2007.01.18 Thursday
割れ窓理論
割れ窓理論
「割れ窓理論」とは、アメリカはルトガーズ大学の、ジョージ・ケリング教授が1982年に提唱した犯罪学の理論のこと。
街にある一つの建物の窓ガラスが、一枚割れた状態で放置すると、その建物は管理が行き届いていないものだと思われてしまう。
そして次々と窓ガラスが割られていくというものだ。
この理論によれば、万引きや違法駐車などの小さな犯罪の放置が、将来的に大きな犯罪の多発を招く事になる。
したがって、「小さな犯罪」の厳正な取り締まりこそが、「凶悪犯罪」の防止になるのだという。
その先駆けとなったのは、次の理論だといわれている。
心理学者フィリップ・ジンバルドは1969年、人が匿名状態にある時の行動特性を実験により検証した。その結論は、
「人は匿名性が保証されている・責任が分散されているといった状態におかれると、自己規制意識が低下し、「没個性化」が生じる。
その結果、情緒的・衝動的・非合理的行動が現われ、又、周囲の人の行動に感染しやすくなる。」
というものであった。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
この理論が有名になったのは、1994年ニューヨーク市の市長になったルドルフ・ジュリアーニ氏が、市内の割れ窓を一掃するために警察官を大幅増員し、地下鉄の落書きや無賃乗車などの軽微な犯罪を徹底的に取り締まったことにある。
実際、この取り締まりによって、凶悪犯罪は激減し、治安は著しく改善されたのだという。
日本でも多くの実践例が認められており、参考にしている自治体も多いそうだ。
もちろん中には疑問視する声もあるが、説得力のある理論だ。
インターネットによる匿名性が起こす事件は、まさにこのジンバルド氏の結論そのもののように思える。
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