2009.12.30 Wednesday
みのかん酒場＠神奈川
みのかん酒場＠横浜
さてさて、今回の居酒屋訪問ですが久しぶりに河岸を替えてみることにしました。
永らく続いた東京地区を出でて、横浜方面の気になるお店を回ってみます。
ＪＲで横浜まで来て、ここから京急「神奈川」まで一駅です。
それなら歩いて行ってもよかったんですが、先ほどの影響もあるんで電車にしました。
神奈川の駅では下車する人は私一人だけ。
何かうらさびしさを感じさせる駅です。
そこから歩いて地図を頼りに目的のお店を探します。
１０分後、無事発見しました。
どうですこの外観。
まさに昭和レトロそのものです。
「みのかん」
市民酒場というのがまた泣けてきます。
分かりにくいですが、のれんの左下は破れていて、それをセロテープで貼ってあるんです。
こののれんだけでお酒が何杯も飲めそうですね。
さっそくお店に入りますが、あれお店の方はだれも見えません。
入り口右手にガラスに隠れた調理場、それを囲んで長くカウンターがあります。
左手には４人掛けのテーブル席がずらりと並んでいます。
椅子が昔ながらの丸いパイプ椅子で、これも風情があります。
先客はそのカウンターにお二人。
左の端席には７０代のご老人が日本酒の徳利を二本開けています。
一席空けて４０代ほどの男性はチューハイを手に煙草を一服しています。
「こんちわー」
声を掛けると中からご主人が出てこられました。
「いらっしゃいませ」
私も一つ置いたカウンターに座ります。
「瓶ビール（４３０円）ともつ煮（３００円）をお願いします」
ビールの栓が抜かれてコップと共にやってきました。
それと同時にお皿も出てきました。
練りカラシの入った湯飲みが添えられています。
これがみのかんさんの名物お通しですね。
大きなジャガイモに三角の厚揚げのおでんです。
このジャガイモの大きいこと。
メイクイーンのねっとりとした食感がたまりません。
味付けもしっかりしたしょうゆ味で、良いつまみですね。
これだけでビール１本は軽く勤まります。
しかもこのお店の凄いところは、このお通しがロハ、サービスだというところです。
信じられない良心的経営ですね。
小皿にちょびっとの松前漬けか何かで５００円も取る暴力居酒屋さんには、どうぞ見習って欲しいものです。
ともかく歩いて喉が渇きました。
さっそくビールで乾杯です。
すぐに出てきた煮込みもユニークです。
具は豚のモツにコンニャクのみ。
シロ、ガツ、フワなどの部位が醤油と味噌で煮込まれています。
ただいまの時間帯はまだ早いとあって、煮え方も若めですがこれはこれで結構なものです。
これも添えられた七味を振りかけていただきますが、板状に切られたコンニャクが珍しいですね。
それにしてもお値段が安すぎます。
瓶ビールの大瓶が４３０円というのも安いですが、つまみだって激安です。
トマト１８０円、お新香１２０円、タコ刺身２７０円、最高金額でもまぐろ刺身４００円ですから凄いものです。
もちろん安いからといって手を抜いてあるわけではなく、みんな十分にボリュームと品質があります。
ビールが空いて、次はチューハイ（２８０円）を注文します。
大きめのタンブラーに氷を入れてスタンバイしてある物に、ご主人が宝焼酎の一升瓶からコップで計ってきっちり１杯を入れます。
栓を抜いた炭酸の瓶と一緒にカウンターに置かれました。
これも噂に違わない盛りの良さです。
炭酸のメーカーは「ハイピッチ」と書いてあります。
この瓶も初めて見ました。
とにかくショーチューが多いのでこのままでは炭酸が２割ぐらいしか入りません。
したがって、少し飲んでは炭酸を追加、また飲んで追加という具合に減らして行くしかありません。
コップ１杯で２００�媼紊任垢�ら、一般的なチューハイの２倍以上になります。
これは効きますね。
私の場合普段の定量が「たこ八」でのビール１本にショーチュー２杯ですから、今日はこのお店だけで定量です。
それをいつもより早い時間に速いペースで飲んでいますから、後が心配になりますね。
お店にはお客さんが二人入ってきました。
皆さん一人客で、常連らしい方ばかりです。
まあ平日の３時ですから、サラリーマンとか通りすがりの方はまず入ってこないんでしょうが。
端のご年輩の方が頼んだ「かまぼこ（２２０円）」を見てまたビックリです。
何と丸々１本分のかまぼこがスライスされて出てきました。
これまた凄いボリュームですね。
かのご老人は久しぶりに訪問したらしく、しきりにご主人に話しかけています。
ところがこのご主人がまた寡黙で、必要なこと以外は喋りません。
話を振られても差し障りのない辺りで交わしてゆきます。
さすがに商売慣れしたものですね。
左隣の方が注文した「湯豆腐（１８０円）」が出てきてまたビックリしました。
これは豆腐丸々１丁ありますね。
湯で温めてからお皿に取り、八つ切りにして葱と花鰹に醤油を掛けて出されます。
これほど大きい湯豆腐は久しぶりに見ました。
お店の中はしんとしていて、皆さん静かにいお酒を嗜んでおられます。
こういう雰囲気の中で飲むお酒は、実に心地よい気分にさせてくれます。
それにしても今日は最初からお酒の回りが早い感じです。
もうこのあたりで切り上げないと後が心配ですので、そろそろおいとましましょう。
「お勘定をお願いします」
「１０５０円です」
のんびりとお店を出て、また駅まで歩いて向かいます。
