2009.12.08 Tuesday
ガリレオの指
ガリレオの指
ガリレオの死後300年以上が経った今日、フィレンツェの科学史博物館を訪れるひとは、かつて金属の玉が斜面の下に到達するたびそれを取り上げてまた頂上まで運び、次の転落実験に備えさせた指の一本が、ミイラ化した状態で展示されているのを見ることができる。
彼が亡くなった一〇〇年後、もっといい埋葬場所に移すために遺体を掘り返した際、彼を崇拝するある人物によって、一本の歯、第五腰椎、ほかの数本の指と共に、遺体から取り去られたのであった。
聖者の骨のように聖遺物容器の中に収められたその痩せた長い指は、天空に向かって合図しているかのごとく上を向いている。
「世界で最も美しい10の科学実験」
ジョージ・ジョンソン 著 より抜粋
ガリレオに関する逸話は多いです。
それほど多くの科学法則を確立した人物だからでしょうか。
彼は物理学者、天文学者、哲学者として広く知られています。
物理学では、振り子の等時性や落体の法則などを発見しました。
しかしその業績よりも有名なのは「地動説」を唱えたことにより、有罪判決を受けたことでしょうか。
「それでも地球は回っている」
もちろん後世の人が作った名言ですが、こんな台詞を言えたら本望ですね。
ガリレオが行った有名な実験として、「ピサの斜塔」から質量の異なる二つの物体を落下させて、それが同時に地面に到達することから、物体の落下に掛かる時間は質量に依存しないということを証明したものがあります。
しかし残念ながらこれは真実ではないようです。
ただしこれに類似した実験は実際に行われていたようで、ガリレオ自身が書いたと見られる実験データが残されています。
昔から真実は地道な実験や観察によって明かされてゆくものでして、これをおろそかにしてはいけません。
それにしても偉大なる学者ガリレオの指がそんなところに展示されているとは知りませんでした。
もしも行く機会があったら、ぜひともこの目でそれを見たいものだと思います。
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