2007.11.29 Thursday
ヌキで一杯 後編
さて、「岩井屋」さんに入り、テーブル席に座ります。
メニューを見ますと、そこに「酒のつまみ」は載っていません。
「ヌキ」の出てくる前に、少し繋いでおこうという目論見は、あっけなく破綻しました。
しかし悲観することはない。
ちゃんと「お通し(100円)」を出してくれるのです。
まずは珍しい「緑のエビス(500円)」で口開けをします。
この瓶ビールも、なかなか見かけませんが、コクがあって旨いビールですね。
お通しはゲソの入った練り製品の煮物で、量も充分です。
これが100円で出てくるとは、立ち飲み居酒屋並みの安さですなあ。
どことは申しませんが、ほんの侘びしいゴボウサラダが小鉢で出て「お通し代500円」が付いていた時は怒り狂いましたね。
居酒屋が「口取り」でかせいでどうするんだ、まっとうな商売しろ。
(すいません、つい興奮してしまいました)
さて、「天南のヌキ」を頼んでみます。
本来は「天ぷら蕎麦」のヌキで行こうかとも思っていたのですが、葱が欲しくなりました。
そしてそして、気になっていた「日本酒1合瓶」を2種類、ぬる燗でいただきます。
ちょうどお客さんの区切りがついたようで、奥の座敷が空き、そこに移動します。
「おまちどうさま」
いやいや、出てきました、これが「天南のヌキ(450円)」です。
丼につゆ、そして海老天が1本と、それを囲む葱。
実に潔いその姿じゃないですか。
期待の日本酒「1合瓶(400円)」もペアでやって来ました。
うーん、ラリルの次、いやレトロですねえ。
「ヌキ」に七味を振り掛け、薬味の葱もドサッと入れてしまいます。
まずは日本酒を注いで乾杯。
のどを潤しておいてから、汁をぐびりと飲みます。
結構濃いめのしっかりとしたつゆです。
お酒をまた一口飲んで、今度は海老天を囓ります。
つゆが浸みた揚げ立ての海老天もまた良いつまみになりますねえ。
海老が小さく見えますが、気を利かせて衣を少なくしてくださったとか。
でも、普通の衣が多い揚げかたの方が、つまみとしては良いかもしれません。
お酒を入れてからまた汁を飲みますと、これがまた違った味わいで、たまりません。
ホント、この汁だけで他には何も要らないぐらいですね。
嬉しいことにサービスで「お通し」の2品目が出てきました。
では日本酒も別銘柄の2本を追加しましょうか。
このラベルもまた味わい深い物があります。
この日は頼みませんでしたが、味が濃いと思ったら「そば湯」を頼んでそれで汁を割って飲んでもまた、良いものです
この「液体のおつまみ」実に滑らかです。
こんなことならもう少し早くお頼みすればよかった。
追加のお酒もあっさりと空になり、もう2本いきましょうか。
しかしこんな瓶が6本も並ぶと壮観ですねえ。
ちなみにお味の方はどうかというと、恥ずかしながらさっぱり分かりませんでした。
まあ、お酒の勉強についてはまだまだ未熟者だということですね。
相棒が影で手を回してくれたようで、またつまみが到着しました。
(これは特別のサービスで、通常は出てきませんので、ご了承下さい)
揚げ出し豆腐に乗せた「揚げ素麺」がしゃれています。
フライの盛り合わせはボリュームがあって良いですね。
結局日本酒6本を空にして、と言うともの凄い量だと思われますが、6合なんですね、本日はこれまでとしました。
ホントはシメに「もり蕎麦」をいただきたかったんですが、お腹一杯です。
相棒は特注の「ラーメン、ワカメ入り」を食べています。
このラーメンもおいしそうですねえ。
(これはメニューにありませんので、御注意下さい)
静岡市で唯一「ヌキ」の頼めるお蕎麦やさん(だと思う)岩井屋さん。
これを機会に、メニューにはありませんが、お頼みできるということになりました。
日本酒好きな人、通人を気取りたい人はぜひご相伴下さい。
2007.11.28 Wednesday
「ヌキ」で一杯
「ヌキ」で一杯
突然ですが、「ヌキ」ってなんだか知っていますか?
ヒントはお蕎麦やさんだけにあるものです。
この「ヌキ」というヤツは酒飲みの間では、伝説のつまみとも言われている一品です。
まあ、あまり引っぱっても意味がないので、答えを言います。
「ヌキ」にも色々あるのですが、一番は「天ぬき」です。
これは「天ぷら蕎麦」から「蕎麦を抜いた」物なんですね。
ということは、丼につゆが入りそこにネギと天ぷらだけが浮かんでいる、そんなものです。
それじゃあ蕎麦ではないだろうって言う声が聞こえてきますが、そうです、蕎麦ではありません。
そんなもん聞いたことがないし、だいいちお蕎麦やさんのメニューにも無い。
それも正しい意見です。
現在静岡市内のお蕎麦やさんで「ヌキ」または「天ぬき」をメニューに書いてあるお店は(たぶん)ありません。
また、これを注文する人もほとんど無いと思われます。
だからこそ、「究極の幻のつまみ」と言えるのですね。
しかし、一昔前の酒通人の皆さんはこれを好んだと言います。
特に東京の老舗のそば屋(日本橋室町や巴町砂場など)では、よく出たといいます。
現在では注文する人も少なく、その名前さえも忘れかけられてしまいました。
確か、私の敬愛する池波正太郎氏の随筆にも登場していました。
この「ヌキ」が日本酒に合うのです。
私自身、酒の肴として「汁物」が好きなので、これもぴったりです。
まずは天ぷらをひと囓りして、日本酒をぐいとあおる。
もう一口お酒を飲んだところで、口直しに丼から直接つゆを飲む。
これが酒の匂いを消して、また酒が旨くなると言う寸法。
最初は天ぷらの衣はサクサクしていて、歯触りも心地よいが、段々に具が溶けてつゆになじんでゆく。
それが渾然一体となって、また妖しい心地よさを醸し出すのです。
この「ヌキ」1杯で日本酒を充分楽しみ、仕上げはもり蕎麦でしめるというのが、粋な江戸っ子のたしなみなんだといいます。
元々江戸っ子は「何かを抜く」のが粋とされていたようで、例えば「豆かん」という食べ物があります。
これは「蜜豆」から求肥やミカンなどの飾りを抜いて、豆とカンテンだけにしたものです。
これに黒蜜をかけて食べるんですが、あっさりしていてなかなかにおいしい。
故阿佐田哲也(色川武大)氏の大好物としても知られています。
そこで同じヌキといっても、「鴨南蛮」からの「ヌキ」だってかまわないのですが、代表的なのが「天ぬき」なのですね。
さて、今回はその「ヌキ」を何とかしていただいてみようと、ある算段をしました。
まず肝心なのは、お店の方で「ヌキ」を作ってくれるのかどうか、ということですね。
元々メニューにはないものですから、一見のお店で頼んでも冷たくあしらわれてしまうでしょう。
ましてや、それが何か知らないし作ったこともない、そういう店では無理に決まっている。
これは相当な老舗で、しかもある程度顔が売れている店でないと注文できない話なのです。
そこで今回はさるきっかけをつてに、静岡市葵区の「岩井屋」さんに出向いたのでありました。
亡くなられた先代のご主人のお話しによりますと、昔は結構「ヌキ」を注文する人がいたといいます。
なるほどそれなら間違いない。
というわけで、早速出かけてゆきました。
月曜日の6時半、お店には明かりがともり、けっこう混んでいるようすです。
入り口横のショーウインドウを見ると、変わった日本酒の瓶が勢揃いしています。
色々な銘柄の一合瓶で、ラベルが可愛らしい。
初めて見ましたが、これは面白そうですね。
さっそく中に入ります。
(続く)
2007.11.27 Tuesday
ゴミの押し売り
今朝の出来事。
いちおう塾と名の付く看板を上げているので、色んなものが送られてくる。
送り主は、教材のメーカー、各種学校は小学校から高校大学、更に専門学校まで。
送られてくるのは、パンフレットから見本、各種の案内など様々だ。
まあほとんど役に立たないものなので、見ることもなくその都度処分している。
その結果ゴミがドンドンとたまることになる。
郵便で送られてくる物は、付箋を付けて送り返すことが出来るので、そっくり返した。
しかし最近はみんな「宅急便」になってしまい送り返そうにも返せなくなったのだ。
仕方がないのでまとめて新聞紙などの回収に合わせて出している。
話し戻って、今朝9時ぐらいだっただろうか、なんかごそっと音がしたので、入り口のドアを開けると。
入り口の前に置いてある机の上に、ドサッとパンフレットが置いてあった。
慌てて置き主を捜すも、辺りに人影はない。
「横浜薬科大学」の分厚いパンフレットが4部、宛先も何も書いて無いむき出しのままで積み重ねてある。
もちろん包装されているわけではないから、誰か学校の関係者がここに置いたものだろう。
この学校、今回が初めてではない。
夏には20冊もまとめて置いてあって、あまりに腹が立ったので、大学に電話で苦情を言ったことがある。
ご丁寧にみんなビニール袋に入れてあるので、これを分別しないと回収にもゴミにも出せないのだ。
単純に捨てるのにも苦労するし、捨てる手間もかかるという、二重の迷惑だ。
あんまり腹が立ったので、敢えて大学名まで出してしまった。
「横浜薬科大学」さん、お願いだからもうゴミを持ってこないで下さい。
2007.11.26 Monday
木内もつ焼@清水区
木内もつ焼き@清水
さて「かねだ食堂」を出た3人組は、次の目的地へと向かいます。
祝日の6時半といえばまだまだ宵の口だと言うに、人通りはなくひっそりとしている商店街。
さほど時間もかからずにたどり着いたのは「木内もつ焼」
看板が良いですねえ、「清水名物」「東海一の」木内もつ焼です。
早速お店に入ります。
入り口左手に調理場、それに向かって長いカウンターが並びます。
そのカウンターに席を取り、まずは瓶ビールで乾杯。
つまみは当然「東海一」のもつ焼きをいただきましょう。
カシラ、シロ、レバーをタレで焼いてもらいます。
一品2本からの注文だそうです。
さすがに看板に偽りなし、良い火加減で焼かれたもつは、飲んべえにはたまりません。
続いては「もつ煮込み」もいただきます。
これは量が多いですね、野菜がたっぷり入っています。
どちらかというと肉だけというのが好みなので、ここは残念。
まあ、美味しく無いというわけではありません、私の好みの問題ですので、ご勘弁下さい。
あれ、「トンソク」がある。
懐かしいのでこれも頼んじゃいました。
味付けは塩ですね。
昔「助六」で、ニンニク醤油だれで焼いてもらったものを思い出します。
あのトンソクは旨かったなあ。
それに比較するとこの「塩焼き」は上品すぎるかな。
とは言いながらも骨までしゃぶってしまいましたが。
そこで、トンソクに合う飲み物といえばやっぱり「ホッピー」です。
ここのホッピーはショーチューの量が多いです。
ホッピーがジョッキに入り切れません。
仕方なく濃いままで飲み始めますが、効くなあ。
といいながらも結果的には飲み干してしまい、「ナカ」のお代わりまでしてしまいました。
そうしてこうして、清水の夜は更けてゆくのでした。
清水の居酒屋もいいなあ。
2007.11.25 Sunday
かねだ食堂@清水区
かねだ食堂@清水区
そういえば最近、清水に足を伸ばしていないなあ。
たまには清水の街で一杯やるか。
こんな機会でもなければ、まず訪問することのないだろう清水での忘年会。
本日の1軒目は「かねだ食堂」でのスタートになりました。
まずは静岡鉄道で、新静岡から新清水まで。
この電車も久しぶりに乗ります。
首都圏の私鉄と違って、区間が短く、停車駅も多いのがまた懐かしい。
20分ほどで新清水の駅に着き、そこから歩いてお店に向かいます。
5時に予約をしてあるという幹事の案内で、裏通りを行きます。
巴川沿いに、レトロな町並みをぶらぶらと歩いていきますが、人通りはほとんどありません。
ガード下をくぐって進むんですが、このガード低いなあ。
これでは車は通れませんね。
中心部だというのに、清水の町の寂しさは想像以上でした。
空洞化が進んでいるんでしょうか。
さて、巴川を超えて、すぐに明るく輝く看板を発見。
入り口の暖簾をかき分けて、お店の中に入ります。
結構広いお店で、入り口近くはカウンターになっています。
予約の旨を告げると、奥の座敷に案内されました。
6人掛けほどのテーブルが4脚あって、嬉しいことに掘り炬燵形式になっています。
これは足が伸ばせて楽です。
テーブルにはそれぞれ予約した人の名前を書いた紙が置いてあります。
この時間にもう予約で一杯なんですね、さすがは有名店。
サービスをしてくれるのは高校生らしいお兄ちゃんで、初々しくて良いですね。
早速生ビールで乾杯します。
つまみの第一便、まずは「角煮」です。
「角煮」というと「豚の角煮」を思い浮かべる人が多いと思いますが、静岡では「カツオの角煮」ですね。
「マグロの角煮」もメニューにあったのですが、本日は品切れということで、今日はカツオのみ。
自家製でしょっぱすぎず、良い味付けです。
ここでは注文は紙に書いて渡すシステムです。
アルコールが入ると間違いや、勘違いがよくありますから、この方が確実ですね。
やはりメインは「刺身の盛り合わせ」で、2人前でこんな感じです。
お値段は静岡の居酒屋さんに比べるとかなり安いです。
この切り身の厚さが良いですねえ。
チェーン店のお造りはどうも薄べったくていけません。
続いては「桜えびのかき揚げ」
こちらが3人なので、ちゃんと3枚出してくれました。
こういう気配りが嬉しいんですよねえ。
でも、「天つゆ」が2つだったのはなぜなんだろう。
「ゲソの唐揚げ」も豪快です。
何の飾りもなくストレートの剛球勝負でいきます。
この辺りで日本酒に切り替えますが、このお猪口が良いですねえ。
ぐい飲みばりの大型で、じっくりと手に馴染みます。
こじんまりとしたお猪口で差しつ差されつ、というのも乙ですが、男同士の飲み会では面倒くさい。
コップ酒でも良いんですが、このたっぷり入る感じが嬉しいんですね。
調子に乗ってどんどんお代わりをしてゆきます。
変わったもので、「いかの何とか風」が出てきました。
こんな昔風の食堂で、しゃれたつまみがあるのも面白いですが、これがまたいけるんです。
ガーリックの風味が利いて、これまたお酒が進みます。
次は「冷や奴」、脇に添えられた「洋がらし」が懐かしいです。
静岡では昔から、豆腐は木綿、薬味は洋がらしというのがスタンダードでした。
夕刻になって「豆腐売り」のリヤカーが、ラッパを鳴らして通りかけますと、あちこちの家から鍋を抱えたお母さんが出てきて、豆腐を買う。
経木の端にちょこんとカラシを添えてくれたものです。
次に「イカの塩辛」
まあこれは普通の味でした。
お店の中も混み合ってきて、賑やかになりました。
見ているとファミリーでのお食事が多いようです。
地元の人に愛されている古き良き食堂なんですね。
ころは良し、さあ次に行くぞ。
2007.11.23 Friday
気持ちのよい振られかた
昨日は葬儀がありまして、一日お休みしました。
TVもあり、忙しい一日でした。
気持ちの良い振られかた
先日の日曜日は今シーズン初めての「プレ忘年会」
気が付いて見れば今年もあと1月半、忘年会の時節になった。
こんな時、手慣れた幹事ならきちんとお店を予約するのだが、まあ今日は少人数でもあり、飛び込みで向かうことにする。
とはいえ、まずは第一候補、そしてその予備、その2軒はしっかり押さえてゆく。
というわけで万全の体勢かと思われたが、世の中そんなに甘くはないのですね。
まず、最初の候補にしていたのが「びいだま」で、「不定休」とあるが、確か以前日曜日にやっていた記憶がある。
そこでお店に向かったが、何と「本日休業」で、まずはがっくり。
しかしかねて用意の二番手候補「Z・E」がある。
少し離れているので、歩いてそちらに向かうが、その場所が分かり難い。
「ホットペッパー」から切り取ったクーポンを取り出し、その地図を頼りにお店を探す。
最近は目も弱くなっていて(年は取りたくないねえ)細かい文字が見づらい。
また、この地図というヤツがまた苦手と来ている。
地元だし、しょっちゅう通っている七間町だというのに、場所が分からないのだ。
大の大人たちがあれこれ迷いながら店を探す。
同じところを何回かぐるぐると彷徨した末に、やっとお店発見。
何とうなぎの寝床のような細い通路の奥にあった。
これはのぼりがなければ分からなかっただろう。
まずは一安心と、入り口に向かう。
「案内しますので、ボタンを押してお待ち下さい」
掲示があり、その通りにしてしばし待つ。
店員はなかなか出てこない。
ようやく出てきた若い店員は、不機嫌な顔で
「予約されていますか」
「いや、していません」
「申し訳ありませんが、本日は満席です」
やれやれ、また振られてしまった。
細かいことだが、こんな時にお店の印象が決まってしまう。
看板に「本日満席」とでも掛けておけば、客も納得して帰る。
逆に、(こんなに繁盛している店なら、旨い料理が期待できそうだ)と感じるかもれない。
それが、わざわざ待たせておいて、慇懃丁寧にお断りとは残念だ。
ひょっとして「嫌な客だ」と思われたのかもしれない。
まあ状況が状況なので、腹が立ったのですが、今日は運の悪い日だったと諦めた。
結局「一喜」さんで飲みましたが、やっぱり老舗は良いなあ。
2007.11.21 Wednesday
天秤問題の答え
勿体ぶっていないで、早く答えを書け、というご指摘を受けました。
すいません、結構ややこしいので、時間がかかりました。
説明するのは難しいですね。
天秤問題の答え
1. 12枚の金貨を4枚ずつ3組に分け、ABCとします。
2. AとBを天秤に掛けます。
ア 釣り合った場合
本物はCの中にあり、AとBは偽物です。
Cの2枚をAの2枚と比較します。
釣り合えば、残りの中に。
釣り合わない場合は、その中にあり、重いか軽いかが分かります。
釣り合った時は、残りの2枚のうち1枚と、偽物1枚を比較します。
釣り合えば最後に残った1枚(但し重いか軽いかは不明)
釣り合わなければ、それが本物です。
釣り合わない時は、そのどちらかが本物です。
その1枚と、偽物1枚を比較します。
釣り合わなければ、それが本物
釣り合えば、残った1枚が本物です。
イ 釣り合わなかった場合
本物はこの中にありますが、重いか軽いかは分かりません。
どちらが重いかを確認しておきましょう。
仮にAが重かったとします。
Aを2枚づつに分けます。
そこにBから1枚加えたものをB’、Cから1枚加えた物をC’として比較します。
ウ B’とC’が釣り合った場合
Aは全て偽物で、本物はBの残り3枚の中にあります。
更に本物は「軽い」ということが分かりました。(Bが軽かったため)
Bの残った3枚のうち2枚を1枚づつで比較すれば、軽い方が本物です。
釣り合った場合は最後の1枚が本物です。
エ B’とC’が釣り合わなかった場合
Aの4枚の中に本物があります。
このときの天秤の傾きに注意してください。
「Aは重かった」ので「本物は重い」ことが分かりました。
重かった方のAの2枚のどちらかが本物です。
この2枚を1枚づつで比較すれば、重い方が本物です。
一例を示しましたが、他にも方法があるかもしれません。
2007.11.20 Tuesday
たこ八にテレビが乱入
たこ八にテレビが乱入
昨夜のたこ八。
例によって7時少し前にお店に入る。
いつものようにお店は賑やかな雰囲気だ。
入り口右手に顔なじみのご夫婦、左手のご一群はかなりきこしめされているご様子だ。
ふと前を見ると、あれジンちゃんだ。
いつものような背広姿ではなく、くたびれたジャージで寂しく飲んでいる。
ちょうど角の辺りで、席を詰めてもらって隣に座る。
何でも今日は用事で会社を早退、用事が済み、わざわざたこ八まで「たこ八家族」の最新版を届けに来たのだという。
浮かない顔をしているので尋ねると
「今日はビール1本だけ」
何でも給料日前で、お小遣いが乏しいとか。
「まあそういわずにもう少し付き合えよ」
その一言が新たな悲劇を呼ぶことになるとは、その時は思っていませんでした。
どれもこれもみんな私が悪いんです。
さて、奥に控える3人組が実にうるさい。
あとで自ら名乗ったので分かったが、「某テレビ局」の関係者なんだという。
大声で会話し、素っ頓狂な笑い声を上げる。
オカアサンもあきれ返っている。
そこへ二十歳ぐらいの女性二人が入ってきた。
私の隣が空いたので、そこに座る。
「これで、迷惑3人組も少しは大人しくなるか」
皆さん考えることは同じですね。
しかし期待に反してその騒々しさは度を増すばかりだ。
女性二人組は、横浜から来たそうで「静岡おでん」を初めて食べるのだという。
こんな時優しい常連客ならあれこれ世話を焼くのだが、すまん、私は優しくない。
それでも少しは指導して、あれこれ流儀を解説していると、突然ソレがやってきた。
「すいません、あさひテレビです」
オカアサンに聞くと、前もって取材の要請を受けていたんだと。
それならそれと言ってくれれば、周到に準備していたのに。
今更一発ギャグの練習しても間に合わないか。
何でも新人のレポーターが入ってきて、あれこれ話を聞くとか。
おかげで、二人の女の子は端の席に寄せられてしまった。
お店の奥にカメラが入り、入り口に向かってレンズを向ける。
レポーターはまだ静岡に来て日が浅いそうで、色々と下調べをしている。
岡山出身だったか、かなりの美人で、何と私の隣に座るんだという。
と言うことは反対側がジンちゃんで、おやじ二人に挟まれるというシチュエーションだ。
いよいよ撮影が始まる。
「ごめんくださーい」
引き戸を開けてレポーターのお姉さんが入ってくる。
打ち合わせどおりに私の隣に座り、早速「静岡おでん」の試食になる。
そこでアクシデント発生。
何と看板の「黒はんぺん」が売り切れ状態で見つからないのだ。
焦るオカアサンがとまどいながらも一串発見。
あれこれと解説を挟みながら、おでんにかぶりつくレポーター。
いやあ、なかなか見事な食べっぷりです。
そこでカットが入る。
どうも短い単位での編集をするようだ。
カメラが離れたので、「ダシ粉」は「カツオブシ」じゃないことを指摘しておく。
何とお節介なオヤジなのだろうか。
テイク2は牛スジと黒はんぺんの2本を取って食べることになったようだ。
調子に乗っておやじ二人はあれこれとウンチクを語るが、たぶん放送ではカットだろうね。
またカットが入る。
あれこれと変更をしては撮影。
ふと外を見ると、あれ、「町屋庵」さんだ。
可哀相に撮影があるので中に入れず、寒空で震えている。
「あの哀れなオヤジを中に入れてやってくだせえ、おねげえしますだ」
「ふふふ、そちもけなげなヤツじゃのう」
お代官様、いやディレクター様のお許しが出て、町屋庵無事お店に入る。
撮影はなおも続き、最後にクイズを出すのだという。
そこでジンちゃんにスポットライトが当たった。
何と問題のパネルを胸の前に持ち、レポーターに出題するという重大な役目をすることになったのだ。
ああ、しかしこんなオヤジ面をテレビで放映して良いのか。
ジンちゃん嬉しそうに
「さて、静岡名物黒はんぺんの原材料は何でしょうか?」
「イワシ」
「大当たり」
最後のツメでパネルの回答欄の紙をめくって示すのだが、すっかり忘れてしまい、取り直し。
「まあ人生良くあることだよ」
すっかり落ち込んでいるジンちゃんを優しく慰める。
2回目はちゃんと取れて、めでたく撮影終了。
そのあとでもオカアサンに色々と取材していたので、本番ではあれこれと編集するんだろう。
撮影陣が去って、店は静かになる。
いやまだ3人組がいた。
おかげで女性二人客はこそこそと帰っていった。
静岡に悪い印象を持たなければいいがと、後ろ姿に思いを投げる。
さて、その放送ですが、11月22日の「とびっきり静岡」で午後4時からの放送になるということです。
お暇なかたは、ぜひ見てお笑い下さい。
2007.11.19 Monday
五味八珍でサービスランチ
五味八珍でサービスランチ
静岡市葵区は若松町の「五味八珍」
今までに何回かお邪魔していますが、一回も食べていない物があります。
以前から気になっていたのですが、その機会もないままにすませていました。
そのメニューとは「サービスランチ」なんです。
なんせここの「サービスランチ」はコストパフォーマンスが高いです。
普通の大きさのラーメンに、おかずが1品とライスが付いて、税込み609円。
さらには「ライスのお代わり無料」というサービスもあります。
今時小じゃれたお店で出すラーメンは、簡単に600円超えてしまいますから、この値段は感動ものです。
まあ食べたこともないのに感動してどうするんだ、という突っ込みもあることですので、今回初めていただいてみることにしたわけです。
そこでその「おかず」が問題になるわけでして、苦手なおかずの時に頼んでも価値が低い。
おかずは週替わりなので、上手く予定を掴んでゆかないと、好みの物が食べられないのですね。
今回はBランチが、「麻婆豆腐」というのを確認して、挑戦に向かいました。
さて、お店に着いたのは午後1時で、まだ程良く混んでいます。
中に入ると、店員さんが席に案内してくれます。
一人客なので当然カウンター席です。
4人座れるカウンターには左端に先客のサラリーマン一人、間を置いて右端の席に着きました。
メニューを見るまでもなく、「Bランチ」の「みそラーメン」と告げます。
苦手な「紙おしぼり」ですが、出ないよりはましですね。
見ると「麻婆豆腐」は何人分かをまとめて鍋で作っています。
ちょうど目の前が調理場で、所々作業が見えて、暇つぶしには良いものですね。
さて、「サービスランチ」が出てきました。
この「みそラーメン」もここでは初めて食べます。
実はこれも「サービスランチ」を頼んだ理由の一つなんですね。
「一味唐辛子」を振り掛けて、まずはスープを一口。
このプラスチックの民芸調レンゲは感心しませんが、スープは十分に熱く、美味しいです。
具は薄いが柔らかく仕上げてあるチャーシュー1枚にメンマのみ。
そこら辺がやや寂しいですが、何しろこの値段ですから文句は言えません。
さて、麺をライスに乗せて、一緒にいただきます。
この「麺プラスご飯」のまぜこぜ感覚が、なかなかいけるのです。
ラーメンスープのしょっぱさを白飯が洗い流してくれる、斬新な感覚がよろしい。
次はスープを一口流し込み、麻婆豆腐をライスに合わせて食べます。
この麻婆豆腐も、家庭とは一味違って美味しいですね。
実は、上手くいったら「ライスのおかわり」を密かに狙っていたのですが、志半ばにして諦めました。
もうこの年では胃袋が許しませんね。
さすがに後半は疲れが見えてきましたが、何とか食べきることが出来ました。
ここは料理がちゃんとしているのが嬉しいです。
最初のライスは「ラーメンライス」で食べきり、お代わりした2杯目で「麻婆丼」を食べきる。
こんな食べ方が出来れば、ランチの達人ですね。
今度こそ、ライスのお代わりするぞ。
2007.11.17 Saturday
天秤問題
天秤問題
古くて新しいパズルです。
有名なので、考えたことのある方もいらっしゃるでしょう。
問題
天秤と8枚の金貨があります。
金貨の中に1枚だけ本物があり、残りは全て偽物です。
見かけ上判別は付きませんが、本物は偽物よりやや重いことが分かっています。
ただ、僅かな違いなので、天秤を使わないと判定できません。
天秤とは、左右に物を載せて、どちらが重いか軽いかの判別をする道具です。
同時に複数の金貨を乗せてもかまいません。
さて、偶然でなく確実に1枚の本物を見つけるには、最小で何回天秤を使えば良いでしょうか。
答えは2回です。
最初に3枚と3枚を乗せて判別するのがポイントです。
まあこれは少し考えれば分かるでしょう。
さて、問題はこれからです。
金貨を増やして12枚にします。
更に、本物は重いか軽いか分からないことになりました。
この条件で、本物を見つけるには天秤を何回使ったらよいのでしょうか。
最小の場合を考えてください。
これは結構難しいですよ。
回答解説はまた後日。
2007.11.16 Friday
空飛ぶ豚@両替町
空飛ぶ豚@両替町
最初は「紅豚」として開店したのだが、店名変更して「空飛ぶ豚」になった。
何かそこら辺に深い意味があるのかもしれないが、私には分かりません。
似たような名前の店があったんでしょうかね。
この店は夜間の営業で、なかなか行く機会がなく、今回久しぶりのチャンスに尋ねてみました。
ちなみに夜6時半の開店で、営業は深夜までやっているそうです。
また、日曜日はお休みです。
たこ八を出て青葉通りを上ってゆくと、通り沿い右手に赤い看板が見えてきます。
黄色い立て看板には赤い文字で「長浜ラーメン」が目を引きます。
中に入ろうとすると、お店の前に所在なさそうにしていた男性が慌てて中に向かいます。
仕事着からしてこれがご主人かなと思ったら、見事に大当たり。
入り口すぐ右手の自動券売機で食券を買います。
今日は一杯飲んだ帰りなので、シメは定番の「ラーメン、麺堅め(630円)」をいただきましょう。
ん、お店の中は先客なしですね。
時間は午後9時15分ほどで、この時間ではまだ客足は鈍いのか。
お客一人とあってはカウンターに行かざるを得ないでしょう。
厨房の中に帰ったご主人の真ん前に席を取り、食券を渡します。
お店はご主人と、アルバイトらしいオバチャンの二人で切り盛りしていました。
カウンターの前には、紅生姜や辛し高菜が置かれていて、自由に取れるようになっています。
色々説明も書いてありますが、辛し高菜の「激辛」は気になるところです。
さて、待つほどもなく「長浜ラーメン」が出てきました。
乳白色に懸濁した独特のスープにたゆとうはストレートの細麺。
上置きの具は、叉焼1枚に細切りのキクラゲとネギ。
さっそく胡椒を振り掛けていただきます。
麺の堅さはこの「堅め」ぐらいでちょうど良いくらいですね。
スープに長浜ラーメンらしさが出ています。
醤油を押さえて、塩でトンコツの風味を前面に出した良いスープです。
三分の一ほど食べてから、辛し高菜を投入します。
「激辛」に敬意を払って、抑えめ加減で行きます。
まあそこそこの辛さでしょうか。
さらには節操なく定番の「紅しょうが」も入れてしまいますが、まあお決まりですから。
あっさりと完食してしまいますが、さすがに「替え玉」までは行きません。
そういえば、この「替え玉」というヤツ、私はまだ未経験です。
最近では、もはやそれほど食べられる胃袋ではないことが原因です。
まあ、一杯飲んだ後のシメですから、この物足りない感じが体には良いんでしょうね。
「ごちそうさま」
結局最後まで一人きりでしたが、深夜には混み合うんでしょうか。
帰りに近くの「こだわり一番」も覗いてみました。
ここもお客さんは一人だけで、寂しそうした。
まだまだ景気回復には遠いのかなあ。
2007.11.15 Thursday
極大化と微少化
巨大化と、微少化
SFの世界では、生物が簡単に巨大化する。
ウルトラマンなんかはその最たるものですね。
逆に小さくなったりもするが、この巨大化と微少化、普通の生物ではどこまで可能なのでしょうか。
まずは巨大生物ですが、かつては恐竜が世界を闊歩していました。
地上ではそこらへんが最大の生物でしょうか。
分かり易く人間の巨大化を考えてみます。
数学の世界では、面積の比は相似比の二乗比、体積の比は、三乗比になる。
例えば、同じ体型で背の高さが2倍の人間を比較するとしよう。
その時、顔の面積は4倍だが、体重は体積に関係するので8倍になります。
その8倍の体重を支えるのは、当然足ということになる。
しかしその素材(骨であれ、筋肉であれ)は同じ物質です。
したがって、足の支える機能はその断面積に比例します。
ということは、相似形の生物では、4倍の能力を持った足で、8倍の仕事をしなければならないことになります。
単純計算で、足は2倍の負荷がかかることになります。
仮に円形の断面を持つとしますと、8倍にするには半径が2√2倍ですから、約2.8倍ということになります。
巨大生物の足が太いのは当たり前のことなんですね。
足の能力にも限度があるので、ある大きさ以上に巨大化することは不可能だということです。
さて、逆に微少化はどうでしょうか。
これもまた制限があります。
人間などほ乳類は「恒温動物」と呼ばれます。
生きてゆくためには、常に体温を同じ条件に保ってゆく必要があります。
実はここに微少化を難しくしてゆく要因があるのです。
体と外界の境目は「体表面」です。
この表面積が大きくなるほど、体温の維持にかかるエネルギーが大きくなります。
この面で言いますと、巨大化は有利です。
先ほどの例で言えば、8倍の体を4倍の表面積で維持するので、単位体積あたりのエネルギーは半分で済むことになります。
そこで、微少化ではこの効果が逆になります。
同じ体型で背の高さが半分の生物で言いますと、表面積は4分の一ですが、体積は8分の一です。
同じ体積あたりのエネルギーは2倍になってしまうわけです。
この傾向は小さくなるほどきびしくなってきますので、恒温動物はある大きさ以下にはなれないと言うことになります。
小さなネズミや、小鳥がしょっちゅう体を動かしたり、餌をとったりしているのもこのためですね。
今のところ恒温動物で最小なのは「ハチドリ」だと言われていますが、その辺りが限度なのでしょうか。
2007.11.14 Wednesday
オバチャンパワーに脱帽@たこ八
おばさんパワーに脱帽@たこ八
いつもの月曜日、今月から月曜は夜の講義が無くなったので、速い出足の訪問になった。
早い時間の6時半過ぎにたこ八の暖簾をくぐる。
今日もほぼ満員の入りで、奥の方に僅かな空きがある。
馴染みの客はというと、アラちゃんがいた。
久しぶりのご挨拶をすると、ちょうど右隣のお客さんが
「私すぐ帰るから、ここにどうぞ」
気を遣って、席を空けてくれた。
「どうもすいません」
さっそくそこに座るが、アラちゃんの元気がない。
実はすぐにその原因が分かるのだが、座った時点では気が付くのは無理と言うものだ。
何時も通りにビールで乾杯。
アラちゃんの左隣が騒がしい。
ちらっとそちらを見やると、中年いや60はとうに過ぎたと思われるおばさん3人組だ。
かなり出来上がっているようで、声のデカいことデカいこと。
ろれつの回らない会話が続く。
(そうか、アラちゃんこれに付き合ってたわけか)
どうも初めての来店のようで、あれこれわがままを言っては困らせている。
「お愛想して」
あれ、もうお帰りですか。
ぐったりしたアラちゃんは、私を見捨ててお帰りになってしまった。
「空いたからこっちへ行こうよ」
オバサンの集団がこちら側に攻めてきた。
「ここだと揚げ物が取りにくいからねえ」
私のすぐ左まで腰を寄せてきた。
それなら全員が移動すればよいのに、反対側の方は動かないから、席を広く取ることになる。
狭い店なんだから譲り合わなくちゃね。
揚げ立てのフライの串を掴んで
「熱い!」
それさっきもアラちゃんが注意してたのに。
注文もあれこれわがままで、オカアサンも機嫌が悪くなる。
色々と教えてもやりたいが、「触らぬ神に祟りなし」という言葉を思い出した。
ここは静かに一人グラスを傾けるに限る。
さて、ここで正しい注文の仕方をレクチャーしよう。
「目を見て注文すること」
これに尽きますね。
オカアサンは一人であれこれこなしているので、混雑している時はかなり忙しい。
そこで何かを頼む時は、必ず顔を見て話すことが大切だ。
顔が見えないと言うことは何か仕事をしているということ。
様子を見て一息ついた時に頼めば、快く応じてくれるのだ。
いわゆる「アイコンタクト」というヤツで、注文が通るようになれば、もう大常連です。
声を掛けて向いてもらうんではなくて、向こうが見てくれるのを待つぐらいのゆとりを持ちたいものですね。
そこへ、美人人妻のRさん登場。
これは風除けに最適だと、拝み倒して、左隣に座っていただく。
オバチャン軍団は詰めるわけでもなく、ゆったり座ったまま。
Rさんには悪いが、これでしばらくは落ち着ける。
「ジンちゃん遅いわねえ」
そんな噂をしていると、期待通りにジンちゃんが入ってきた。
いつものようにとぼけた顔で、仕事疲れか元気がない。
こちらは右隣に詰めてもらう。
何度も書くが、左のオバチャンたちは決して詰めようとはしないのだ。
男同士肩をすぼめて、小さくなって飲んでいると、忘年会の話題になった。
残念ながらコロちゃんは入院するので、さすがに出られないとのこと。
早く治って、又元気な顔を見せてもらいたいものだ。
ようやくオバチャン軍団が帰って行き、店は静けさを取り戻した。
今日はいつもより酔い方が鈍い。
オバチャンパワーに毒気を抜かれてしまったせいか。
いやはや女性の酔っぱらいもまた、たいしたもんですわ。
2007.11.13 Tuesday
天文本店@七間町
天文本店@七間町
何たって老舗である。
静岡市内には数多くの老舗飲食店があるが、ここもその代表格。
創業は何と明治12年というから、同じ老舗にしても格が違う。
そんな畏れ多いところにお邪魔しようと言うのだから、こちらも正装でネクタイを締めて向かいました。
まあ、仕事帰りだから締めていたわけでして、食事のためというわけでもありませんが。
場所は七間町、今では全国的に有名になった「ヲリオン座」の向かいにある。
正午過ぎの店内は、半分ほどの入りで物静かだ。
テーブル席が幾つかと、正面右奥にカウンターがある。
一人なので、そのカウンターの角に席を取るが、店員がいない。
12席ほどもあるカウンターには先客が5名。
すぐ左手のオジサンは、何か場違いな雰囲気で、パンフレットを眺めている。
さてどうしようかと思ったが、声を掛けることもないだろうと、店員を待つ。
しかし、なかなか出てきてくれないんですね、これが。
5分ほども座っていただろうか、ご主人が出てきた。
おしぼりを渡されたので
「これでお願いします」
かねて用意の食券を差し出すと
「桜えび丼一つ」
奥の厨房に声を掛けた。
右手の夫婦連れは、生ビールを頼んで、仲良く乾杯している。
ビールと天ぷらの盛り合わせで、優雅な昼下がりを楽しもうというのだろうか。
その天ぷらを揚げるべくスタンバイしているのがここのご主人。
さすがに慣れた手さばきで揚げはじめる。
お二人に出された揚げ立ての天ぷらは実に美味しそうでしたが、我慢我慢と。
まずはお茶に野菜サラダが出てきました。
お茶については、やや不満。
せっかくの良い料理が、このお茶では泣く。
上級品を使えとは言わないが、せめて新しい物を出して欲しい。
ケチなこと言うようですが、何せ静岡人はお茶にうるさいのです。
さて、お待ちかねの「桜えび丼」が登場した。
定番の錦地の丼には朱に「天文」の文字が踊っている。
丼の蓋を開けると、懐かしい香りが漂ってくる。
具は桜えびのかき揚げ1枚といういさぎよさ。
そこに丼つゆがかかって、しっとりと濡れたかき揚げは、それでもパリッとしている。
まずは箸を取って、丼を抱え込み、かき揚げを崩しつつ飯を食らう。
つゆは昔ながらの甘めの味付けだ。
そう言えば昔の天丼はみなこの味付けだった。
懐かしく感じながら、箸を動かす。
添えられたお新香も、定番の大根胡瓜にタクアンというトリオで嬉しい。
赤だしのお味噌汁も、さすがに老舗ながらの味わいがする。
桜えびの香ばしいかき揚げは、物足りないかと思ったが、十分にその役割をはたしている。
一気に、わしわしわしっと食べ切ってしまった。
「ごちそうさま」
たまにはカウンターで天ぷらも良いなあ。
2007.11.12 Monday
11月例会
昨晩は11月の例会。
5時ちょうどに「第2美濃屋」さんに着くと、珍しく1番乗りだった。
今日は出足が遅いなとつぶやきながら席に着く。
取りあえず生ビールで乾杯。
程なくメンバーが揃って、賑やかになる。
つまみの先鋒は「豚の角煮」
柔らかくじっくりと煮込んである豚肉は程良く香辛料が利いていて美味しい。
合わせて供される大根が良いですね。
やはり冬場は大根にトドメを刺すか。
本日のワインは3本。
中の一つは「南アフリカ」産だという。
どれか分かりますか?
山盛りのナスが出てくる。
「秋ナスは嫁に食わすな」のウンチクであれこれ話題が続く。
そのうちに「秋なすは爺に食わすな」となるんだろうかね。
今日のシメはなんと「ビビンパ」で、久しぶりにご飯物が出てきた。
もう喰いきれないと思いながら、皆さん完食しているのでお付き合いする。
なるほどこれじゃあ腹周りはふくらむ一方だ。
私も「プール仲間」になろうかな。
2007.11.10 Saturday
ALWAYS続・三丁目の夕日
ALWAYS 続・3丁目の夕日
話題の映画を見に行きました。
前作も良かったのですが、こちらもまた良い出来です。
思わず涙を流す観客が続出して、館内も良い雰囲気でした。
場所は静岡市の東宝で、初回の開始が9時30分というのを見て、15分ほど前に着いたのですが、ここで驚いた。
何と開場前に行列が並んでいるじゃないですか。
休日とか、開演初日でしたらまあ分かりますが、平日ですよ。
しかも午前中という時間で、これほどのお客が見に来ているとは、凄いですね。
客層はやはり中年以降が多かったです。
この日は水曜日なので、「男性1000円デー」なのですね。
男性が多かったのですがもちろん女性もいらっしゃいました。
何でも60歳以上は常時1000円だそうで、それに当てはまる方がほとんどでした。
取りあえず列の最後尾に並びます。
3、40人ほどはいたでしょうか。
9時20分ぐらいにオープンしました。
窓口で入場券を買い、中に入ります。
まあ、行列があると言っても、入れ物が大きいですから、余裕を持って観劇出来ます。
この劇場は席が斜面になっているので、スクリーンが見やすいですね。
ちょうど真ん中に近い席を取り、開始を待ちます。
それでも館内は2割ぐらいの入りでしょうか。
しかしこれほど入場者のある映画館は久しぶりです。
時間どおりに予告編が始まって、いよいよ本編です。
このオープニングから驚きました。
何たって「ゴジラ」が出て来ちゃうんですから、スゴイ。
色々なエピソードをちりばめてありますが、結局テーマは「世の中、金じゃない」と言うことでしょうか。
全編を通して、「CG」技術の進歩を深く感じます。
もう子供だましの書き割りじゃありません。
まさに実物そのものと言った壮大な背景は只驚くばかりです。
ケチを付けるのが好きなので、じっくりあら探しをしました。
かすかに、通行人をじっくり見ると分かるのですが、ホントに良くできています。
これによって、従来では考えられなかった角度からのズームアップや流れができ、非常に面白いスクリーンになっています。
そういえば、主人公の貧乏作家が騙される場面で、後ろのお客さんが
「あれ、ひょっとしたら詐欺じゃないの」
と、ひそひそ会話してました。
(そう、いかにも胡散臭い話でしょう、昔はこんなのに騙される純粋な人間がいたんですね)
この物語は実に分かり易くて、結末が期待通りになるのが良いんですね。
当然結末も期待通りのものになり、観客の涙は止まりません。
長いエンドロールが終わり、席を立ちますが、次を見るために待っているお客さんが多く、入り口近くはかなり混みました。
お年寄りには暗いところや階段は苦手なのでしょうが、上手く整理する人も必要なほどの人気ということですか。
いやあ、月並みな感想ですが、良い映画でした。
2007.11.09 Friday
足の短い@たこ八
昨夜のたこ八。
11月とはいえまだ暖かい風の中、いつものようにたこ八の暖簾をくぐる。
今日は夜のお仕事がないので、6時半過ぎの入店になった。
お店は珍しく七分ほどの入りで、見なれた顔はない。
どこに座ろうか迷ったが、一番手前の角に決める。
右手には神奈川から来たというカップルで、お酒は飲まず、ウーロン茶でおでんをバクバク食べている。
左手にはサラリーマン風の3人連れ、奥に2人連れという配置だ。
オカアサンがシンチャンから預かったという週刊誌の切り抜きを渡してくれる。
「ラーメンの旨いお店」だというが、よく見ると二〇〇七年四月の記事だ。
どこで仕入れてきたのか、まあ参考にさせていただこう。
それではとシンチャンにメールを入れてみる。
「今たこ八にいるから、早くおいで」
すぐに返事が返ってくる。
「あと20分で店を閉めてたこ八に向かいます、待っててね」
どうやら閉店時間を早めさせてしまったようだ。
3人連れが帰り、一つ置いてとなりに一人客が入ってきた。
どうも見たことのある顔だが、はっきりと覚えてはいない。
と、その客が話し掛けてくる。
「その美男子のお兄さん無視しないでよ」
「はあ」
どうやら向こうは知っているようだが、こちらの記憶がない。
遅れて馴染みのOちゃんが入ってきた。
ちょうど二人の間に座ったので、これ幸いと彼と話を交わす。
先客はあれこれ話し掛けてくるが、知らない物は仕方がないので、曖昧に返事を返すだけにしておく。
こんな時につきあいで話を合わせる手もあるが、私は酒席で気を遣うような聖人ではないので、ご免なさいね。
オカアサンがシンチャンから「生ホルモン」を渡されていて、これを焼いてくれるという。
いつもながらホントにわがままな客だ。
たこ八で持ち込み品を料理してもらうのは、シンチャンぐらいのもんだろう。
また携帯が鳴る
「今テレビで天気予報をしてます。明日は晴れ」
いちいちメールするなよ。
ホントに暇なヤツだ。
また鳴った。
「今歩いてたこ八に向かっています」
それから来店までなんと10分も掛かったので、「足の短いシンチャン」が定説になるのも間近だろう。
さて、特注品の「生ホルモン」だが、たこ八にはフライパンは無い。
それをどうやって焼くのかというと、アルミホイルでくるんで焼き台に乗せるのだ。
「出来たから食べてみて」
ホイルを開けると、いい香りが漂ってくる。
ホルモンだけではなく、オカアサンの心遣いでネギも混ぜてあるのが、芸の細かいところだ。
残念ながらシンチャンが到着するまで、待っておこう。
神奈川の二人連れがお帰りで、お会計をする。
慣れていないのか、「串なし」の申告忘れをしているようだ。
解説すると、ここたこ八のお会計は「おでんの串」で行うのだ。
串の数によって料金を計算するので、串の付いていないもの、玉子大根じゃがいも厚揚げなどはその度に申告するのがお決まりだ。
オカアサンにその旨を告げると、ちゃんと空串を渡してくれますので、お気を付け下さい。
さて、足の短いシンチャンがようやくたどり着いた。
そこで「生ホルモン」を開ける。
しかし、ここで生ホルモンを食べるとは思わなかった。
新規の2人客が入ってくる。
60歳ぐらいの、サラリーマンも役職についた感じで、初めてのようだ。
「インターネットで調べたんだよ」
とプリントアウトした記事を見せて、大声で読んでいるが、最近この手の客が多いなあ。
嬉しいのは良いが、場の雰囲気を壊さないようにしていただきたい。
お店を褒めているつもりなんだろうが、オカアサンはあまりこういうのは好きではないのだ。
気に入られようとして、お店にヨイショするお客がいるが、あまり気分の良いものではない。
出来ればお酒は静かにたしなみたいものだ。
さて、2皿目の「生ホルモン」が出てきた。
何と今度はおまけに「カキ」が入って煮込まれている。
これもサービスでオカアサンが入れてくれたものだ。
生牡蠣を、焼肉のタレ味で焼いた一品だが、あいにく私はカキがダメなので、シンチャン専用になる。
こんなの作ってもらうなんて反則だぞ。
今日は水曜日なので、そろそろ映画を見終えたSさんが入ってくる時刻になる。
残念ながら、私の方は定量になったので、今日はこれまで。
映画の話はまた後日にいたしましょうか。
あれやこれやで今夜もほろ酔い加減のたこ八でした。
2007.11.08 Thursday
麺カレー@味市
麺カレー@味市
さて、前回新富町の味市さんに出かけた時。
メニューの中に気を引かれるものがあった。
そこで今回ぜひともその探訪をしようと立ち上がったのでした。
気になるその名は「麺カレー(680円)」
まあ、カレーラーメンなら割合と多くの店で出している。
それを逆にしただけじゃないか、というのは大きな間違い。
いわゆるカレーラーメンは「ラーメンにカレーのルーが乗ったもの」で、ラーメンの亜種。
しかしここの「麺カレー」はカレーライスのご飯が麺に変わったものです。
したがって汁はない。
どんな食感かはかなり気になるところです。
意を決してお店に入ったのは、正午を10分ほど過ぎた時間。
「いらっしゃいませ」
いつものように元気良く迎えてくれる。
今日は二人なので、テーブル席に座り、迷うことなく「麺カレー」と「チャーシュー麺」を注文する。
入り口正面には漢方の色んなクスリらしきものが瓶に入って並んでいる。
中には「タツノオトシゴ」なんてのもあり、眺めていると退屈しない。
まさかカレーには入っていないと思うが、どれに使うのか気になるところだ。
他に待ち客はなく、料理はすぐに出てきた。
さて、出てきました「麺カレー」です。
普通の洋皿に半分が茹であげられた麺、もう半分がカレー掛けになっている。
麺は茹でたものを湯切りしてそのまま乗せてあるのか、まだ温かい。
普通のラーメンの麺とは種類が違っていて、黄色くやや太めだ。
カレーは普通のポークカレーというか、家庭のカレーに近い気がする。
中には玉葱と人参に豚肉も入っている。
その上には大きなじゃがいもの素揚げが2個のっていてボリューム満点だ。
さっそくフォークを使って麺を取り、カレーに絡めて食す。
これは結構スパイシーですね。
さすがスパイスは使い慣れていらっしゃるようで、辛さの中に深みがあります。
じゃがいもが結構いいです。
普通はルーの中にじゃがいも入れるんですがそれでは崩れてしまう。
揚げて入れるのは一手間掛かりますが、それがまた面白い食感をもたらしています。
ポテトにカレーを絡ませて食べると、また変わった雰囲気になります。
あっという間にさらっと完食してしまいました。
さて、もう1杯は相方の「チャーシュー麺」で、これもチャーシューが多く、食べ応えがあります。
チャーシューを分けてもらいましたが、昔風の歯応えのある造りで、美味しかったです。
相方によると、熱々のスープだったらもっと美味しかったのにと、申しておりました。
ま、ここらへんは好みがありますが。
「ごちそうさま」
今日も満足してお店を後にしました。
2007.11.07 Wednesday
居酒屋にて
とある居酒屋での話である。
友人と二人、連れ合って初めてのお店に入った。
相方が以前1回だけそこに入ったことがあると、誘われた店である。
町外れの一軒屋で、こじんまりとした感じの居酒屋。
年輩の大将と、女将さんらしい夫婦で切り盛りしている。
彼の好物である生ビールはなかったので、仕方なく瓶ビールを頼む。
たぶんここら辺から、何となく擦れ違う物があったのだろう。
飲みながら二人であれこれと話が弾む。
その場にいないからここから後は想像だが、たぶん声も大きくなって来たに違いない。
内容を聞くと、何となく暗い話題に向かっていたという。
お客は彼の組と、もう一人年輩のご婦人が一人で、暇なご主人。
良くあるパターンだが、自分で酒を注いではチビチビと飲み始めた。
この、居酒屋の店主が酒を飲みながら営業するというのは、あまり褒められたものではありませんね。
でも、まあ場末のスナックなんかに行くと、酒を飲むのが生き甲斐で、営業は二の次、という方もおられますから、非難はしません。
常連になると「また始まったか」でお終いになる。
まあお客の方もわきまえていれば良いんですが、初陣者の彼は違う。
二人で色々と話している中に、この酔っぱらいが入り込んでくる。
ご主人も暇なので、つい口が出たのだろう。
「そんな暗い話しすんじゃないよ」
「どうせなら明るく生きなきゃ」
とぶつぶつ言い始めた。
まあ適当にあしらっていたが、段々耳障りになる。
ビールを三本開けたところで、帰ることにした。
ごく普通の料金を支払って、帰りがけに彼がキレた。
思いっきり怒鳴りつけたというんだが、これはいけません。
気分の悪い店では飲まないこと。
嫌な気分で飲む酒は、精神的に非常に良くない。
話し掛けられた時に、きちんと「オヤジは黙っていてくれ」と言いましょう。
おやじさんの肩を持つわけではないけれど、「お客は店を選べる」のに、「店はお客を選べない」のです。
もしも「嫌な店」に当たってしまったら、二度と行かなきゃ良いわけで、悪口言っても詮無いことです。
意外と、「あの酔っぱらいおやじが好きで、つい通っちゃうんだ」なんて物好きもいるかもしれません。
私も年に何回か、居酒屋で不愉快な気分になることがありますが、所詮酒席でのこと。
なるべく後を引きずらないように、さっぱりと忘れます。
人間アルコールが入っていると、判断力が鈍りますから、酒の上でのトラブルは避けたいものですね。
と、悟ったように書いておりますが、自分のことは見えませんね。
反省、反省。
2007.11.06 Tuesday
静岡おでんの叩き売り・後編
さあ、ここにあるおでん、実に見事じゃありませんか。
この美味しそうな匂い、見ているだけで食べたくなる。
ヨダレが出て仕方がない。
ま、こんなお方は、今時おられるはずがない。
さて、静岡おでんの特徴はと申しますと、何と言ってもこの黒はんぺんだ。
見てご覧なさいこのどっしりとした黒はんぺん。
実はこの黒はんぺんには、特別に価値の高い栄養があることをご存じでしょうか。
なにしろ、たった1枚の黒はんぺんに、なんと、黒はんぺん1枚分の栄養がごっそりと入っているんです。
こんな話が出来るのも、私、静岡大学のおでん学科で、おでんを研究したからなのです。
さあ、行きましょう。
すじ肉コンニャク黒はんぺん、玉子にじゃがいもゴボウ巻き、串に刺されて背筋も伸びた、黒いスープの粋なヤツ。
青のりダシ粉で化粧もきれい、おまけに付けた練りからし。
たっぷり入りましたこの静岡おでん。
1000円!千円で声はないか。
そこの奥さん、私の顔ばかり見つめないで、おでんを見てくださいね。
あ、これは失礼しました。
このおでん屋の大川橋蔵、今でいえば静岡おでん界のキムタクといわれておりますこの私。
美人の皆様に見つめられるのは、なれております。
なれてはおりますが、出来ればこのおでんを見ていただきたい。
それでは口開けです。
皆さんがたが、お買い求めになりやすいように。
800円、700円。
もう、美人半額の500円。
はい、そちらのお嬢さん、ありがとうございます。
えっ、お嬢さんじゃない。
「おばさんです」って。
そうですか、いや、お若いからお嬢さんに見えましたよ。
肌なんてぴちぴちして張りがあるし、つやつや光ってるじゃないですか、
この玉子が。
さあ、さあ、続いてどんどん売りますよ。
こんどはすじ肉が大きめだ。
2007.11.05 Monday
静岡おでんの叩き売り
「静岡大道芸ワールドカップ」も無事終了しました。
最近ではアクロバット的な物が主体になっていますが、日本にも古くからの大道芸があります。
その中でも有名な口上として「バナナの叩き売り」があります。
そこで、もし「静岡おでんの叩き売り」という物があったら?
これは間違いなく「静岡大道芸」の主役になるんじゃないでしょうか。
さあ皆さん、本邦初公開、静岡おでんの叩き売りだよ。
「静岡おでんの叩き売り」
えーっ、ただいまからはじめさせていただきますのは、静岡名物大道芸、「おでんの叩き売り」でございます。
あ、ぼくぼく、そこに手を乗せてちゃあぶないよ。
おじさん、おでんの叩き売りだからな。
おとうさんおかあさんがいなかったら、ぼくも叩いて売っちゃうところだ。
ぼくだって、小さなゴボウ巻きぶら下げてるだろう。
おじさん、おでんというおでんは、ぜーんぶ売り物だと思ってるからな。
もう見境無く売っちゃうんだ。
おまけにカラシだって付けちゃうからな。
さあ、危ないから、少し後ろに下がって、下がって、ハイ結構。
さてこれから始まりますは、名物「静岡おでん」の叩き売りでございます。
私どもの販売する「静岡おでん」はそれほど高いおでんではございません。
通常ですと、だいたい、一袋1万円でお買い求めいただいております。
しかし、今日お見えの皆さんには、そんなに高い値段ではお願いいたしませんから、ご安心下さい。
どう見ましても、本日のお客さんは、生活にお忙しそうなので、一袋1万円では、こちらの心が痛みます。
もちろん、一袋1万円でお買い求め下されば、こちらの懐は温まりますので、
ぜひ、一袋1万円で買いたいという、お金が余って仕方がない、という方がおられましたら、先におっしゃってください。
ここにあるおでん全部買っていただいて、早々に店じまいいたしますから。
ま、どうせそういう方は、いらっしゃらないでしょう。
まあ、私のいうことはあまり気になさらないでください。
おでんやというのは、口が悪くできているんです。
でも、腹は悪くない。
ホントですよ、なにしろ、生まれてから一度も腹をこわしたことがないんです。
(続く)
2007.11.03 Saturday
チャーシュについて考える
ラーメンのチャーシュー
「ヤキブタ」といえば、言葉どおり「豚肉を焼いた」ものです。
中国風(?)にいえば叉焼「チャーシュー」ということになります。
ところが、現在ラーメン業界でチャーシューといえばほとんど「煮豚」を意味するようです。
そこでこれはいかがなものかと、チャーシューについて考えてみました。
まず文献によると、戦前の「ラーメン」にはちゃんとしたチャーシューが入っていたようです。
しかし本物の叉焼というのは、結構な手間と時間が掛かるものです。
何しろ焼き上げる設備からして、特別な物が必要ですからね。
上等な物になるとお値段も結構張り、安いラーメンの具としては、採算が取れない。
そこで技術的にも楽だし、費用も少しで済む「煮豚」が主流になっているのですね。
さて、このチャーシューが煮豚になったのは、戦後からだといいます。
この原因らしき物は、実は「大日本帝国陸軍」のおかげだという説に巡り会いました。
陸軍の炊事班のための指導書に「軍隊調理法」(昭和17年陸軍省検閲済)があり、この中に「煮ハムの製法」という項目があります。
これは豚肉を食塩と氷酢酸で茹で、醤油に浸すという作り方になっています。
この「氷酢酸」というのは、食酢の主成分である「酢酸」を高濃度にしたものです。
第2次対戦の後、復員してきた軍人たちが、手軽にできて美味しい「ラーメン」を生業にしたことから、この製法が始まったというのです。
「煮豚の叉焼」は軍隊がルーツなんだというわけですね。
ちなみに今のラーメン屋さんでは、「氷酢酸」は使っていませんので、誤解の無きように。
2007.11.02 Friday
大道芸の季節
大道芸の季節
いよいよ大道芸ワールドカップイン静岡が始まった。
毎年この時期になると、嬉しいやら悲しいやらで、複雑な思いだ。
思えばこのイベントが始まった時には、ここまで大きくなるなど、夢にも考えていなかった。
関係者の皆さんの、大きな努力が実ったものだろう。
皆さんご苦労様でした。
しかし良い面だけでは無いのが難しいところだ。
その中でも特に困るのが、道路の渋滞で、これには毎年悩まされる。
もっとも、自転車で回っている分にはまだ良いのだが、たまにこの時期に車を使おうとすると、もう大変。
これは恒常的な欠点なのだが、静岡市は駐車場の設備が少ない。
街中に車を止めようとするなんて、至難の業だ。
さらには道も狭いし、交通の便といったら著しく悪いのだ。
そこに来て、車で乗り入れる観光客が絶えないものだから、街中は駐車場探しの車で大渋滞。
土日は、「浜松ナンバー」や「沼津ナンバー」の車でごった返している。
もちろん「静岡に来るな」と言っているわけではありませんが、やはり公共の交通機関で来て欲しいものだ。
次に困るのは、「たこ八」が混むこと。
一見客や、家族連れで、ごった返すのが定番になっている。
まあ、これは嬉しいことでもありますから、半分冗談としておきます。
今日なんか、時間的にはぜひとも行きたいんだけれど、絶対に満員なのは分かり切っているしね。
この大道芸について、知人たちに聞いてみた。
面白いことに「大道芸」に関しては極端に差がある。
毎年欠かさずに行く人と、全く見に行かない人だ。
意外と静岡人って、盛り上がり嫌いなんだろうか。
実はかく言う私も、ほとんど見に行かない派の一員です。
メイン会場の、駿府公園まで歩いて数分なのに、もう何年も見に行っていません。
そこで今年こそは・・・・、どうしようかな。
2007.11.01 Thursday
鏡の世界の生物
鏡の世界の生物
人間をはじめとする生物は、主に「タンパク質」から出来ています。
植物でも、魚でもそれに違いはありません。
では、そのタンパク質とは何かというと、アミノ酸が結合して出来たものです。
タンパク質をどんどん分解してゆくと一つの単位になりますが、これがアミノ酸。
ではこのアミノ酸、どのぐらいの種類があると思いますか?
もちろん地球上の生物全てについてです。
様々な種類の生物がありますから、数え切れないほどだろうと思うと、意外に少ない。
実は20種類です。
まあ、結合する分子の数が多いですから、その組み合わせは無限に多くなるわけですね。
地球上の生物の体はこの20種類のアミノ酸が、組み合わされて作られているのです。
さて、その「アミノ酸」とはどういうものかといいますと
1個の炭素原子(C)に4種類の置換基が結合してできます。
それは、カルボキシル基COOH、アミノ基NH2、水素H、そしてアルキル基などR、です。
この互いに異なる4種類の置換基が付いた、炭素原子(C)を「不斉炭素」と呼びます。
この不斉炭素にはその並び方によって、光学異性体と呼ばれる、2種類の形ができます。
この二つはまったく同じ組み合わせでできているのですが、結合する場所が異なっています。
ちょうど鏡に映したように、逆の位置に結合しているのです。
片方が右手とすれば、もう片方は左手の形になるわけです。
この2種類の光学異性体を、D体、L体と呼びます。
さて、実験室で原料からアミノ酸を合成するとします。
昔はこの有機物というものは、合成できないとされたものですが、化学の進歩によって、可能になったのですね。
実験室でこのアミノ酸を合成すると、D体とL体とが、1対1の比で生成します。
これは確率的に正しいことです。
ところがですね、面白いことに、地球上の生物を構成しているアミノ酸は「全てL体」なんです。
D体がほんの少し混ざっているわけでもなく、完全に1種類しかないのです。
これは生体による合成のメカニズムが関わっているのですが、面白いと思いませんか。
もし逆に、D体だけでできた生物がいたとしたら。
見かけ上は全く同じ生物になります。
しかしその生物は我々のアミノ酸を取り込むことができない。
つまり鏡の世界に、こちらから物を持ち込むことはできないのと同じことなんです。
見かけ上全く区別はできないのに、本当は完全に異なる生物の誕生です。
広い宇宙ですから、ひょっとしたら鏡の世界に別の自分が存在するのかもしれません。
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