティーに富んでいます。
モツは内臓系が多く、このどちらかというと甘めの味付けが秀逸ですね。
薬味にコショウが掛けれれていて、これは珍しいですが良く合っています。
量もご飯茶碗に丸々1杯分ぐらいはあり、「レバ刺し」と比べてお得感は天地の差です。
間違いなくこの煮込みは旨いです。
感動したので、思わず
「お兄さん、この煮込みあんたが作ってるの」
「ええ、そうですけど」
「いやあ、旨いねえ」
「ありがとうございます、またご贔屓に」
立ち飲みやさんでお店の人と会話したのは久しぶりのように思います。
でも、30分ほどしましたが、他にお客さんは入ってきません。
まだ明るい入り口をぼんやり見ていると、犬を連れた散歩の老人や、会社帰りのサラリーマンたちが通り過ぎてゆきます。
けっこう自転車が多いようですね。
渋谷という繁華街も、少し外れるとこんな町並みを見せてくれるんですね。
欲を言えば若者たちに混じって呑みたかったんですが、それは次回のお楽しみとしましょうか。
「ごちそうさま」
そっとグラスを置いてお店を後にします。
立ち飲みはこの、帰る時が簡単でよろしい。
時間はまだ4時にもならない時分です。
さあ次のお店だ。
2008.03.07 Friday
あばらや別館@渋谷 前編
あばらや別館@渋谷
さて、渋谷に辿り着きました。
本日最初のお店は、ここ渋谷でも若者向けに作られたという「立ち飲み」のお店です。
「別館」と名乗ってはおりますが、別に本館があるというわけではなく、、この辺りが若者感覚でしょうか。
まだ明るいのですが、このお店の開店は何と午後3時。
これはまさに一軒目として申し分のない時間帯ですね。
渋谷の駅から道玄坂を上って行き、センター街の辺りに着きます。
東急の本店を越えた辺りで右側の細い路地に入り、しばらく進んだ宇田川町です。
お店に着いたのはまだ3時に5分ほどある時間でした。
開店までまだ時間があるので辺りをぶらつこうかと思ってお店を見ますと、おや赤ちょうちんに灯が点った。
これは幸いとさっそくお店に入ります。
「いいですか?」
「はいどうぞ」
けっこう広い店で、カウンターがずらっと伸びているが立ち飲みなので当然イスはない。
当然お客は私一人きりで、カウンターのど真ん中に席を取ります。
黒い帽子をかぶった若いご主人は仕込みに余念がないようです。
メニューには「生肉500円」「内臓盛り合わせ800円」などもありますが
「黒ホッピー(300円)にレバ刺し(500円)下さい」
本日のスタートはやっぱりホッピーですね。
ここは黒ホッピーしか置いてないようです。
ショーチューが多いので、ホッピーがあまり入りません。
これはこれで嬉しいなあ。
お店の飾り付けはいかにも若者らしいというか、渋谷らしい感じです。
とても私のような中年のオヤジが入るお店とは思えませんが、まあ一人だけですしね。
壁に備え付けのテレビを見ながら、ホッピーをグイグイといきます。
「レバ刺しです」
牛レバーにゴマ油と生姜が添えられて葱が掛かって、これは塩味ですね。
全部掻き混ぜていただきます。
美味しいですが、欲を言えばもう少し量が欲しいですね。
10分ほどでホッピーが空きました。
メニューには「ザ・日本酒 オール500円」というのもあります。
「中(200円)お代わりお願いします」
それを受けて、御店主が言いにくそうに
「すいません前金制になっています」
後編に続く
2008.03.06 Thursday
九段斑鳩@九段下
九段斑鳩@九段下
さて本日のお店は、九段下にある有名店「九段斑鳩」です。
まずは東京駅で中央線に乗り換え、「水道橋」で降ります。
本当は地下鉄で行くのが早いんですが、地図で見ると大した距離ではないもようなので、歩いて向かいます。
しかしまたやってしまいました。
だいたい地図が読めない旅人なのだから、分かりやすい道のりを選んでゆけばよいのに。
いつものクセで、「近道」らしいモノがあるとついもぐり込んでしまうんですね。
結局、それらしき辺りを無駄に一回りしてしまいました。
そして目指すお店を見つけたのは、何と一番最初に通った辺りです。
アテにした地図の略図も、少し違っていたようです。
そんなわけでお店の前に着いたのは、ちょうど正午です。
行列は20人ほどで、その最後尾に着きます。
さすがは有名店ですね。
並んでいるのは高校生のグループや年輩の男性、男女のカップルにサラリーマン風などさまざまです。
通行人の邪魔にならないように、通路を空けてきちんと並んで待っています。
この行列の手配をするのが、黒服の店員で、さすがに慣れたものです。
入り口の引き戸を開けて
「お二人連れの方どうぞ」
「一番奥のカウンターでお願いします」
などと案内をしていきます。
さらには並んだ人から食券を受け取り事前に注文を確認していく。
ここでは並んでいる間に食券を買うシステムのようです。
入り口左手に自動券売機があって、行列の途中で一人ずつこれを買いに行くのですね。
私の前の妖しげな雰囲気の二人連れサラリーマンも、券を買いに入って行きました。
入れ替わりにこちらもお店に入り、「特製ラーメン(880円)」のチケットを買います。
それを店員に渡してまたしばらく待ちますと、初めから30分ほどでようやく入店に漕ぎ着けました。
お店はカウンターと、4人掛けのボックス席が3組ほどです。
相席の方もありますが、無理に詰めているわけではないようで、余裕があります。
私はカウンター一番奥の席に通されました。
ちょうど目の前に調理人の姿が見え、なかなか良いポジションですね。
このお一人で黙々と仕事をされている方が、ご主人の坂井さんですね。
丼にタレを入れてはスープを張り、湯切りした麺をトングで捌き入れてゆく。
チャーシューを手切りしてはのせ、煮玉子も自分で切って丼に入れます。
それがまた流れるような手捌きで、いやあお見事ですね。
さらには笑顔で仕事をしているんですね。
それはそれは実に楽しそうです。
見ているこちらまで楽しくなってしまいそうな笑顔がまた素敵ですね。
がんこオヤジがキビキビと仕切っていて、ピリピリした緊張感のあるお店もありますが、この店はほんわかとした雰囲気があります。
スープを入れた寸胴から、プラスティックのビーカーに液を取り、それを別のストックに入れています。
煮詰まらないように、お客に出す直前に温めるんでしょうか。
店員は、厨房には店主を含めて5人、客席に2人ですからけっこう多いです。
しかし実際に作るのはご主人一人ですから、大変なお仕事ですね。
「特製ラーメンです」
時間も掛からずにラーメンが出てきました。
この「特製」というのは、チャーシューが多くなって、煮玉子も付き、メンマも多いんだそうです。
スープはどろっとした乳白色で、かなりの濃さですね。
豚骨と魚介系の旨味が凝縮されたスープです。
麺は太麺の縮れ麺で、適度の歯応えです。
チャーシューは柔らかくて箸で摘むとほろほろと崩れてゆきます。
メンマは歯応えがよく、良い箸休めになりますね。
色鮮やかな「煮玉子」が思いのほか美味しかったです。
半熟ですが、しっかりとした味付けがなされていて、良いできですね。
お約束のノリも脂っこさを中和して良いものです。
あっけなく完食してしまいましたが、我ながら早すぎたかな。
似た感じの「青葉」とは一味違う、洗練された感覚の一杯でした。
「ごちそうさま」
お店を後にすると、行列はまだ同じぐらいが並んでいました。
2008.03.05 Wednesday
アメ横にて
とりあえず、東京から無事帰還いたしました。
さっそくレポを書こうかと思っているのですが、諸般事情により遅れます。
何せ色々とありましたので、前後しますが、ラーメンを食べた後での出来事です。
お昼のラーメンをいただいて、次に向かった場所は上野「アメ横」です。
いつもながら賑やかな通りに、聞き馴染みのあるだみ声がこだましています。
なんかここに来ると落ちついてしまうのは、私だけですかね。
すると、人だかりを発見しました。
テレビカメラを従えた赤いハッピの3人組は、「エドはるみ」を真ん中に「ガレッジセール」の川チャンに、ゴリさん。
ん、こう書くとまるで別の人物のようです。
(こちらが本家だという声あり)
何かのテレビ番組でしょうか。
お店を覗いては、あれこれと掛け合いをしています。
どうもアポなしで、突撃の取材のようですが、相手の方も慣れたもので、けっこう会話が面白い。
周りのディレクターが、一生懸命
「写真はご遠慮下さい」
と、怒鳴りまくっていますが、ナイショで1枚だけ記念に取ってきました。
間近で有名人に会えるのも、東京らしいですか。
さて、本日のお目当てはこれ。
「秋ウコン」です。
酒飲みには欠かせないもの。
肝臓を大切にしなくちゃね。
今日は2軒回る予定ですので、体調管理もしていかないと。
で、本日はここまでです。
さて明日は、某県立大学で一日講義がありますので、またまたお休みいたします。
2008.03.03 Monday
圓楽 芸談 しゃれ噺
圓楽 芸談 しゃれ噺
三遊亭圓楽 著
ご存じ圓楽師匠が、自身の一代記をあれこれと語ってくれます。
落語界の歴史も、いろいろと懐かしく思い出されます。
その中で印象に残ったエピソードを一つ。
但し落語の話でないのが、少し残念ですが。
かのウィンストン・チャーチルが、結婚30周年のパーティーで披露したスピーチです。
こういうパーティーですから、参加者が口々にチャーチル夫人を褒めそやします。
「チャーチルみたいなわがまま者と30年も連れ添うなんて、奥さんはよほど忍耐強い」
「本当にえらいもんだ」
来賓の祝辞で、場は大喝采。
ところが、最後に挨拶に立ったチャーチルが、例によって葉巻をふかしながら、
「皆さんが家内を絶賛して下さったおかげで、ご覧下さい、彼女はご満悦の体です」
「しかしながら、私に言わせますと、家内には二つの大きな欠点があるんです」
ここで場内がシーンとなった。
「一つは、30年前に私がプロポーズしたときに、即座にイエスといった軽率さ」
「二つ目は、その後30年間、こんな私に黙ってついてきた愚かさです」
万丈の大拍手です。
さすがに千両役者は違いますね。
皆さんもこのセリフを覚えて置いて、結婚30年になったら、さりげなく言ってみませんか?
追記 明日は東京へ遊びに行ってきます。
そんなわけで今週は更新が遅れますのでよろしく。
2008.03.01 Saturday
にぎりの徳兵衛
にぎりの徳兵衛@緑が丘店
久しぶりに家族でお食事というわけで、こちらの回転寿司へと出かけました。
しかし「回転寿司」とはいえ、かなり高級なお店ではあります。
インター通りを下って行き、目指す「にぎりの徳兵衛」に到着したのは午後8時です。
混んでいるかと思ってはいましたが、半分ほどの入りで、ゆったりとテーブル席に案内されました。
この店はけっこう広くてゆったりとした造りになっています。
寿司の回っているレーンは2グループあって、中央には職人さんがスタンバイしています。
どうも「寿司ロボット」ではなく、手で握った寿司のようですね。
4人掛け、いや6人掛けのテーブルの横側が回転寿司のレーンになっていて、色とりどりのお寿司が回っています。
さっそく「生ビール」を2杯注文しますが、ビールと共にお皿を2枚持ってきました。
このときは全く意味が分からず、「取り皿」のつもりでいたのですが、最後に理由が分かりました。
この店のお会計は全て「お皿」で行うんです。
生ビールなどの「お皿」が必要のないものにも、その値段に対応するお皿を付けてお出しするというシステムなんですね。
どおりで、こちらは4人いるのに取り皿が2枚しかないはずです。
このお店のお寿司は、一番安いものが税込み126円。
次が157円ですから、(けっこう安いかな)と思っていると大間違い。
パルシェの「魚河岸寿司」と一緒で、実は高値のものが多いのです。
ラインを回っているお寿司をよく観察しますと、メインは315円から399円のものが多く、最高値の609円は「本マグロ大とろ」に「生ずわい蟹」です。
「お好みのものをご注文して下さい」
とは言われたものの、回っているのが高級品ばかりなので、注文は安い物のみになってしまいます。
「かんぴょう巻きに、ゲソ下さい」
なんて大声で注文するのは、なんか貧乏くさいものなあ。
この辺りはお店の戦略なんでしょうが、それにぴったりとはまってしまいます。
この流れている「高級寿司軍団」がまた美味しそうなんですよねえ。
憎らしいことに、高級品はみな「ゲタ」を履いています。
こんなの必要ないしかえって邪魔なのに、みんなが皆小さな木のゲタを履いてお皿に乗っています。
食べ終わった時に邪魔になってしようがない。
それをまた店員がやってきていちいち片付けるわけです。
あれ珍しい物がある。
「白子天ぷら」3人前を注文します。
揚げ立てが出されて、塩でいただきますが、いやはや美味しいですね。
お酒は熱燗に換えて、チビチビと行きますが、あれ「磯自慢」が置いてあるじゃないですか。
次はこいつをいただきましょう。
この店はつまみ系統もけっこう充実していて、「カレイの唐揚げ」は小ぶりな物が2枚からっと揚がっていました。
ついでに「刺身の盛り合わせ」をたのみますと、これにも会計用のお皿が2枚付いていました。
たぶんその中の1枚が千円で、もう一つが残りの金額でしょうか。
注文した「磯自慢」が冷やされた状態で出てきます。
枡に小さめのグラスを入れて、そこにお酒を一升瓶から溢れさせて注ぎます。
このわざわざ溢れさせるところが憎いんですね。
グラスが8勺ほどですから溢れた分と合わせて、1合なんですが何故か得した気分になってしまう。
これを考えた人は飲んべえの心理をよく知っていますね。
程良く冷えた「磯自慢」は流れるように喉を通り抜けてゆきます。
いつもはぬる燗でいただくのですが、「冷やし」というのもまたありかな。
「ウニ2皿お願いします」
「すいません売り切れました」
こんな店でも売り切れがあるんですね。
段々にお客さんが少なくなってきて、こちらのレーンは私たち家族だけです。
いつの間にか回っている寿司の片付けを始めています。
汁物もあるのでシメに「ぶりとわかめのお吸い物(252円)」もいただきました。
何故か看板の「わかめ」が入っていないんですが、入れ忘れか聞くのはじっと我慢です。
磯自慢もお代わりして、そろそろ満腹です。
もうお会計にしようかと思っていると、店員さんが
「ウニ入りましたがどうしましょう」
今更要らないとは言えず
「お願いします」
最後のシメはウニで、ついでに鉄火巻きも行きますか。
満腹になってお会計をたのむと、店員さんがセンサーのような物を持ってきて、積み上げたお皿にピピッと当ててゆきます。
それでお終い。
メモリーカードのような物をテーブルに置いて、チェック完了です。
帰りにレジでこのカードを出すと明細が出てくる。
なるほどお皿の種類が多いので、人間が数えていては時間が掛かるしトラブルも出てくる。
それを全部機械化してしまったというわけですね。
さすが上手く出来ています。
お値段はさすがに張りますが、たまにはいいか。
「回転寿司」といっても色々な形態があるものですね。
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