静岡ラーメン放浪記

携帯かよ

　先日とあるビルの３階にて。
ここはＴ通りという、通りに面しています。
これはナイショですが、このあたりはだいぶガラが悪い。
広くもない道を暴走族風のバイクが、大きな音を立てて常に走っています。
時にはカーステレオをガンガンかけた派手なワゴン車が徘徊していたりもします。
通り沿いですからそんな騒音がバックミュージックになって、耳も慣れてしまいますね。

　そんなある日、机に向かっていると、なにやら怒鳴り声が聞こえる。
多少とはいえ、防音効果のある厚いガラス窓を通して聞こえてきますから、相当のものです。
ということは、どうやらビルの真下でやっているようです。

　なにやらまた始まったのかと苦笑い。
しかしそれが３０秒、１分 と続くとさすがに気になってきます。
トラブルが高じて、人騒がせな事件に発展しないとも限りません。
君子危うきに近づかず、とはいえ覗いてみたくなるのが心情。

　見つからないようにそっと、窓から顔を出して道路を見ます。
そこには３０から４０ぐらいの男性が一人、怒鳴りながら携帯を使っていました。
あの携帯を掛けているポーズというのもおかしなものですね。
きょろきょろと辺りを見回しながら、少し歩いては立ち止まり、また引き返して怒鳴り続けています。

　通りの騒音が大きいので、それに併せて声も大きくなるんでしょうか。
一つ通りを外して、静かなところに行けばゆっくり話せるのにねえ。
通り過ぎる人もまた、煙たそうに避けてゆきます。

　「負の連鎖」というものもまたこのような物かもしれません。
些細なことがきっかけで、どんどんマイナスに向かってしまう。
公共施設で自分の出したゴミはお持ち帰り下さい、というのは定着してきましたが。
きれいだった公園に、面倒だからと誰かがたった一つのゴミを置く。
それがきっかけで、いつの間にかゴミの山が出来てしまうことになります。
以前書きました「割れ窓理論」とは多少異なりますが、知らず知らずのうちに環境を悪化させていることに気づかねばなりません。

　それにしても、外で使う携帯の声はなかなか聞き取りにくいものです。
私もそんなときは大声になるんだろうかと、ひとしきり反省いたしました。