2009.10.22 Thursday
200パーセント大丈夫
200パーセント大丈夫
たまに耳にすることがあります。
「それで大丈夫なんですか?」
「大丈夫、100パーセント間違いない」
「いや、120パーセントどころか200パーセント大丈夫だ」
こんな言葉に限って信用できないものがほとんどです。
大体、不安があるから大丈夫なのかと聞かれるわけで、その時点で100パーセントに達していないことは明白です。
自分が絶対の確信を持っていれば、そこにパーセントなどという言葉が出てくるはずもなく、不安だからこその上乗せになります。
論理学的には、自身に矛盾を含む命題は正しいと言えないことになりますから、「200パーセント」というあり得ない数字が出てきた時点で、この言葉は嘘だということになってしまいますね。
したがって自分で、これは正しくないと言っているようなものです。
ある説に依りますと、100パーセントを超える分はマイナスになるそうです。
つまり「120パーセント大丈夫」というのは「20パーセントぐらいは不安がある」という心理的な上乗せを表しているんだとか。
そうすると、「200パーセント勝利します」というのは「絶対勝てません」と同じ意味になります。
というか、あり得ないことを確率にする時点で胡散臭いことが見えてしまいます。
つまり、自身の発言に根拠がないという印でもあるからです。
まあ重箱の隅を突っついてゆくと、いろんな矛盾が耳に障るんですが、もう一つだけどうでもいいことを書きます。
「それ以上でもなければ、以下でもない」
という表現を良く耳にしますが、国語的にはどうあれ数学的には大間違いです。
たとえば、「1以上でもなければ、1以下でもない数」という物はありません。
もちろん「1」でもないことになります。
これは「空集合」を示しますから、「何も存在しない」ということを示すことになります。
とはいうものの、慣用句ですし、広く用いられている言葉ではありますので、論理学的な意味で押し切るつもりはございません。
国語的には強調する言葉なんでしょうが、耳にするたびに違和感を感じるのは私だけでしょうかね。
おまけの一句
オシドリも永と別れに みな涙
日本人の亭主の鑑です。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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