2007.01.21 Sunday
犬型人間
犬型人間
作家の堺屋太一氏が書いていた随筆で、「犬型人間」についての下り。
なんでも「犬」は、人類が飼い出したのではなく、犬の方から人間に近づいた、のだそうな。
だから人間がいるところには必ず、犬がいるのだそうだ。
人間は、技術の進歩と、道具の使用により、多くの食料を作ることができる。
しかし人間は貧欲なため、食糧を過剰に作ってしまう。
現在の先進国では、生産された食糧の実に4分の3が廃棄されているそうだ。
犬はこの過剰な食糧に目を付け、人間の近くにいると食糧にありつける事を知った。
よって犬の方から人間にまとわりつくようになったのだそうだ。
犬は人間に可愛がられることで、生き残った。
何万年もの間、人間に可愛がられる犬だけが生き残ってきたのだ。
その遺伝子は、犬のDNAにしっかりと組み込まれている。
氏による、犬の「人間に可愛がられるノウハウ」が記されている。
第一は、喜怒哀楽の表現方法。
喜びは大袈裟に、怒りは短く、哀しみは静かに、楽しさは無邪気に表す。
いずれも可愛がられるコツだ。
第二に、ご主人を見分ける術だ。
犬は直接に餌を与える者よりも、待遇の決定権を持つ実力者を直ぐに見分ける。
第三に、絶対の従順。
自分の直属上司である「飼い主」には、全面的に服従する。
無理な命令でも懸命に果たそうとし、結果を予想してためらうことも、労役の軽重に苦情を言うこともない。
この「上司に忠実従順で少々能力が低い」
これは人間界でも可愛がられる条件だ。
これを犬型人間としている。
笑い話に「ヒトにシッポがない理由」というのがある。
それは、ちぎれるまで尻尾を振った者の子孫だけが生き残ったから。
皆さん犬も大変なんですよ。
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